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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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13-6 王家も・・・恋愛結婚推奨ですか?

お兄様が手巾を取り出して涙を拭いてくれました。


「セリア、今の言葉を母上が聞いたら泣き出されてしまうよ。やっと普通の家族らしくなったところなのに、セリアが居なくなるなんて冗談でも言わないで。今日のことだって一番母上が気にしていたんだから。父上がどれだけ大丈夫だっていっても心配して、ちょっとしたことで涙ぐんでいたし」

「お母様が?」

「うん。さっきセリアが言ったことをね。神子に認定されたらセリアと引き離されるんじゃないかと、すごく心配してたんだよ」

「でも、私の前ではそんな様子は・・・」

「それはそうだよ。母上が不安そうな顔をしてたらセリアがもっと不安になるだろう。だからセリアの前では明るく振る舞っていたんだ」


そうだったのですね。

ホッと息を吐き出すと、お兄様が腕を離して座り直しました。


「ミリアリア伯母様がそんな様子だったのなら、フォングラム公爵家に行かなくて正解だったわね」


ビアンカとギルベルト様が頷きあっています。首をかしげてビアンカを見ると。


「ああ、そうね。セリアは知らないわね。うちの母は伯母様のことを崇拝しているの」

「崇拝ですか」

「ちょっと言い過ぎかもだけど、ミリー伯母様に何かあるとすぐに飛んでいくもの。うちはもう祖父母もいないし、姉妹2人だけなのも大きいかしらね。フォングラムのリチャード様もセレネ様も、私達のことを本当の孫のようにかわいがってくれるのも、母の傾倒の理由かしら」


なんか、ビックリです。ビアンカが大人びて見えていたのはこういうことだったのですね。暴走気味のウルリーケ叔母様を見て育てばこういう風に育つのですね。

でも、お母様の祖父母はもう亡くなっていたのですね。お会いしてみたかったです。


「確かにそうだよね。うちの母上も親友のミリアリア伯母様がそんな状態だったなんて知ったら、突撃して何もかもぶち壊しにしていただろうね」


シュレイン様の言葉にアマリア様も頷いています。


「ソフィティア様も相変わらず、ミリアリア叔母様命なのね」


しみじみとクラーラお姉様が言いましたが、なんかおかしくないですか。ソフィティア叔母様はアーマド叔父様の奥様ですよね。お母様と親友だったからって・・・。


「仕方ないですよ。父と結婚したのだってミリー伯母様の義妹になれるっていうほうが大きかったって、今でもことあるごとに言ってますから」


嘘ですよね。それは照れ隠しなのですよね。

・・・あれ?アルンスト侯爵家、なのですよね。幼いうちから婚約者はいなかったのでしょうか。


「セリア、また何か考えているでしょう」


ローザ様が私の顔を見て聞いてきました。・・・そんなに考えが顔に出てますか?


「ローザ様、あの、今のお話から伺うと、お父様たちは、幼い頃から婚約者を決めていなかったのではないのですか」

「ん~、あら、言われてみれば、そうね。うちの親も小さい時からの婚約者じゃなくて、学園時代に出会って恋愛結婚だ~って、自慢しているもの」


はぁ~、い? えっ? 王族も恋愛結婚推奨しているのですか?

じゃあ、やはりここはあのゲームの世界ではないというの。

じゃあ、私は第3王子と婚約しなくていいのね。

それなら、婚約破棄の自殺なんてバッドエンドにならなくてすむもの。


えーと、なんか混乱してきました。

ちょっと整理してみましょう。

目をつぶって思い出します。


「今日は聖別の儀にきて、女神様が降臨なさって、聖別の儀は無くなって。女神様に私の愛し子と言われて・・・それから、ここに案内されて。・・・お兄様達がきて、えーとバカはいなくなるだろうけど、アホが出てきそうだの、お茶会や舞踏会の招待状が増えるだの言われて・・・。舞踏会は子供の誕生会だから、大人の舞踏会の疑似体験みたいなもので、私が来ると箔がつく?・・・だったのよね。それから、ローザ様達がいらっしゃって、・・・不安に思っていたことを話して・・・あれ、なんで叔母様達のお母様大好き事情を聞いていたのでしょう?」


思い返すのが終わったので目を開けます。

あれ?なんでみなさま私を見ているのでしょうか。

・・・もしかして、今の言葉に出してました。

顔に熱が集まるのがわかりました。


誰かが吹き出しました。それにつられて、みなさま笑い出しました。


やはり口に出していたのですね。穴があったら入りたいです。

お兄様がいち早く笑いを収めて私の頭に手をのせてきました。


「セリア。間違ってないけど、認識が変だよ」

「変ですか」

「だって、家に帰れる帰れないの方が大きなことじゃないの」

「あっ。そう・・・ですね」

「やだ、もう。セリアテスってば可愛いわ。心配だからサンフェリスに連れて帰ろうかしら」

「あら、クラーラ様。大丈夫ですわ。リングスタット王家の名に懸けて、セリアのことは守って見せますから」


だから、何故そこでクラーラお姉様とローザ様の間に火花が散るのでしょうか?




143話です。


はあ~。セリアちゃんを書いてると癒されます。

セリアちゃん。いつまでもピュアなままでいてね。


それにしても、ソフィティア、ウルリーケ。子供にもバレバレじゃん。ミリー大好きなのが。

家族会議の時にセルジアスに二人が憧れていたと書きましたが、この二人セルとミリーならセル<ミリーとなってますからね。

もしミリーが泣き暮らしているようだったら、引き離して実家に連れ帰る気満々だったのだからね(笑)

まあ、仮面夫婦っぽく見えていたけど、ミリーがセルの事好きなのはわかっていたので、最近うまくいっているのをみて胸を撫で下ろしていたのは、余談です。


それでは、次話で会いましょう。

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