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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
133/444

12-9 お、終わり・・・ました

呆気にとられた一同の中で、王妃様の声が聞こえてきました。


「お芝居の衣装ってどういう事かしら」

「彼女が見せてくれたお芝居で、セリフがなくて体の動きで表現するものがあったのです。舞台の上ですごく動き回るものでした。とてもきれいな動きをしていました。なので、装飾品があまりなくて、動きを阻害しないものが衣装になっていたのを、思い出して作ったみたいでした。それから、シュナイダー王子が着ているものも運動しやすいものになっています」


多分、そういった意図で作ったと思います。

・・・すみません。ゴムを使って服を作れることでハイになりました。

おかげで、我に返った時にはなんでこんなのを作ったの? と、いうものがありました。

もし、これを作っていた時にソフィティア叔母様、ウルリーケ叔母様がいらっしゃっていたら・・・。


「そうなのね。でも、カークライト!どうかしら、動きにくい所はあって?」

「いえ、母上。とても軽くて着心地がいいです」

「なら、そのままでいいわね。もう少しヒラヒラを抑えれば学園や騎士団でも採用してもいいかしらね」


王妃様の言葉にギョッとしました。

でも、私が何か言う前に王妃様が次をとおっしゃられました。


次にクラーラお姉様、ビアンカ、ローザ様、マイン様、フィリナ様が舞台に上がってきました。

クラーラお姉様は臙脂色のボレロの上着の制服です。ブラウスにボレロと同じ素材のロングスカート。

ビアンカはモスグリーンのブレザータイプの制服です。もちろんスカートは足首まで隠れます。

ローザ様とフィリナ様は同じブルーの制服です。・・・と、見せかけて、ローザ様の物はベストとの3点セット。フィリナ様の物はジャンパースカートになっています。

マイン様の物はセーラー服です。膝丈なのですが、いいのでしょうか?

私は・・・実は前と同じでお兄様から頂いた服を着て男装?していました。


それから、男の方の服の説明をして・・・。宰相様と魔術師長のローブもボタンが使われただけなのですけど・・・。国王陛下の服の説明で、この服は式典用でと言ったら、男の方の目が輝きました。

それから、女性用の服。一番人気だったのはウルリーケ叔母様が着ていた妊婦用の服。お腹を締め付けないゆったりとしたデザインの、エンパイアラインのドレスに視線が釘付けでした。


最後に王妃様が中央にいらっしゃいました。

王妃様が着ているのはクリーム色のとてもシンプルなドレスです。

女性陣がざわめいています。


「これはドレスの基本部分だけです。これから、変化させます」


そう言って私は少し離れました。女官の方がいろいろな物を持って現れました。

まず、最初に白いレースのエプロンみたいな形のものを重ねました。

それに合わせて、ダイヤモンドの装飾品をつけます。


「「「まあ~!」」」


つけたものをすべて外すと、今度は赤い布地のガウンみたいなものを重ねます。装飾品もそれに合わせたものをつけます。


「「「ほお~!」」」


そして、グリーン、イエロー、ブルーと上に重ねる物をチェンジしていきました。もちろん装飾品もそれに合わせて変えていきます。


「以上で終わりです。何か質問はありますかしら」


おばあ様が言われました。

誰も質問をする方はいませんでした。


「他の服もありますが、それは別の部屋に用意してありますので、後でご覧ください」

「「「ハア~!」」」


一斉にため息がこぼれました。


お、終わりました。説明で疲れました。休みたいです。


「では、よろしいかのう。子供達も疲れただろうから休ませたいのだがのう」


みなさま頷かれました。

子供達は先ほどとは違う部屋に案内されました。

部屋に入るとソファーを進められました。

お茶とお菓子が用意されていました。


「お疲れさま、セリア。疲れたでしょう。ゆっくり休みましょう」


ローザ様が言ってくれました。

はい。本当に疲れました。お行儀が悪いことはわかっていますが、ソファーの背もたれに身体を預けます。

当たり前のように隣にはローザ様とマイン様がいます。フィリナ様はローザ様の隣の一人掛けの椅子に座っています。

向かいにはクラーラお姉様を挟んでビアンカとアマリア様がいます。


「ローザ王女様、そんなにピッタリくっつかれたらセリアテスが休めませんわ」

「あら、そんなことはないと思うわ。ねえ、セリア」


えーと、なぜ言い合いが始まるのでしょうか。


「マインおうじょさま、セリアおねえさまがやすめないのです。はなれてください」

「アマリア~。セリアおねえさまの~、となりにきたいのなら~、すなおにそういったらいかがですの~」


何故、マイン様と、アマリア様まで。


「セリア、王女様だからって遠慮して、好きにさせることはないのよ」


ビアンカまで・・・。

フィリナ様が困ったように皆を見ています。


「セリアテス、そこにいると女の争いに巻き込まれるからこちらにおいで」

「そうだよ。こっちでゆっくりしようよ」

「そうそう。この前はあまり話ができなかったしね」

「何を言ってるのかな、王子様方は。そんなの私達が許すわけないだろう」

「そうだよ。セリアテスは疲れてるんだから、君たちの相手なんかさせられないよ」


あちらでは王子様達とローラントお兄様、オスカーお兄様の言い合いがはじまりました。



132話です。


ファッションショー、終わりました。

セリアちゃんお疲れ様です。


王妃様のドレス・・・衣装ですね。

衣装以外の何物でもないよね。

これについては質問されても答えようがないのでそういう風にお願いします。


それでは、また、次話で!


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