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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
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14-3 2人目の来訪者は・・・想い人?

後の方で溜め息が聞こえました。

見るとお爺様が立ち上がるところでした。

私のそばまで来て頭の上に手をのせて撫ぜてきました。


「教えてもらうのに礼を尽くすのは当たり前か。良い言葉じゃのう。ぜひ、学園の生徒に教えねばならんのう」

「学園では先生に礼を尽くさないのですか」

「うむ。そういう生徒ばかりではないのだが、身分をのう~。笠に着るというかのう~」

「学園は身分がものをいうところなのですか」

「いや。学園にいる間は身分は関係ない事になっておる。だが、暗黙の了解というものがあってだな、身分差は存在するのじゃ」

「そうなのですか・・・」


う~ん。これは、やはりゲーム仕様なのでしょうか。

たしか、あのゲーム「魔法学園クルセイダー 恋も魔法もあなたと共に」でも、学園内では身分は関係ないだったけど、実際は高位貴族に逆らえない風潮があったっけ。それで、ヒロインが・・・あれ、ヒロインって、平民?貴族の庶子で引き取られた子?それとも、男爵家の娘?・・・とにかく身分的には低くて、それなのに王侯貴族に食ってかかるような娘で・・・。

ああ、これもテンプレってやつでしたね。


って、待って。ヒロインは魔力量が多い庶民だったわよね。なんで、貴族の庶子で引き取られた子や男爵家の娘なんて言葉が浮かんだわけ?

・・・もしかして、第2弾のヒロインがそういう設定だったのかしら。

なんか、嫌な予感がするんだけど・・・。


「どうかしたのか、セリアテス」


おじい様の言葉にハッとします。そうでした。今はこんなことを考えている場合ではないですね。


「あっ、いえ・・・」

「なーに、心配することはないぞ、セリアテス。お前が入学する頃にはそこはきちんとさせておくでな」


おじい様、何をするおつもりですか?


「では、わしらはそろそろ行こうかの」


おじい様がそう言って、お父様達が部屋を出ていかれます。その後を私達はぞろぞろとついて行きました。

玄関ホールでお見送りです。


「ソフィティア、ウルリーケ。申し訳ないが連絡するまでこちらにいてもらえるかの」

「「承知いたしました」」

「では、行ってくる」


そういって、それぞれ夫婦でキスをして挨拶をしています。

・・・うん。何かをいう方が負けな気がするわ。


今日は馬車は3台止まっています。フォングラム公爵家、キャバリエ公爵家、アルンスト侯爵家の馬車です。おじい様達が馬車に乗り込もうとして、動きを止めました。


門の方から馬が駆けてくる音が聞こえました。

程なくして騎馬の一団が駆けこんできました。馬車の後ろでピタリと止まり、サッと下馬されました。

先頭の方が手綱をそばに寄った下男?に預けてこちらに来ました。

黒髪で、かなり背の高い精悍な男性です。

ジーク伯父様の前に跪きました。


「ジークフリート様、ベルンハルト陛下の命により参上しました」

「来たか。ファラント・オブライン」

「はっ!」

「して、陛下はなんと」

「此度の件の見通しが立つまで戻ることがないようにと」

「そうか。わかった。では、皆長旅で疲れているだろう。今日は休んでくれ」

「ジークフリート様はこれからどちらに」

「リングスタットの王城にいく」

「私もお供致します」

「お前も疲れているだろう。休め」

「いえ。私はリングスタット王への親書を預かっております。直接渡すようにと命令を受けました」


ファラント・オブライン様はジーク伯父様を睨むように見ています。

いえ、睨むようには言い方が悪いですね。オブライン様は少し眼光が鋭く見える方なのです。

それに三白眼でしたから見上げる感じが尚更それを強調しているだけだと思います。


「分かった。では馬車に一緒に乗るように。異論は受けないぞ」

「はっ」


そう言って、オブライン様は立ち上がりました。やはりみなさまの中で一番背が高いです。

オブライン様がこちらを見ました。目を細めたと思ったら、飛びついてきた人を抱きしめました。


「ファラント!!」


・・・えー!

クラーラお姉様がオブライン様に抱きついています。

お、お姉様を軽々と抱き上げてますよー!

お、お、お姉様が子供の様に見えます。

お姉様は頬を染めてとてもうれしそうです。

お姉様を見るオブライン様も先ほどまでと違いとても柔らかい表情です。


「会いたかったわ」

「俺もだ」


って会話をして、今にもキスをしそうなのですけどー!

・・・って、あっ、しませんか。・・・するのは頬なんですね。

うん。・・・目のやり場に困らなくてよかったです。


お姉様を下ろしたオブライン様が私の前にきました。彼は私の前で跪くと頭を垂れたあと、顔をあげました。それで瞳の色がわかりました。オブライン様はとても珍しい目の色をしていました。いえ、色は普通なのですが、左右で色が違います。確か、彼女が騒いでいたアニメの主人公にもいましたね。えーと、オッドアイといったと思います。右目がエメラルドで、左目がタイガーズアイ、いえ、黄色味を帯びた瞳の色です。トラではなくてイヌ系・・・オオカミのような雰囲気の方です。


「セリアテス様。私はファラント・オブラインと申します。サンフェリス国近衛騎士をしております。何卒お見知りおきください」

「はい。よろしくお願いします?」


オブライン様の名乗りに返事をします。

あれ、このお返事でいいのでしょうか。



179話です。


今回はタイトル通りですね。

来訪者2人目です。

そして、クラーラの想い人です。・・・というか、両想いなのですが。


それから、ふじつぼ様、ありがとうございました。

黒狼の瞳の色!オッドアイにさせていただきました。


えーと、他になにか・・・。

なさそうなので、また次話で!

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