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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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従兄話 オスカー1 ミルフォードについて思うこと

やはり思った通り、大人たちは礼拝堂にやってきた。大人たちに見つからないように隠れながら、そっと隣にいるミルフォードの様子を伺ってみた。ミルフォードは黙って大人たちの会話に耳を澄ませていた。


僕の名はオスカー・エルハルト・キャバリエ。サンフェリス国のキャバリエ公爵家に次男として生まれたんだ。父は現サンフェリス国王ベルンハルトの15歳下の弟で、父が19歳になった時にキャバリエ公爵家を継いでいる。養子に入ったわけじゃないのに公爵家を継ぐだなんて、おかしな言い方かもしれないけど、前キャバリエ公爵であった父の兄、イアソートが父に公爵家を譲って国を出奔してしまったんだ。それで、父がキャバリエ公爵を継いだってわけ。

僕の母は隣国のリングスタット国のフォングラム公爵家の出だ。フォングラム家もキャバリエ家と同じで外交を主に担当している家だ。

2人のなれそめは父がリングスタットのファランクルス学園に留学していた時に、一目惚れしたと聞いている。

他にもいろいろあったらしいけど、子供の僕にはまだ早いと教えてくれないんだ。


僕は普通の子供とちょっと違うようだ。それに気がついたのは3歳の時。大人の会話が理解できたんだ。

僕が5歳になった時、僕は12人目の家庭教師をクビにしたんだ。だってさ、他の5歳児に教えるような感じで教えてきたんだぜ。僕は家庭教師に言われたことは、大体1回で覚えてしまっていたからね。家庭教師たちは僕のことをわかろうとしないで、自分の価値観を押し付けようとしてさ。いくらもっと先の事を教えて欲しいと言っても教えてくれないし。それなら、そんな奴はいらない。そういってクビにした。


母上は家庭教師をクビにしたことについて、困ったように笑っただけだった。父上には伝えておくからって言っていたけど、心配になった僕は夜に両親の部屋に行ったんだ。部屋の扉を叩こうとしたら、珍しく扉がちゃんと閉まっていない事に気がついたんだ。僕はいけないと思いながら中から漏れてくる話し声に僕は聞き耳を立てることになったんだ。


「・・か。彼も駄目だったんだな」

「ええ。自分の教え方が悪かったと謝られてしまったわ。こちらこそ申し訳ないことをしてしまったわ」

「どうしたものかな」

「そうねえ。あなたと私の血を甘く見ていたわね」

「そういうことになるのか」

「ええ。父が言っていたもの。それでね、私考えたのだけど、父に任せたらどうかしら」

「リチャード様に?リチャード様さえよければ、私は構わないが」

「でも、そうなると少し長く離れることになるのよ」

「それは寂しいな。私は置いてけぼりかい」

「私だって離れたくないけど、あなたに同じだけ国元から離れさせるわけにはいかないもの」

「では、こうしよう。カテリア達は先に行って、私が後から合流すると」

「よろしいの」

「もちろん。私の仕事は何だい?リングスタットに行くのに支障はないさ」

「ありがとう、あなた。あちらに行けばミルフォードもいるし、オスカーにもいい遊び相手になると思うわ」

「ふふっ、ミルフォードにはすまないことをするね」

「あら、大丈夫よ。セルジアスの子供ですもの。あの子ならオスカーのいい友達になってくれるわ」

「それも・・・」


そこまで話を聞いて僕は扉から離れて自分の部屋に戻ったんだ。

僕はベッドに仰向けに飛び乗った。


リングスタットに行って、祖父に会えるのはとてもうれしい。前の年だって祖父と話すのが一番楽しかったし。なのに、ミルフォードだって。この前会った時には、歩き出したばっかのセリアテスの後を、くっついて歩いてたじゃないか。それ(・・)と仲良くだって。冗談じゃない。この時僕はそう思ったんだ。


そして、僕は知らなかったんだ。あの会話をわざと両親が聞かせたことを。


それから10日後僕たちはリングスタットに向けて出発したんだ。

母上の魔法のおかげで、祖父がいるフォングラム公爵領の主都フォングブルクまで、10日かかるところを5日で着いたんだ。

それからの15日間はとても楽しかった。祖父だけじゃなく祖母との会話も楽しくて仕方がなかった。2人が話してくれることは目新しくて僕の知識の幅が広がっていくのが分かったんだ。

そんな僕の様子を母と姉と兄が微笑ましそうに見ている。

そうそう、言い忘れていたけど、家族とは普通に会話が成り立つんだよ。姉上も兄上も僕の質問に真剣に答えてくれるし。家庭教師やバカな貴族の子供とは大違いさ。


フォンブルクに着いて15日目に父上が合流してきたんだ。父上もお爺様と話すのが楽しそうだった。

それから3日後、リングスタットの王都に向けて出発したんだ。もちろん祖父母も一緒に。

僕は別に王都リングスフォルトに行かなくてもいいんだけど、父上の仕事が関係しているから行かなくちゃいけないんだって。

まあ、おじい様達も一緒だからいいけど。


そうさ、ミルフォードなんて、どうだっていいんだ。



161話です。


お約束したとおりオスカーの話です。

難産・・・ではないのですが、偏頭痛に悩まされているため、中々書き進められなかったです。

言葉がスルリするりと逃げていくんですよ。うなぎのように!


それに、設定の見直しをしたり。

えー、年齢の確認です。見直してあっ、危っな~となりました。

だって、クラーラって、カテリア19歳ジークフリート18歳の時の子供なんですよ。

ジークフリートは留学してきていて出会って、あれ、やばい学園卒業前に子供が出来てないと・・・。

あっ、でも、カテリアは卒業してるからいいか~。・・・やっぱ、まずい・・・。いや、いい。・・・まずい。・・・いや・・・。の無限ループに陥りかけました。

で、オスカーが子供の僕には教えてくれないことになりました。


そこをぬけたら後は、予定どうりに進みました。

次話では5歳のミルフォード・・・。どうなるんだろう。

まだ、ぜんぜん書いてないから予想がつかないです。


もうしばらく更新が不定期になると思います。

楽しみにしていてくださる方には申し訳ないと思います。

早く体調を万全にして続きが書けるようにしたいと思います。


ここまで、読んでいただきありがとうございました。

次話でお会いしましょう。

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