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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
156/444

13-18 お披露目?・・・です

やはりユーリックさん、執事長はあの世界の記憶を持っているのですね。

執事長と話をしていたら、おじい様とおばあ様、お母様と共に、魔術省の方もいらっしゃいました。


・・・? 2人1組になっています。

おじい様と執事長の話でわかりました。

2人1組なのは、1人が中継しもう1人がスピーカーの調節をするそうです。


午後2時にはスピーカーが出来たので、設置してもらいました。

そろそろ広場に人が集まりだした頃でしょう。


私達は聖堂まで移動しました。

王宮の騎士団だけでなく、各貴族家からも民衆の整理に人が出されたそうです。

そういった報告がひっきりなしに入ってきます。


神殿までの通りは馬車が通れるように警備が増やされました。

貴族の方たちも神殿に戻ってきています。


スピーカーの設置が終わったので、テストします。

マイクを担当するのは魔術師長です。

お父様がマイクで話し、それぞれのスピーカー担当が繋げて流します。

結果をどう伝えるのかと思ってみていたら、煙玉? 魔法? で煙が上がりました。色が付いた煙です。

神殿前以外からの9つの煙が見えます。神殿前広場からは伝令?が駆け込んできました。


「神殿前広場に設置したスピーカーから声が聞こえてまいりました。一番遠い広場入り口でも、声は届いております」


さすが、ユーリックさんです。

テストが終わったので、私はまた控室に案内されました。が、先程と違い神殿内の小部屋です。


それから、どうするのかわかりませんが、他の神殿と同時中継をすることになったそうです。

遠話の魔道具(電話)を媒体として、繋げて、つなげてをするそうです。マイクとスピーカーを使って、そこの神殿に来た人達に聞こえる様にするとか。

う~ん、よくわからないけど、みなさまご苦労様です。


さて、少し暇です。・・・あっ、ここにはクリスさんが居てくれて、紅茶の支度をしてくれました。

うん。でも、もう少し時間があるので暇です。

暇だと、さっきの事を思い出して、ちょっと不安になります。


ローザ様、マイン様、フィリナ様に引かれちゃったかな。ビアンカとも、名前呼びできなくなっちゃうのかな。今までのようにって無理なのかな。

私は・・・女神様の愛し子・・・なんてならなくていい。私はみんなと友達でいたい。

そう言ったら友達でいてくれるかな。

もし、へりくだられたら?

私は泣かずにそれを受け入れられるのかしら?


女神官の方が私を呼びに来て、いよいよ本番です。

まず、聖堂に行きました。

・・・あれ、誰もいません。

聖堂内に座っている方はいませんでした。


案内されるままついていきます。神殿に着いた時と逆に進んでいきます。もちろん真ん中の扉を通っていきます。扉の所には扉を開ける方がいました。

神殿の入り口の扉を出ると、みなさまが頭を下げて待っていました。

そして、そこに神官長が待っていました。私は隣に並びます。

合図があったのか、みなさま頭をあげました。

そして、神官の方がマイクに話し始めました。


「只今から、リングスタット王国、正神殿神官長より、先程女神様が降臨なされたことについて話をなされます。心して聞くように」


その言葉が終わると、先ほどのように空に煙が上がりました。

それを確認してレオポルド神官長がマイクを持ちました。

神殿前広場は静まり返っています。


「私は、リングスタット王国、正神殿神官長を任されている、レオポルドです。皆もご承知の通り、先程、女神ミュスカリーデ様がご降臨なさいました。今から女神ミュスカリーデ様のお言葉を伝えます。


『皆に申し渡しておく。セリアテスは私の愛し子です。セリアテスを自分たちの利益のために利用しようとすることを禁じます。偽りの名を騙り我が神意を捻じ曲げる者たちに、罰を与えるように。セリアテスを守りなさい。そしてセリアテスの言葉をよく聞きなさい。セリアテスの自由を奪おうとするものには情けをかける必要はありません。私が許可します。これから起こる困難に立ち向かうためにも力を合わせなさい』


これにより、セリアテス・クリスチーネ・フォングラムは、女神様の愛し子であると、神託されました」


神官長が私を神殿前広場の民衆に紹介しました。

途端にすごい歓声が沸き起こりました。

切れ切れに聞こえるのは、女神様の名前と、私の名前、女神様の愛し子という言葉。


神官長が手を挙げて民衆に静まるように合図をしながら声をあげました。


「静まれ、皆の者。また、女神様はセリアテス様にこうも言われた。


『セリアテス、私はいつも見ているわ。あなたは自由に何も縛られずに生きていいのよ。私の愛し子。また会える日を楽しみにしているわ。あなたに祝福を』


女神様の言葉を聞いたであろう。セリアテス様に仇なすものは女神様の勘気に触れるであろう」


今度は歓声は上がりませんでした。代わりに神殿に近い所から、みなさま頭を下げていくのが見えます。

一拍おいて神官長が声をあげました。


「今日はセリステス様には朝早くから神殿に来ていただき、先ほどの騒ぎで軟禁状態になり大変お疲れである。早くお休み頂くためにもお帰りになる邪魔をしないように申しておく」


それから、程なくして馬車が神殿前に横付けされ、私達家族が乗り込むとすぐに出発しました。馬車の前後には騎士団長をはじめとした、王国騎士団の方々が騎馬で付き従います。沿道には民衆が馬車を見ていましたが、私はぐったりとお父様に持たれかかっていました。お母様も私の髪をなでてくれます。私はお父様の腕に抱きついて目を閉じます。


「つかれました」


そのまま、馬車に揺られながら眠ってしまったのでした。



155話です。


神殿編が終わりました。

セリアちゃん、お疲れ様です。ゆっくり休んでね。


次はミリーさん話が入ります。

セルが邪魔して変な方向にいかないように気をつけねば。


何か補足があったかしら?


ご意見、ご質問、誤字脱字にお気付きの方。良ければ一言ください。

必ずお返事しますよ。


ここまでお読みくださりありがとうございます。

それでは、次話で、会いましょう。

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