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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
146/444

13-8 重大発表は・・・なされていたようです

カークライト王子が私の、いえ、彼のそばに来ました。


「アルザス、何してんだよ」

「挨拶ですが、何か」

「言葉だけで良いだろう。手にく、口づけを、しなくても」

「何故、いけないのですか。素敵な淑女には相応しい挨拶でしょう?自分がスマートに振る舞えないからって八つ当たりしないでください」

「お前な、言っていいことと悪いことがあるだろう」

「ああ、王子様なのにこの語彙の少なさ。マナーだけでなく、語学の勉強をやり直した方が良さそうですね」

「もう、やめだ。アルザス。お前を僕の友人から外して・・・」

「はい、ストップ。2人ともそれ以上は洒落にならないから、やめようね」


2人の言い合いにお兄様が仲裁に入りました。2人は周りを見てここがどこだったのか思い出したようです。いえ、カークライト王子だけ、顔を赤くして謝罪されました。

やはり、アルザス様の行動はわざとなのですね。


「さてと、あなた方もセリアに挨拶しますか」


お兄様が3兄弟に声を掛けました。

3人が私の前に並びます。


「騎士団長の嫡男、フォルクス・ルーテール・エックハルトです」

「騎士団長次男、シュベルツ・グラード・エックハルトといいます」

「騎士団長の三男で、ウェルシー・アガーテ・エックハルトです」


簡潔な自己紹介でした。他の方も気にしていませんし、こういう方たちなのでしょう。


「人数も増えたことだし話しやすいように椅子を動かしてくれるかな。あと、お茶もお願いします」


お兄様の言葉に座っていたみなさまが立ち上がりました。えーと、隣の部屋?から何人も人が来てテーブルと椅子をセットしてくれました。着ている服がバラバラなので、各家の使用人の方でしょうか。うちもクリスさんが付いてきていますものね。


長テーブルの真ん中に私は座らされました。ここでなぜくじ引きが始まるのですか。

というか、何故くじ引きを知っているのでしょう。


席は私の右隣にアマリア様、左隣はフィリナ様になりました。フィリナ様は遠慮なさったのですが、ローザ様とクラーラお姉様に公平にくじ引きした結果なのだからと言われて座られました。私の前にはエルミニア様、その右隣がクラーラお姉様です。エルミニア様の左隣は偶然にもテオドール様、その左にアルザス様、その隣にお兄様が座りました。エックハルト家の3人はこの中にいません。あっ、座っていません。騎士団長に言われたことを実践?するために、私の後ろにウェルシー様、廊下側の入り口寄りにフォルクス様、隣の控室の扉寄りにシュベルツ様が立っています。


改めてお茶会?の始まりです。


「それにしてもエルミニア、よく知っていたわね。くじ引きの事」

「あら、クラーラ様が知らないとは意外ですわ。今、貴族の間ではすごいブームですのよ」

「ブームになっているのは知らなかったの。どこで聞いたの」

「お父様がこの間の会議で聞いたのですって。おかげで今日、参加できましたわ」

「何があったのかしら。とても気になるわ」

「ウフフ。いつもこういうことがあるとうちでは年長者から参加しますの。私なんて4人兄妹の末でしょ。参加したくても人数制限されますと無理でしたの。それがこのくじ引きのおかげで参加できましたわ」

「まあ」

「ウフフ。くじを引いて当たった人が参加できるなんていいことですわ。それに公平ですもの。フィクトールお兄様なんてかわいそうでしたのよ。当りを引き当てましたのにお義姉様が外れてしまって、お兄様だけずるいと言われて泣く泣くお爺様に譲っていましたわ」

「あら、そんなことがありましたのね」


「どこの家でも同じことしてたんだな。うちも本当なら家族5人参加できたんだけど、伯母さんとライザスがいるからさ。伯母さん達も参加したがったんだよ。で、くじ引きのおかげで簡単だった」

「でも、テオドール様。外れた人から文句はでなかったの」

「それは大丈夫さ。アラクラーダ、おっと、違った。女神様の愛し子様だったね。が、伝えたものだから、文句を言ったらばちがあたるさ。そうだろう、オスカー様」

「そうだね。確かに。というかさ、なんでいきなり様付けなの。気持ち悪いんだけど」

「気持ち悪いはないだろう。もう、名前を呼び捨てにはできないさ。お前も何俺に様付けしてんだよ」

「えー、いいじゃん。一応年長者を敬おうかなと思っただけなんだけど」

「そっちの方が気持ち悪いから、社交の場以外ではやめてくれ」


その言葉にオスカーお兄様はいたずらっ子のようにニヤリと笑いました。

皆さんの会話を聞いていて、・・・名前を呼び捨てにできないとは?何のことでしょう。


「クラーラお姉様?」


私の呼びかけにお姉様が微笑んでくれました。


「ああ、ごめんなさい、セリアテス。あなたにはまだ伝えてなかったわね。もうね、お父様の立太子が各国に公布されているのよ。だから、彼らの私達に対する扱いが変わったのよ。といっても様付けだけだけどね」

「年が明けたら発表するのではなかったのですか」

「それじゃあ遅くて牽制にならないよ」


えっと、牽制って何の?


「御前会議の時の、あの神官(・・・・)の態度で、セリアテスがどれだけ特別な子か、周りに分からせないとならないってわかったんだ」

「そうそう。時期サンフェリス国王妃の姪だよ。セリアテスに無体なことをしようとしたらどうなるか、知らせないとね」


ローラントお兄様とオスカーお兄様が笑顔でおっしゃいました。 



145話です。


アルザス・・・君はカークライト王子のことを嫌いなのかい。

まだ、彼については決めてないことが多いので、おや?っとなりました。

決めているのは皮肉や、という部分です。


くじ引きが大活躍してますね。

ブームって、まさか、今日の夕食は・・・これにしましょう。書いてあるのは鳥肉ね。ではメインは鳥肉料理にしてね。とか。今日の服は・・・緑・・・。緑色のドレスにするわ。

なんて、やってませんよね。

・・・知りません。どういうことに使っているかなんて、知りません。自己責任でお願いします。


それでは、また次話で。



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