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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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13-3 聖別の儀・・・ではなく、女神様の降臨です

私はレオポルド神官長と共に祭壇の所にいきました。

祭壇には一冊の本がおかれています。

レオポルド神官長に促されてその本を手に取りました。

本を開こうと右手に本を持ち、左手で表紙をめくろうとしました。


『お待ちなさい』


その時、涼やかな声が響きわたり祭壇の所に光が差し込みました。

神々しい光に一歩祭壇から離れます。

光は幅を広げ何かが降りてくるのがわかります。

私は上を見上げました。

光はどんどん強くなります。

私は目を細めて降りてきたその方を見ました。


とてもきれいな女性です。・・・いえ、女神さまです。

神々しい光に包まれた女神様は私に微笑みかけてくれました。

そして、私の頬に手を添えて愛おしそうに撫ぜてくれます。


『セリアテス。私の愛し子(いとしご)

「女神様」


私のつぶやきに女神様は嬉しそうに微笑まれました。

そして、私から視線を外すと聖堂の中を見回します。私もつられて後ろを向きましたら、みなさま平伏しています。神官長も王様もです。


『レオポルド神官長。体を起こしなさい』


その言葉に神官長が立ち上がりました。


『神官長、これは必要ありません。片付けなさい』


私が持っている本を指さしてそう言いました。

神官長は頷くと私から本を受け取り部屋の隅に置きました。

女神様はそれを見て頷いています。


『皆の者。顔をあげなさい』


女神様の言葉にみなさま顔をあげました。


『皆に申し渡しておく。セリアテスは私の愛し子です。セリアテスを自分たちの利益のために利用しようとすることを禁じます』

「アラクラーダ様!」


女神様の言葉にアイドロフ神官が悲鳴のような声で声をかけました。

それを女神様は冷ややかに見つめました。

見られたアイドロフ神官は顔色を青くし脂汗を浮かべています。

女神様は私の方を向くと訊いてきました。


『セリアテス。あなたは私の名前がわかるかしら』

「女神ミュスカリーデ様」


初めて読んだ絵本に書かれていた名前を言います。

女神様はそれはそれは嬉しそうに微笑まれました。


『さすが私の愛し子。偽りの名に惑わされなかったのね』


偽りの名と言われて首をかしげます。ああ「アラクラーダ様の神子」と言っていた、あの名前ですね。

そういえば神子疑惑の時に言われてましたね。

聖堂内にひそやかな囁きが広がっていきます。

女神様が囁きが聞こえる方を見ます。途端に静かになっていきます。


『レオポルド神官長。偽りの名を騙り我が神意を捻じ曲げる者たちに、罰を与えるように』

「はい。ミュスカリーデ様。仰せのままに」


女神様の言葉に顔色が悪くなった方が何人か見えます。特にアイドロフ神官の顔色が悪いです。白を通り越して土気色?に近くなっています。身体を震わせながらなんとか言葉を紡ぎだしたようです。


「女神様。どうかお慈悲を。私は偽りの名などと知らなかったのです」


その様子を女神様は冷ややかな眼差しのまま見ています。

アイドロフ神官と同じように顔色の悪い神官も女神様に訴えます。


「女神様。私は女神様の神意を捻じ曲げてなどおりません。私は女神様の敬虔な信徒でございます」

「私も知らなかったのでございます。知っていれば偽りの名など口にいたしませんでした」


他にも何人かの神官が口々に訴え掛けましたが、女神様は冷たい視線を向けるだけで何も答えようとはしませんでした。神官たちは女神様に視線を向けられると訴えるのをやめて口を閉じました。そしてみんな沈痛な表情をして下を向いてしまいました。もう、女神様に訴えかける者がいないのを見て、女神様が口を開きました。


『リチャード・ヴェンデル・フォングラム。セルジアス・キンケイド・フォングラム。アーマド・エトワード・アルンスト。こちらへ来なさい』


女神様の言葉におじい様達がそばに来て膝をつきました。


『あなたたちはわかっていますね。セリアテスを守りなさい。そしてセリアテスの言葉をよく聞きなさい。セリアテスの自由を奪おうとするものには情けをかける必要はありません。私が許可します。これから起こる困難に立ち向かうためにも力を合わせなさい』

「「「はい。ミュスカリーデ様」」」


おじい様達は左腕を胸に当て女神様に礼をしました。

女神様はまた、わたしの頬を撫ぜてきました。


『名残おしいけどもう戻らなくてはならないの。セリアテス、私はいつも見ているわ。あなたは自由に何も縛られずに生きていいのよ。私の愛し子。また会える日を楽しみにしているわ。あなたに祝福を』


そうして、私の額にキスをすると女神様は光と共に昇っていかれました。



140話です。


そしてこの話を書き始めてから6ヶ月です。

うん。よく続いたよ。投げ出さずにここまできたよ。


うふふふ。

女神様が降臨なさいました。

セリアちゃんが愛し子認定されましたよ~。


ところでね、アイドロフ神官は何をそんなに女神様を怒らせたのでしょうか。

セリアちゃん目線でいるとわからなくなりますね。


女神様がパパとじい様に許可出しちゃったよ~。

これからきっとセリアちゃんに知られないようにいろいろするんだろうな。


すみません。フライングでこの話の投稿前にあらすじに言葉を足してしまいました。


さて、139話の投稿の活動報告にも書きましたが、この話のゴールが少し見えてきました。

プロットの大きい区分けがあと2つ。その中の小さい区分けが、数えたら16ありました。場合によってはもう少し増えるかもしれませんが。

話の流れ的に短いですか?

いえいえ、信望者としてはこんなものですよ。


それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。

また、次話で会いましょう。

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