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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
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14-2 魔法の勉強は基本の基・・・からです

私達は食堂から2階のサロン?に移動しました。ここは多目的室で勉強部屋に使ったりするそうです。

机・・・いえ、長テーブルですね。これがいくつかあって、そこに私たち子供は座っています。

長テーブルは3人並んで座れるので、私の隣にはビアンカとアマリア様がいます。

他のテーブルにはお兄様達が座っています。


テーブルの無い後の方に、大人たちが椅子に座っています。

魔術師長は大人たちがいるので、居心地が悪そうです。


「それでは、始めさせていただきます。まずは、自己紹介から。私はヴィクトール・オットマーといいます。この国の魔術師長をしていますが、この場では魔術師長ではなく、オットマー先生とお呼びください」

「はい。オットマー先生」


私が答えました。他のみんなは・・・見ているだけですか。わかりました。


「今日は時間もない事ですし、基本のことをお教えします」


・・・言ってもいいかな。いや、今言わないと学園に入学した時に大変なことになる気がする。

なので、私は右手をあげました。


「何でしょうか、セリアテス様」

「オットマー先生、普通に話してください」

「はっ、いや、ですが、女神様の愛し子(いとしご)様に普通にお話しするなど」

「それはおかしいです。私は勉強を教わる身です。先生が生徒に尊敬語を使うのは変です」


そう言いましたら、オットマー先生は困ったように大人達の方を見ました。

お父様が何も言わないので、見かねたようにおじい様が話されました。


「ヴィクトール、セリアテスの言う通りにな」

「わかりました。それでは、セリアテス様。今まで魔法を使ったのは先日と昨日の2回だけですか」

「はい。そうです」

「最初に魔法を使った時のことは覚えていますか」

「はい。あの時は呪文を唱えたら私の中で何かが動いたのを感じました」

「昨日はどうやったか、説明できますか」

「昨日は、魔石の加工の時に、オットマー先生が魔力を練っていると感じたのですが、私は練り方がわからなかったので、ノミの先に魔力を通すつもりで使いました」

「そうですか。わかりました。では、前にも話しましたが、私たちは魔力を持って生まれてきます。魔力というのは体の中をまわっています。まずは最初に魔力の流れを意識するところから始めましょう」


そう言われました。うん。基本の基ですね。


「セリアテス様は魔力があることを意識しているので、すぐにできますよ。手を私の手のひらの上に置いてください」


言われたとおりに手を置きます。


「今からセリアテス様の右手に魔力を流し左手から魔力をだします」


その言葉の後に、オットマー先生が魔力を私に流してきました。自分のものでない魔力が体の中をまわっていくのがわかります。そして、左手から先生の方に戻っていきました。先生が手を離しました。


私は自分の手を見ました。

これが魔力。先生の魔力が一巡したおかげで自分の魔力の流れがわかりました。


「どうですか。少し荒っぽいですが、魔力が流れるのがわかったでしょう」

「はい。これが魔力なのですね」

「これを理解していないと、魔力を放出し過ぎて枯渇することもありますから」

「魔力の枯渇ですか。それはどういった状態になるのでしょうか」


先生がお父様達の方を見ました。軽く頷いてから話してくれました。


「魔力量は髪の輝きに出るという話は覚えていますか」

「はい」

「魔力量が少なくなると髪の輝きが失われます。顔色も悪くなります。最後にはカサカサに干からびてしまうと言われています」


・・・干からびる?

じゃあ、魔力が無くなったらヨボヨボのおばあちゃんになってしまうの。

それは嫌だわ。

あれ?でも。


「いわれているのですか。実際に起こったことではなくて?」

「ええ。文献に残されていただけですので。まあ、これまでにそこまで魔力を使う人はいませんでしたから、真偽のほどはわかりません」

「では、どういった状態になるのですか」

「大体は髪の輝きが失われた時点で気を失ってしまいます」


つまり、MPが0になり気を失うと・・・。


「他に質問はありますか」

「他には・・・ないです」

「では、今日は自分の魔力の流れを感じることが課題です。よろしいでしょうか」

「はい。わかりました」

「また、明日来ます」


私は椅子から立ち上がり「ありがとうございました」と言ってお辞儀をしました。

顔を上げるとオットマー先生が驚いた顔をしています。

周りを見ていくとみなさまも同じように驚いています。


また、何かやってしまったようです。


「あの、講義が終わった後に挨拶はしないのですか」

「あー、そのー・・・」


オットマー先生が何か言いかけましたが、言葉になりません。

代わりにお兄様が答えてくれました。


「セリア、講義の後に、お礼を言うことはしないんだよ。まして、頭を下げることもないんだよ」

「でも、お兄様。教えていただく身といたしましては礼を尽くすのは当たり前だと思うのですが」


そう言いましたら、みなさま目をもっと見開いて驚かれました。



178話です。


今話は・・・特にないかな。

本当に基本の基しかしてないし・・・。


ということで、それでは、また次話で。

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