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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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12-11 酸っぱいリンゴの活用法・・・?

お母様が私の頭に手を置いて撫ぜてくれます。


「セリア、余計なことを言ったとか思わなくていいのよ。心配しないでとは言えないけど」


何のことかわからずに目線で問います。お母様は微笑みながら答えてくれました。


「もし、セリアが言うように魔物の大量発生が起こるとしたら、セリア達が主に動くことになるのでしょう。お爺様が言うようにまだ7年あるわ。それまでに準備をすればいいのだけど、でもそれでも足りないのよ。少数の群れなら討伐する機会はあるわ。でも、大量と言われる規模の魔物なんて想像がつかないの。経験しているお爺様がいてくれるから少しはマシなのだけど、でもあと7年もあるの。お義父様・・・お爺様はその時最前線には立てないでしょうし」

「ま、魔物はそんなに怖いものなのですか」

「1頭1頭はそうでもないらしいけど、数の暴力ってわかるかしから。群れでこられたら対処できないこともあるそうよ」


確かにそうです。集団の怖さはわかります。


「わかってくれたようね。ところで、セリア。お腹がすいてないかしら。もう、昼食の時間をかなり過ぎているのだけど」

「・・・あまり食べたくないです」

「そう。スープぐらいならどうかしら。それとも果物とかは」

「じゃあ、スープをお願いします」

「ええ。わかったわ。他にはいいの?」


お母様が私の目を覗き込むように見てきました。

綺麗なエメラルドの瞳に吸い込まれそうです。


「・・・あの、リンゴがあったら、食べたいのですが」

「セリアはリンゴが気に入ったのね」


お母様が微笑んでくれました。聖母の微笑みですか。そうすると目尻が下がってかわいらしさ倍増です。


しばらくしたら侍女の方がスープを持ってきてきてくれました。ベッドでもいいと言われましたが、ソファーに移動しました。

・・・お母様、なぜスプーンを持って私にアーンさせようとしているのですか。

拒否したら、潤んだ目で「ダメ?」って・・・反則です。

仕方なく口を開けて飲ませていただきました。

でも、なぜでしょう。侍女の方が羨ましそうにお母様を見ているのは。

私の様子に頬を赤らめているのは。

・・・そういえばここにいる侍女の方は前にお世話になった方ではないですね。前の侍女さんは今日はお休みなのでしょうか?

スープを飲み終わったらリンゴの皮を剥いて食べやすい大きさにカットしたものを持ってきてくれました。

ん?このリンゴは前に食べたものより酸っぱいです。

顔をしかめたら、お母様が聞いてきました。


「どうかしたのセリア。美味しくないの」

「前に食べたものより少し酸っぱいです」


お母様も一切れ食べられました。


「あら、本当だわ」

「申し訳ありません。すぐに別のものをご用意いたします」


侍女さんが別のリンゴを剥いて持ってきてくれました。こちらは甘かったです。

酸っぱい方のリンゴを下げようとしてますが、それはどうするのでしょうか。


「そのリンゴはどうするのですか」


私の言葉に侍女さんは部屋を出て行こうとして止まりました。


「お口に合わなかったので廃棄させていただきます」

「えっ、待って。勿体ないわ。砂糖で煮てコンポートを作ればいいのに」

「コンポートですか?」


あっ、またやっちゃいました。でも、勿体ないです。本当はフィリングにしてアップルパイにしたいのですけど、まだバターはこの国にはないのですし、贅沢は言えません。

お母様も不思議そうに聞いてきました。


「なあに、セリア。コンポートって」

「果物を煮て作るお菓子です。生の果実と違って食感が違いますし、砂糖で煮るので日持ちがします」

「それは簡単に作れるの」

「はい。そのように切ったリンゴと砂糖、あと水を入れて煮るだけです。水の代わりにワインを使ったりもしますけど」


お母様が何か考えています。


「リンゴは甘くないものがいいのかしら」

「甘いものでもいいでのすが、その場合砂糖の量をひかえればいいと思います」

「あなた、誰か料理人を連れて来てくれるかしら」

「はい。公爵夫人」


侍女の方が出ていかれました。しばらくしてシンプルなシャツに黒いズボンをはいた40代くらいの男の方が侍女の方と共に部屋に来ました。


「お呼びと聞き参上しました」

「まあ、フッフス料理長。あなたに来ていただけるなんて。今ね、セリアにリンゴのお菓子を聞いていたの。簡単にできるそうだから作っていただけないかと思ったの」

「リンゴを使ったお菓子ですか」


フッフス料理長は胡散臭そうに私を見ました。


「ええ。材料はリンゴと砂糖と水だけだそうよ。それを火にかけて煮るだけなの。ああ、水の代わりにワインでもいいと言っていたわね。どうかしら」

「リンゴを煮るんですか。リンゴは生の方がうまいでしょう」


変なことを言いだしてという顔で、私のことを見てきます。その言い方になんかカチンときました。


「食べたことがないのにその言い方は無いと思います」

「食べなくてもわかるさ。火を通してうまいかどうかはな」

「わかりました。じゃあ、今言った材料と鍋を1つ貸してください。私が作ります」


私はそう宣言しました。



134話です。


えーとね、セリアちゃん。あなたはお母様にそっくりなんですよ。

母のことかわいらしいと言ってますが、あ・な・た・もなんですよ。


それから、侍女が前と違う件について。前回は王妃命令であまり人が変わらないようにしてました。

羨ましく思っていた侍女の中から、今回の侍女さんはお世話する権利を勝ち取りました。


今回のリンゴ・・・。書くんじゃなかった。

文字数の調整のために入れたら、話が伸びました。

次回で12-XXは終わるはずだったのに。

でも、食事の改革の第1弾としてはちょうどいいかな?


料理、お菓子を作るのが大好きです。美味しいと言ってもらうのがご褒美ですね。

この世界は日本と違ってないものが多いです。料理やお菓子もあまり凝ったものはでてきません。

まだ、本文中には出ていませんが、冷蔵庫はあります。冷凍庫はありませんけど。

なので、食材は豊か?です。でも、基本塩味です。今の日本の味に慣れていると物足りないですよね。


まだ、バターはないので何が作れるかな~で、コンポートにしました。

おかげで、セリアちゃんが料理長とプチバトルです(笑)


それから、今頃思い出しましたがサンフェリス国の特産品!出し忘れました。

う~ん。どこで入れようかな。とにかく、今の話が終わってからですね。


もう一つ、ブックマークをしてくれた方が900件超えました。

本当にありがとうございます。

うれしく思うと共にもっと頑張らねばと身が引き締まる思いです。

これからもよろしくお付き合いくださりませ。


それでは、また、次話で。


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