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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
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16-3 私がすべきこと

女神様は私に何かを期待しているのよね。

でも、それについては何もおっしゃらなかった。

いえ、自由にしていいとは言ってくれたけど・・・。


そう、私は女神様が何を望んでいるのかわからなかったの。

お父様達に私を守るように言ったことも「愛し子」と呼ばれたくらいで大袈裟なと思ったくらいだったわ。


でも、昨日のおじい様の言葉で納得したの。

私の知識は膨大な利権を生み、また争いの元になるだろうということを。


私は・・・争いは望みません。彼女が暮らしていたあの世界の様に争いの無い・・・いえ、彼女の世界にも争いはありましたね。

テレビという箱から流れてきたニュースには中東の方でおこった紛争や、テロによる爆発騒ぎ。身近なところでも隣人による殺人事件なども日常茶飯事だったと思います。

それでも、彼女の周りは平和でした。


女神様が望むのは彼女が感じていた(・・・・・)平和な世界のことなのでしょうか?


そういえばあの時の女神様はどんな表情をしていたかしら。

私には慈愛の笑みを向けてくれて、悪いこと?をしていた方たちには冷たい視線?を向けていた。

それから、最後に額にキスをしてくれて・・・。


あれ、私にキスをしてくれた時のあの表情。微笑んでくれていたけど、なんだろう。

気がかり? いたわり? えーと、心配?

どれも違う気がするわ。

懸念、危惧・・・これも違う。


言葉探しはいいにしましょう。


女神様は・・・! そう、女神様は何故私を「愛し子」に、しなければいけなかったのかよ。

女神様が降臨なさったのは初めてと聞いたわ。

では、何故、今まで降臨出来なかったのか。

女神様が地上に降りたつには何か制約があるのよね。

それから、多分女神様が力を振るうのにも制約?があるのよ。

力を使いすぎると地上に多大な被害がいくとか・・・。


そうか。だから、私の「言葉をよく聞きなさい」と言ったのね。

魔物の大量発生は女神様が意図したことじゃない。

本当なら大量発生は起きない?はずだったとか。

だけど女神様の意に反して、大量発生は起きる。

それも、おじい様達の言葉が正しいのなら約50年ぶりになるというわ。

そして、一番最悪の事態・・・この世界の国すべてで大量発生は起きる。


ならば、どうすればいい。私に出来ることは何。


女神様が私に期待しているのは、あちらの世界の・・・。

いいえ。この世界と似たあのゲームのシナリオ。

ヒロインが光魔法を使って魔物を殲滅する、あのシーン。

あの魔法「聖光(ホーリー ブライト)」はとても高度で魔力も大量に使うもの。

だから、ゲームでも「聖光」を使ったヒロインは生死の境をさまよって、でも、助かって・・・。


あっ。

そうだった。

この時に倒れたヒロインをお兄様が・・・いえ、ミルフォードが抱き上げていたスチルがあって・・・。

そうか、そうだったんだ。

このスチルはヒロインが第2王子の好感度を上げていた時におこったものだったんだ。

それで、第2王子の側近のお・・・ミルフォードも一緒に居ることが多かったから、ミルフォードの好感度も上がっていたのね。

で、攻略対象者ではまだない(・・・・)ミルフォードが抱き上げていたスチルの、次の回からミルフォードが攻略対象者になった・・・と。


・・・いけない。脱線してるわ。

えーと、だから、私に出来ることよ。

服・・・は、もうボタンとホック、それからベルトが流通し始めたから、これはいいわね。

靴・・・は、この世界のショートブーツは底の部分を改良して頑丈で軽いものを開発する。ゴムがあるもの。動きやすいものが作れるはずだわ。

魔法・・・これは・・・リングスタットだけでは駄目だわ。なんとか各国で協力して改善・・・。いえ、これは私がすることではないわ。魔術師長と話して、相談しましょう。

あとは・・・ううん。先走り過ぎてもいけないわね。


それよりも、これを行うには各国の協力を取り付けなくてはならないわ。

そのためには・・・まずは家族に、話さないといけないわね。


ここまで考えた時に隣の部屋の扉が開く音がしました。

軽いノックの音が聞こえたあと、クリスさんの声が聞こえてきました。


「おはようございます、セリアテスさま」

「おはようございます。どうぞ、入ってきてください」


私は返事をしながら体をベッドの上に起こしました。

入って来たクリスさんは私に笑いかけながら天蓋を開け、いつものように上着を肩にかけてくれました。


「セリアテス様、私達にそのような言い方をなさらなくていいのですよ」

「でも、クリスさんは私より年上だわ。年上の方に命令口調で話せないわ。公の場じゃないもの」

「フフッ。公の場で困ることになっても知りませんよ」

「大丈夫・・・だと思うわ。自信はあまりないけど」

「では、今の内に慣れておいた方がよろしいのではないですか」

「うー・・・じゃあマナーの時間にふさわしい言葉使いの練習をするでどうかしら」


私がそういったら、クリスさんと丁度入って来たサラエさんがおかしそうに笑ったのでした。



204話です。


セリアちゃんが決意したところで・・・あれ?

決意まで行ってないか。


乙女ゲーム。ゲームはいろいろやったけど、このなろうで流行りの悪役令嬢物のゲームってないよね。

あるなら実際にやってみたいな~。


と、思う今日この頃です。


では、次話で。また!

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