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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
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14-9 お料理対決?・・・です

私は料理長たちの料理対決を用意してくれた椅子に座って見ています。


2人はまず、鍋に水を入れて火にかけました。次にトウモロコシの皮を剥いて包丁で半分に切り、沸騰した鍋に入れました。2人とも真剣に鍋の中を見ています。2人が動きました。火を止めてトウモロコシを取り出しました。茹で汁は流しに捨てました。


2人ともボールを用意してその中にトウモロコシを入れ魔法を唱えました。実が芯から離れています。2本分を芯から実を離れさせたところでフッフス料理長が私を呼びました。


「これはどれくらい細かくしますか」

「えーと、そうですね、かなり細かくと言いたいのですが、粒があるのも食感が楽しめて面白いと思います」

「なるほど。ありがとうございます」


この時一粒の実を私にくれました。食べてみたらかなり甘いです。

私は椅子のところに戻りました。何かちゃんとした答えになっていなかったので、申し訳なく思います。


2人は風魔法でしょうか?トウモロコシの実を細かくしています。

先程とは別の鍋に細かくなった実を入れて水を加えて火にかけました。それから、かき混ぜながら沸騰するのを待っているようです。沸騰したのかミルクを加えました。それから塩とコショウを入れて味見をしています。それから、それぞれ、水を加えたりミルクを足したりして、味を調えると火を止めました。


いつの間にかそれぞれの台にスープ用のお皿が用意されていました。

それにスープをいれると私のそばの台に置きました。


「「どうぞお試しください」」


私はスプーンを取り先に置かれたイアン料理長のお皿からポタージュをすくいました。

口に入れるとトウモロコシの甘さとミルクの濃厚さを感じます。それにざるで濾したのかすごく滑らかです。もう一口飲むと、隣のお皿に移ります。

こちら用にもスプーンを用意されていたので、スプーンを持ち替えました。

フッフス料理長のポタージュはイアン料理長より黄色い色をしています。

口に含むとトウモロコシの甘さが口の中に広がります。ミルクの濃厚さはないけど、すっきりとした甘さを感じます。それに、わざと粒を大きめにして食感を楽しめるようにしているようです。

もう一さじすくったら、細かくしていない実が出てきました。口に含み噛むと甘さが広がります。


「うふふ」


思わず笑い声が口から洩れました。


さて、困りました。どちらも甲乙つけがたいです。滑らかな舌触りもいいのですが、つぶつぶ食感も捨てがたいです。

2人に見つめられて困ってしまいました。


私が何も云えずにいたら、イアン料理長が息を吐き出してこういいました。


「俺の負けだな」

「いや、まだ、セリアテス嬢は判定をだしてないだろう」

「いやいや、さっきセリアテス様はお前のポタージュを飲んで声をあげられたんだ。お前の勝ちだ」

「そんなことはないだろう。貴殿のポタージュを飲まれた時に目を丸くした後、微笑まれていたんだぞ。それを見て、俺は負けたと思ったんだ」

「そんなことはない。お前の方を好まれたんだ」

「違うだろう。貴殿のほうが」

「はい、そこまでよ」


料理長たちの言い合いにお母様がまったをかけました。


「セリアはまだ答えを出していないのよ。それでセリア、どちらが完成品なの」

「・・・どちらも」

「「はあ?」」

「ですから、イアン料理長が作られた滑らかなものも、フッフス料理長が作られた粒があるものも、どちらも完成品なんです」

「どちらもですか」

「はい。私はどちらもとても美味しくいただきました。あとは嗜好の問題になるとおもいます」


そういいましたら、お母様がスプーンを持ってくるようにいいました。

そして、それぞれを味見をして、納得した顔をなさいました。


「セリアの言う通りね。どちらもとても美味しいわ。私はどちらも好きよ」


料理長たちもスプーンを取りお互いのポタージュを味見しました。

そして、納得した顔をなさいました。


「引き分けでいいわね」

「はい」

「異論ございません」


よかったです。穏便に収まりました。お母様ナイスです。

ほんとうイアン料理長、やめてくださいね。

フッフス氏は王宮料理長なんですよ。

若い料理人にするみたいに試すようなことはしないでください!


「ところで、これはあとどれくらいあるの」


お母様がイアン料理長に聞いています。


「えー、届けられたのが10本でしたのであと6本ありますが」

「では、今夜の1品に加えることは出来ますか」

「ルートガー家とアルンスト家の方々もいらっしゃるのでしたら、一口ずつくらいになりますけど。それでもよろしければお作りしますよ」


お母様が私の方を見ました。何が言いたいか分かったので、頷きました。


「では、用意してくださいな」

「承知いたしました」


イアン料理長がうやうやしく頭をさげました。

頭を上げるとフッフス料理長をみました。


「王宮料理長殿は今日は休みなんだろう」

「ああ、そうだが」

「何時までに戻らなくてはならないんだ」

「ん?なんでだ」

「セリアテス様がこれを作ってくれと言っているんだぞ。これと同じものをもう3本分で作って欲しいのだが、時間は大丈夫か」

「ああ。それなら明日も休みだから、大丈夫だ」


フッフス料理長の答えにイアン料理長は笑顔を見せました。



185話です。


さて、ポタージュスープ。

出来上がりましたが・・・失敗してないですね。

言葉で聞いただけにしては・・・。

もちろん理由がありますとも。


閑話・・・タイトルは料理長たちでいいかな? そこで、語ります。


次話で14- は終わります。

閑話のおじさん達の話を挟んで翌日になります。

・・・日にちが飛びませんねぇ~。


では、また、次話で!


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