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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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12-7 高位貴族は・・・!

他の方々が固唾をのんで見守る中、アイドロフ神官が咳払いをして言いました。


「とにかくセリアテス嬢には聖別を受けていただく。聖別を受けさせないというのでしたらそれ相応の覚悟をしていただくことになりますよ」

「我々はセリアテスに聖別を受けさせないとは言っていないのだがな。今まではセリアテスの体調が安定しなかったので、様子を見ていただけだ。レオポルド神官長には連絡してあるのだが、アイドロフ神官はお聞きでないのか」


お父様の言葉にアイドロフ神官はお父様を睨みつけました。そのあと私の方を向くとにこやかに笑いました。


「それなら神殿でお待ちしておきましょう。セリアテス嬢お会いできるのを楽しみにしていますよ」


そう言って、アイドロフ神官は会議場を出て行かれました。


それからしばらくして近衛騎士の方が会議場に入ってこられました。

彼は扉から中に入ると片膝をつき頭を垂れたあと、顔をあげました。


「申し上げます。アイドロフ神官は王宮から出ていかれました」


その言葉を聞いたみなさまの緊張がゆるみました。それは目に見えてわかるほどで、中には息を吐き出される方がいました。


「皆の者、楽にしてくれ」


国王陛下がおっしゃいました。


「どうしましょうか。少し休憩をいたしますか」

「いえ、それには及びません。あっ、その、フォングラム公爵家の方々がお疲れでなければですが」


王妃様の言葉に男の方が答えました。


「そうですね。セリアテスを少し休ませたいですかね」

「そうよね。セリアテスが一番疲れているわね。では、お茶を飲んで一休みいたしましょう。用意をして頂戴」


王妃様の言葉に侍女の方が出ていかれました。

そうしてみなさま移動を始めました。女性と男性に別れました。女性の中心はおばあ様です。男性の方もおじい様を中心に集まりました。そして前の方の近い席に男性女性が席に着きました。国王陛下と王妃様も一緒に座られてますけど、よろしいのでしょうか。

侍女の方たちがみなさまにお茶を配りました。

私も一口飲みホッと息を吐き出しました。


やはり緊張していたようです。いえ、今も緊張していますが隣にはおばあ様、お母様がいてくれます。

それにしてもみなさまとても和やかに過ごしていますが、これはいいのですか?

今日は御前会議なのですよね。大切な会議なのですよね。私達も出ることになったのは、魔物の討伐に新しい服が関係しているから、実物を見せて説明するはずだったのですよね。

そんなことを思っていたら、おじい様達の会話が聞こえてきました。


「リチャード様、あんな感じでよろしかったですか」

「ああ、メ―ベルト侯爵。あのような役を振ってすまなかったのう」

「いえいえ、必要以上に力が入ってしまい、大声になってしまいました。もう少し上手くやれたのではと、今更ながらおもいます」

「結局魔物の大量発生ではあやつをつり出せなかったのだからな」

「そうですわね。出てきたのは神殿の利になることに対してでしたもの」

「コリンナ、あなたもありがとう。もう少しまともかと思ったけど、やはりアイドロフ神官は駄目ね」

「ええ。最近の増長ぶりは目に余るものがありますわ」

「本当ですわ。レオポルド神官長も手を焼いているようですのよ。昨年神官長がフォンテインの大神殿に行かれている間留守を預かっていたことで、勝手に時期神官長だと思っているのですのよ」


・・・えーと、役? つり出す? フォンテインの大神殿?

わからないことだらけです。

王女様達は・・・わかっているようです。

わかっていないのは私とギルベルト様とアマリア様の3人みたいです。


「これでレオポルド神官長もやりやすくなるといいのですが」

「そうですね。それで、何時神殿に行くことになりますか」

「今日のことをアイドロフ神官がどのように報告をするのかによるが、5日から7日後くらいだろう」

「もちろん我々も聖別の儀には参加させていただきます」

「神殿側が嫌がるかもしれんがな」

「それこそだろう、フォングラム公爵。ここにいる者を全員呼ばなければ、我が王家だけでなく王国を敵に回すことになるのだぞ。アイドロフ神官がどう思おうとレオポルド神官長がそんなことをさせるわけはないだろう」


国王陛下の言葉にみなさま頷かれています。

・・・神殿内の確執のことでしょうか。

多分私の表情に困惑しているのが出ていたのでしょう。


「さあさあ、話の続きは後程にいたしましょう。あまり子供たちを待たせるものではないわ。これから楽しい時間の始まりよ」


王妃様がそうおっしゃいました。

みなさまがまた移動をしました。今度はみなさま前の方に座られました。医師長とウルバーン医師と学者の方は後ろの席に移動しています。

先ほど王子様方が座ったほうに、王子様王女様たち、フォングラム公爵家、キャバリエ公爵家、ルートガー公爵家、アルンスト侯爵家、それから魔術師長と宰相様が座りました。

国王陛下と王妃様は私が座っていた椅子をもう少し入り口寄りに移動されてお座りになられました。



130話です。


今話のタイトル。本当は「高位貴族は・・・仲がいいのですね!」にするつもりでした。

補足になるのかな?

家族会議の時に大粛清があったと書いたと思います。

はい。それ以降リングスタットの高位貴族は結束が固いです。

・・・その理由は後編に掛かってくるので言えませんが。


次話は、ファッションショー・・・再び? です。


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