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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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13-10 婚約?・・・は・・・

「何を言い出すんだ、オスカー殿。そんなこと認められるわけないだろう」


アルフレッド王子が立ち上がってオスカーお兄様を睨みつけました。


「なんで?それほど変な事言ったかな。可能性の話なんだけど」

「だからって、法に反することになるだろう」

「法?それは誰が決めたのさ。歴史を紐解けば昔は兄弟姉妹や叔父姪、叔母甥で結婚なんてのもあったそうじゃん。女神様もセリアテスの自由にしていいって言ってるんだからさ」

「だけど、さすがに父親とは」

「だ~か~ら~、何を聞いてるのさ。可能性の話で、セリアテスが望んだ場合だってば。セリアテスは、叔父上との結婚を望むの?」


私は首を横に振ります。そんなこと考えたことはありませんし、お父様はお父様です。

私の様子をみてオスカーお兄様はまたニッコリ笑いました。


「そうだよね。さすがに叔父上とはないよね。でもさ、僕たちはどう」

「はっ?オスカーお兄様、何を言っているのですか?」

「いとことの結婚は嫌かな?」

「おい、それも駄目だろう」

「なんでかな、アルフレッド殿下。大体なんでいとこ同士の結婚が禁止になったか知ってるの。昔双子の王子達が双子の姫と結婚して、その子供達も双子でそれぞれ結婚してという事を、何代も続けて血が濃くなりすぎたのが原因でしょ。それはこの国のことじゃなかったし、今なら条件付きでいとこ同士の結婚も認められているんだし」

「えっ、いとこ同士の結婚は認められているのですか」

「あれ、セリアテス。いとこ同士は結婚できないって知ってたの」

「数日前に教えていただきました」

「じゃあ、魔法で血縁関係をみれるのは聞いてる。条件というのはね、いとこ同士の片親のみが兄弟である事。両親がどちらも兄弟姉妹きょうだい同士は認められないんだ。それと、それぞれの親の3代前までの間に兄弟関係があると認められないね」

「それは必要以上に血を濃くしないためですよね」

「うん。そう。さすが~。わかってるね、セリアテスは。それでどうかな。婚約発表はいい牽制にはなると思うんだけど」


えーと、考えたことがない事を言われましても、すぐに答えは出てきません。

アルフレッド王子がオスカーお兄様を睨みつけたまま、言葉を投げかけてきました。


「牽制なら私達が婚約者になった方がいいだろう」

「それは駄目だよ。殿下達じゃ牽制にならないもの」

「じゃあ、なんでお前たちなら牽制になるんだ」

「僕たちがいとこだから」

「それがなんだ」

「あれ、わからない?君たちはリングスタット国の王子だ。そんな君達が、()、セリアテスの婚約者になっても、他の国の王家は納得しないよ。へたしたら王家の権威を使って無理やり婚約したって思われるだろうね。そうしたらどうなると思う。他の国からこの国に干渉するいい口実を与えてしまうよ。そうだな、例えば抗議してきて婚約は破棄させて、セリアテスの意思を尊重するためにも監視が必要とか言って、何人も人が送り込まれるとか。または、そんな国に居ないで一家ごとうちの国になんて言ってくるところもあるだろうね」


オスカーお兄様の言葉にアルフレッド王子は黙り席に座りました。それを見てオスカーお兄様は言葉を続けました。


「僕たちいとこがセリアテスの婚約者になる利点は、いとこ(・・・)だからだよ。周りもしばらくは何も言わなくなる」

「オスカーお兄様。どうして何も言わなくなるのですか」

「もし僕たちとの婚約が発表されても周りは本気だと思わないからさ。普通に考えればいとことの結婚は許されないことになっているだろう。特例が認められているとはいえね。だからセリアテスが大きくなるまでの仮の婚約者だと思われるね。でも、フォングラム公爵家の名で発表されれば、表立っては抗議できないからさ」


オスカーお兄様はそこまで私のことを考えてくれているのですね。でも、私は・・・。


オスカーお兄様は私を見て笑いました。


「もちろんセリアテスの気持ちが一番だから無理強いする気はないよ。それに婚約するとしても仮でいいんだよ。騒ぎを収めるための方便だからね。もちろん、相手は僕じゃなくてローラント兄上でも、シュレインやギルベルトだっていいんだからね」


オスカーお兄様の表情は先ほどまでのどこか茶化しているようなものと違い、穏やかに見えます。

なんで、でしょう。今までの言葉自体が王子様達への、牽制と取れてしまうのは。

オスカーお兄様の望みはなんなのでしょう・・・。


「オスカーお兄様。私のことを考えて言ってくださったのはわかります。ですが、私はそういう理由で婚約したくありません。相手の方にも失礼だと思います」


みなさまの視線が私に集まります。


「お父様達には大変なおもいをさせてしまうと思いますが、私は今のままでいたいです」

「うふふふ。大丈夫よ、セリアテス。あなたの気持ちはわかったわ。オスカーも可能性と言っていたでしょう。誰もあなたに無理強いは出来ないのだから安心なさい。そうね、セリアテスの今の気持ちを公表しましょうか。そうすれば余計な見合い話はこないわね。ああ、ついでに招待状についても言及しておけばいいかしら。そうね、公式の場以外の招待はお断りします。で、いいわね」


クラーラお姉様が明るくおっしゃられました。



147話です。


オスカー。

・・・。もう何も言いたくない。

ここでフォローできないから、この次のミリー目線の次に、君が何を考えているのかいれるよ。

おかしい。こんなポンコツ作者から頭が良すぎる奴らが出てきすぎです。


爆弾はとりあえず不発弾でしたね。


・・・・・何かを忘れているんだけど、何を忘れているんでしょう?

今の状況はフォングラム公爵家一族と王家と残りの3公爵家から一人ずつに、騎士団長の息子たちが居て・・・って! あ~、ゲームネタ。そうじゃん。今、攻略対象者がかなり揃っているではないですか。

うん。次話で、語るからね。


それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。

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