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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
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15-4 お兄様が・・・お説教?

お兄様の言葉に納得しました。キャバリエ公爵家はサンフェリス国の王太子一家です。国賓です。

そして私は「女神様の愛し子」ですものね。


お兄様がやさしく手を動かして涙を拭ってくれました。

はぁ~。泣くつもりはなかったのですけど、涙腺がちょっと弱いです。

お兄様は私と目を合わせると微笑んでくれます。

その微笑みに励まされて、さっき疑問に思ったことを聞くことにします。


「お兄様、ビアンカが言っていた、サンフェリスの国色というのはなんですか」

「ああ、それはね、それぞれの国にはその国を表す色があるんだよ」

「それで、オレンジ色と言ったのですね」

「そうだよ」

「リングスタットは何色ですか」

「ラピスラズリ(濃い紺色)だよ」

「・・・おじい様の瞳の色?」

「そうだね」


お兄様と微笑み合いながら見つめ合っていたら、オスカーお兄様が抗議してきました。


「ひどいなミルフォード。突き飛ばすことないじゃんか」

「セリアを泣かすオスカーが悪い」


その言葉にオスカーお兄様はウッと言葉に詰まりました。そして、


「悪かったよ。セリアテスを泣かすつもりはなかったんだ。拗ねてる様子が可愛かったから、からかいたくなったんだ」


と、決まり悪げにいいました。

チラチラと私の様子を伺うのがおかしくて許すことにしました。


「もう、いいですよ。オスカーお兄様」

「許してくれるの」

「もう、意地悪しないでくださいね」

「うん。ごめん、セリア」


満面の笑顔で謝られました。

・・・うん。オスカーお兄様は美少年です。笑顔がまぶしいです。


「では、母上もおば上方もいいですか。まずはセリアに分かるようにしてから、はしゃいでください」

「「「「はい」」」」

「もちろんお婆様もですよ」

「わかったわよ。ほんとにこの子は誰に似たのやら」


お兄様の言葉にお母様とおば様方は顔を赤くしています。おばあ様は・・・何故に面白そうにお兄様を見ているのでしょうか。


「セリアはどんなドレスを着たいの」


お兄様が聞いてくれましたが、それに首をかしげてわからないアピールをします。

そうです。分からないのです。そういう集まりのドレスコードなんて見当もつきません。


「そうだよね。わからないよね」


お兄様が笑いながら言ってくれます。


「母上、今回の宴の時間は?」

「午後の2時からよ」

「場所は王城ですよね」

「ええ。今回は今までで一番規模が大きいのではないかしら」

「神殿での時みたいに各家の参加人数は決められているとか」

「それはないようよ。ただ、5歳以下の子供は参加が認められないそうね」

「大広間でその人数は入りますかね」

「ミルフォード、入らないから2部構成にするそうよ」

「広間に入る人数にしなかったのですか、ソフィー叔母上」

「それをしようとしたら各家から抗議が凄かったらしいのよ。特に伯爵以下の貴族家からのね。きっと子供をセリアテスに会わせて売り込みたいのね」

「そうよね。気持ちはわからないでもないけど、もう少し節度を持ってほしいものだわ」


ソフィティア叔母様が顔をしかめながら言うのに、ウルリーケ叔母様も同調します。

何かあったのでしょう・・・か!

あっ、もしかしたら、私が個人の招待を受けないといったから?

これは昨日のうちに神殿から私の言葉として発表されたと言うわ。

それを聞いたから、公の場である今回の宴に参加したいと。

あ、でも、待って。ウルリーケ叔母様の言葉は・・・。


「あの、ウルリーケ叔母様。もしかして、すごくご迷惑を掛けてませんか」


私が声を掛けたら、叔母様達がハッとした顔をしました。

ああ、やはり。


「すみません。私のせいで・・・」

「そんなことないのよ、セリアテス」

「そうよ。ぜんぜん迷惑じゃないのよ。私達からあなたに繋ぎを取ろうとする、厚かましい輩がいるだけなのよ」


厚かましいやからって・・・。ソフィティア叔母様、歯に衣着せましょうよ。


「まあ、そんな者達がいるの。ソフィティア、ウルリーケ、後でどの家か教えなさい。かわいい義妹(いもうと)達を煩わせるなんて。フフッ。3日後が楽しみだわ。私の可愛い姪に邪まな想いで近づこうなんて、私がさせるわけないでしょう」


カテリア伯母様・・・。あの、お気持ちはうれしいですが、思考が暴走してませんか。叔母様達は私と会えるように繋ぎを取ろうとしたとしかいってませんけど。

オスカーお兄様が呆れたように伯母様に声を掛けました。


「母上、まだ何も起こってないんだから、早まったことをしないでよ。セリアテスが怯えているよ。それよりも、早くドレスを決めないといけないんじゃないの」


カテリア伯母様が私の顔を見て気まずそうにしました。


「そうね。ごめんなさいね、セリアテス」

「いえ、伯母様が私のことを大切に思ってくださっているのがわかってうれしいです」


そう言って微笑みかけたら、伯母様は頬を染めてプルプル震えたとおもったら、私のそばに来てギュッと抱きしめてきました。


「もう、なんなのこの子ってば。かわいすぎるじゃない」


お、伯母様。その胸は・・・凶器です。胸の谷間に顔が埋まって、こ、呼吸が~。



194話です。



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