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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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従兄話 オスカー2 リングスタットの王子達について思うこと

王都リングスフォルトまではお婆様が馬車に魔法をかけたんだ。お婆様の浮遊魔法は母上よりも一段上で目を奪われたくらいさ。

父上はフォングブルクまで馬車を使わずに馬をとばしてきたんだって。父上も浮遊の魔法を使えるけど母上には敵わないらしい。王都までの馬車の旅はとても楽しかった。


王都のフォングラム公爵家に着いたら連絡がいっていたからか、セルジアス叔父上一家が待っていてくれた。去年ぶりに見たミルフォードは落ち着いた感じだった。セリアテスもよちよち歩きから、しっかりとした足取りになっていた。

姉のクラーラは従妹のセリアテスに夢中になっていた。かわいくて仕方がないらしい。常々姉には、僕たちが男で可愛くないと言われていたからね。まあ、仕方がないか。

王都でもお爺様の授業は続いたんだ。ミルフォードが一緒なのは面白くなかったけど、これも仕方がないかと我慢することにした。お爺様の授業が終わった後にミルフォードが話しかけてきた。


「すごいね、オスカー。これって学園に入ってから習うことだよ。もう、そこまで進んでるんだね」


その言葉に僕は口をあんぐりと開けてミルフォードのことを見たんだ。


「はあ~?何をいっているのさ。学園に入ってから習うって?こんな簡単なことが」

「へぇ~、オスカーには簡単なことなんだ」


ミルフォードがおかしそうに笑いながら言った。僕はムッとしてミルフォードを睨んだ。

ん?あれ。まてよ。これが本当ならなんでこいつはそれを知っているんだ。

それに学園前ってことは姉上と兄上は知って・・・あっ、知っていたんだ。その顔は。

やはり姉上も兄上も優秀なんだ。

とっ、こんなことを思っている場合じゃないや。


「そういうミルフォードも解ったわけ」

「ん~、ちょっとわからない所があるからあとで調べようかと思っているんだ」


ニッコリ笑顔でそう言ったけど、なんか気に食わなくて僕はそっぽを向くと部屋を出て行ったんだ。


面白くない。あんなニコニコ魔人と同等なんて。

僕はイライラした気持ちのまま自分に与えられた部屋のベッドに飛び乗ったんだ。

その夜に両親に勉強のことを聞いてみたら、僕がクビにした家庭教師は学園入学前の勉強を教え終わっていたんだって。


リングスタットの王城に父上が行くついでに僕たちも一緒に行って、王家の方々に挨拶することになったんだ。それにミルフォードが第2王子の側近候補とかで、王城に一緒に行ったんだ。

リングスタット王家には僕より2歳上と同い年と2歳下の3人の王子がいる。


挨拶をした後、僕たちは王子達と一緒にいたんだ。第3王子のシュナイダーはまだ3歳だから挨拶が済んだら王妃様と共に別室にいってしまったけど。


なにこれ。これが王子なの。第1王子のアルフレッドはまだましだけど、第2王子のカークライト。

あれがこの国の王子?この我儘な奴が。王子の身分を笠に着てミルフォードを振り回しているこいつが。

気に食わない。僕と同じ歳なのに解ってないこいつも。笑顔でいう事を聞いているミルフォードも。


気がついたらカークライト王子に言葉責めで、言い負かしていた。彼は半泣きになりどこかに走って行ってしまった。やってしまったと思ったけど、開き直りの気分でソファーに座っていた。

連絡を受けた王様と父と叔父上がやってきた。話を聞いた3人は。

まず、父上が王様に謝り、王様は逆に躾がなってなくてすまないと謝り、叔父上は確かに躾がなってないと王様を叱っていた。


帰りの馬車の中で叔父上に褒められた。これからも王子達に苦言を呈してほしいって。

父上は甘やかすなと言っていたけど、僕たち家族だけになったら、さすが俺の息子だと褒められた。


次の日はミルフォードも王宮に行かない日で、またお爺様の授業を一緒に受けていたんだけど、王宮からカークライト王子がミルフォードを呼んでいると連絡が来て、王宮に行くことになった。そして何故か僕も行かなくてはならなくなったんだ。

馬車の中でブスッとしてたら、ミルフォードが話しかけてきた。


「付き合わせて悪いね、オスカー」

「別に。母上が行けっていうから行くだけだし」

「昨日もありがとう」

「はっ?なんのことさ」

「僕のためにカークライト王子に言ってくれたんでしょ」

「ハア~。違うし。うちの王子達と違って、甘ちゃんの我儘王子に辟易しただけだって」

「ふふっ。そうなんだ」

「そうだよ」


何がおかしいのかミルフォードが笑っている。

僕は向かいに座ったミルフォードから顔をそむけるように、窓から外を見た。

遠くの空を1羽の鳥が飛んでいるのが見えた。


王宮に着くと王子達の所に案内された。

僕はカークライト王子に嫌だったけど謝罪した。

だってさ、こんなことで国交を不利にしたくないじゃん。

父上に迷惑を掛けるわけにはいかないし。

僕に謝罪された王子は目に見えて機嫌が良くなっていったんだ。



162話です。


オスカーは・・・これ書いていいのかな?

皆さんの想像にお任せした方がいいですかね?


いや、でも、ニコニコ魔人って・・・。変なあだ名をつけないで欲しいな。

そして、同じ5歳のカークライト王子に会って、世のなかの5歳児の真実を知ったのでした。

・・・って、比較対象あれでいいのかな?


入らなくなったから設定バラシします?

サンフェリスの王太子。彼はジークフリートの4歳下です。

子供がもちろんおりまして、丁度こっちの王子達と同じ7歳と5歳です。

はい。普通に優秀な子達です。オスカーとも仲がいいです。


あっ、オスカーの比較対象のもと。彼らですね。

なので、なおさら失望したというか。悔しかったというか。


さて、次話で大事件勃発します。

やらかすのは・・・誰でしょう。


楽しんでいただけたのなら、うれしいです。

それでは、次話でお会いしましょう。


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