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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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1日目の真夜中の3 まだまだ検証中……起きてからの出来事……から?

 忘れたと言っても、うっすらとは覚えていることがあるのですわ。


 でも、それは後にして次に行きましょうか。

 目を覚ましてからのことを検証してみましょう。


 目を覚ました時に彼女の記憶に引っ張られて、思考の口調がおかしくなっていましたわね。

 考えていたときは、三歳児くらいの口調かしら?


 部屋に来たメイドさん、いえ侍女さんかしら? 

 知らない人だったのでパニックになってしまったわ。

 その後お兄様……兄が来てくれて大泣きできたのがよかったのよね。

 お父様、お母様……ん~とっ、父、母に会えて安心できたのは大きかったと思いますわ。

 あら、でも、なぜ、みんなは私を見て動きを止めたのかしら?


 まあ、いいわ。

 気になるのなら、聞けばいいんだしね。


 それから、家に帰りたいと言ったら、お父様が抱き上げて連れ帰ってくれようとしたのだけど、王宮に勤める方々に止められて、最後には陛下までいらっしゃって部屋に戻ることになったのよね。


 そういえば、部屋に戻ったとき、ベッドのシーツが新しくなっていましたわ。

 侍女さんが変えてくれたのね。

 お礼を言いそびれてしまったわ。

 着替えも手伝ってくれたし、居心地よくなるようにクッションで調節してくれたし、いくら感謝してもしきれないですわね。


 軽く食事をすませて落ち着いたころに、部屋に父と兄と医師と陛下がきて話をしたのよね。

 父が怪我をしてから目覚めるまでのことを話してくれましたけど、驚きましたわね。

 まさか七日間も寝込んでいて、髪の色が変わり、魔力が強くなっていたなんて。


 でも、この後に言った私の言葉にあんなに騒がれるとは思いませんでしたわ。

 自分の名前を聞いただけなのに、みなさん面白いように狼狽(ろうばい)してしまって……。

 お父様達は動揺しすぎたのか違うことを聞いてきましたし……。

 結局、この時には名前を教えていただけなかったのよね。


 大人の人達が部屋を出て行った後、私は眠ってしまったのよね。

 目を覚ましたら母と兄が手を握っていてくれてうれしかったわ。

 愛されている子供みたいで。


 あら、何を言っているのかしら? 

 これじゃあ私、愛されていなかったみたいじゃない?


 水分を取って一息ついて母に微笑んだら、赤くなられたのよね?

 兄をみたら同じように赤くなっていたけど、私は何かしたかしら?

 その後、聞きたいことがあって話しかけたら、物凄くうれしそうな顔をなさって……。

 なんというかご主人に構ってもらって喜んでる犬のような……。


 いえ、なんでもありませんわ。

 気のせいですわ。


 コホン。


 変わる前の髪色を聞いたら、ミルクチョコレートっぽいことがわかりましたわ。

 家に帰れば七歳の誕生日に描かれた肖像画があると言っていたので、見るのがとても楽しみですの。

 その後、鏡で自分の姿を見たら、とても可愛い女の子だったのでうれしくなりましたわ。


 父が戻ってきて、数日王宮に泊まることになったと聞いた時は泣きそうになりましたわね。

 すぐに兄が自分たちも一緒にいると言ってくれたので、すごくうれして大好きという気持ちを込めて笑ったら、また赤くなっていましたけど、なんででしょう?


 夕食を一緒に家族で食べましたが、体力が落ちて動けない私を父が膝の上に抱いてくれて、隣に座った母に食べさせてもらいましたの。

 そういえば、この時も侍女さんが何か言いたそうに見ていましたわね。


 食べ終わった後やっと私の名前を教えてもらえましたの。

 セリアと呼ばれていましたから、それが名前だとおもっておりましたわ。

 愛称でしたのね。


 その後、父と母と兄は、私が眠るまで一緒にいてくれましたわ。


 これが、昨日の出来事ですわね。

 大体のことはわかりましたわ。


 では、覚えていることを検証しましょうか。


 ……


 …… ……


 …… …… …… ああっ!


 ありませんわ。

 倒れる直前のことしか覚えてませんわ。

 あと、先ほど思い返していた、前世? の女性のことしか。

 まじか。

 まじっすか。


 ああ! もう! 

 油断するとあの女性が話していた言葉遣いがでてしまいますわ。


 ……はあ~。

 まあ、とにかく、こんなことは人に話せるわけないから、何も覚えていないことにしましょう。


 疲れましたわ。

 ということで、眠ることにします。

 おやすみなさい。



9話→13話

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