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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
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15-6 ドレスの決定と4人目の来訪者

暴走しかけたおば様達を止めたのはミルフォードお兄様でした。


「カテリア伯母上、先程も言いましたが、セリアのドレスを決めてからにしてください。他の家でも連絡を待っているのでしょう」


また、おば様達は顔を赤くされました。


「そ、そうね。嫌だわ。つい興奮してしまって。それでセリアテス、ドレスの色はどうするの」

「・・・もしかしてこのデザインのどれかを作るのですか」

「ええ、これがいいのでしょう?」


うっ、まあ、そうなのですけど。でも、いいのかな。

いいや。もう。

おば様達もいいと言っているし。


「先ほど季節の色とか言ってましたけど、何かあるのですか」

「ええ、でもそれほど気にしなくていいわよ。あなたは女神様の愛し子なのだから」

「伯母様、決められていることには意味がありますよね。悪しき慣習なら正すべきですが、そうでなければ従うべきだと思います」


私の言葉にカテリア伯母様の顔から笑みが消えました。少し考えて頷かれるとおっしゃられました。


「そうね。これは私が間違っていたわ。王家の者が慣習をないがしろにしてはいけないわね」


そう言って私にニッコリと微笑まれました。


「季節の色といってもそんなにうるさくはないのよ。使えない色があるわけではないの。季節によって濃淡が決められているくらいなのよ。春は淡い色、夏はそれよりも濃く。秋、冬とだんだん濃くなっていくのよ」

「その季節に好まれる色はありますか」

「そうね。春はピンクと緑かしら。夏は青、秋は黄色ね。冬は赤が好まれるわね」

「では、ドレスの生地は濃いめの色でレースを重ねて下の色が透けて見えるようなドレスはありですか」

「?どんなかんじかしら」


そばにあった赤い生地の上にレースを重ねてみせます。


「こんな感じで、動くと下の色が見えると言うものなのですけど」

「まあ、いいわね。・・・ではないわね。セリアテスはそのようなドレスが着たいのかしら」

「あっ、いいえ。私はこんな感じではなくて、このような(さっき書いた紙を持ちます)ドレスで、基本の色は白かアイボリーで、リボンをお兄様に頂いた緑色のリボンと同じ色で作っていただけたら・・・と」


そうでした。今から作るんですよね。手間をかけてしまいますよね。

やはり、今までに持っている服で着たことがない服から選びましょう・・・と、言えない雰囲気です。

何か、侍女さんが燃えています。


「判りました、セリアテス様。まずは生地をお持ちしますので、そちらからお選びください」


そう言った侍女さんの後ろで、リボンの買い付けに誰が行くとか、レースの種類はとか騒いでいる侍女さん達。

ソフィティア叔母様も立ち上がりながら言いました。


「では、遠話の魔道具をお借りしますわ。連絡をしてまいります」


そして部屋を出て行かれました。


残った私達は・・・いえ、みなさまは自分のドレスをどうするか話しています。

私は侍女さんが持ってきてくれた生地からアイボリーより黄色味がかった色の生地を選びました。

・・・と云うより選ばされました。だって熱心に勧めてくるのですもの。


で、私の仕事はおしまいです。あとはお任せくださいというので、任せます。

さっき書いた絵を持っていかれました。

思っているのと違うものになっても・・・ご愛敬ですよね。


お母様達のドレスも決まり、ルートガー家、アルンスト家から侍女さん達が布と共に到着し、裁縫室は戦場になりました。

私達は優雅にお茶を楽しんでいます。

・・・いいのかな。


「それではどうしましょうか。予定が変わってしまったから、今からお勉強をするには時間も中途半端よね」


おばあ様が言われて時計をみたら、もうすぐ11時になるところです。

確かに中途半端です、よね?


どうしようか考えていた時に、執事のアロンさんが来て、私に来客ですと告げました。

他のみなさまが部屋を出て行かれようとしましたが、案内された方がそれを止めました。

みなさまは席を移動し、私はソファーの所でその方と話すことになりました。


その方はソファーに座る前にブーツ?の踵をかちりと合わせて揃え、左腕を胸に当て礼をしました。

そういえば、この礼の最上級は神殿でお父様達がした、跪いて左腕を胸に当て礼をすることだそうです。

次に跪いて頭を垂れる。その次がこの立って左腕を胸に当てるものだそうです。


軍服の似合うその方が名乗りました。


「お初にお目にかかります。私はメラニー・クラインベック・ローゼンメラー。近衛第6師団団長をしています。以後お見知りおきください」


私は慌てているように見えないようにゆっくりと立ち上がり、軽く膝を曲げて淑女の礼をしました。


「ご挨拶ありがとうございます。セリアテス・クリスチーネ・フォングラムです」


私が座りましたら、ローゼンメラー様も座りました。


「セリアテス様は第6師団の事をご存知ですか」

「申し訳ありません。何も存じあげません」


私の言葉にローゼンメラー様は口元を綻ばせました。



196話です。


今話は4人目の方が訪ねてきました。

私の中では侍女見習いと護衛候補も来訪者になるのですが、これからはセリアの近くにいる子たちなので除外しました。


いつの間にか200話まであと4話となりました。

リクエスト、まだ募集してますので、良ければこんな話が読みたいとリクエストしてください。


それでは、また、次話で。

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