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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
129/444

12-5 御前会議・・・に!

係りの方?侍従さん?それともどこかの部署の方でしょうか? が、私達を呼びに来ました。

先ほど、キャバリエ公爵夫妻も含め、大人は全員移動しています。今居るのは子供だけです。

王子様達を先頭に会議場に入ります。アマリア様が不安そうな顔をしていますので、手を繋いで一緒に入りました。


その部屋は半円形に段々になっていました。例えるなら、コンサートホールでしょうか。そこに20家の公爵家と侯爵家が揃っていました。みなさま夫人を同伴しています。お母様達はこの扉から一番遠い奥の席に座っています。お母様の隣にはおばあ様、キャバリエ公爵夫妻、ルートガー公爵夫妻が座っています。その前にはアルンスト侯爵夫妻です。高位貴族程、高い位置に座るようです。

国王陛下と王妃様は舞台?の上に数段高い位置に席が用意されています。よく見ると、他の貴族が座っている席より高くなっています。階段席は緩やかな傾斜のようです。

それと、魔術師長と医師長とウルバーン医師と学者の方もいらっしゃいました。前の方の席に座っています。それから、見たことがない服装の男の人も前の方に座っていました。どことなく神官服っぽいのですが装飾過多で、威厳が感じられません。私達を値踏みするような嫌な視線を向けてきました。


私達が入ってきた扉は舞台上にでる扉でした。

私達が入場するとざわめきが大きくなりました。そして、私が中に入りましたら、息を呑む音がして静かになりました。王子達とみなさまは入ってすぐの空いている席に座りました。もちろん王子様王女様方がその列の一番高いところに座ります。その前にお兄様とクラーラお姉様達。その前にビアンカたち4人が座りました。


私は中央の演台に立つ、おじい様とお父様のそばに案内されました。

お父様が背中に手を添えてくれます。


「先ほど話したように、これが今のセリアテスの姿です」


お父様の言葉にまた、どよめきが起こりました。どよめきが収まるのを待ってお父様が話しをしていきます。

私は舞台上に用意された椅子に座りました。隣におじい様も座っています。

お父様の話は私に起こったことについての説明でした。簡潔に分かりやすい説明でした。私が倒れてからの変化、記憶喪失、誰かから教えられた知識。そこから推測された「神子」ではないかということ。

お父様が「神子」ではないかといったら、嫌な感じの男の人がピクリと反応しました。私を見る目が獲物をみるような嫌な感じになりました。

ただ、続けてお父様が言われた「自由に何も縛られずに生きてほしいと」その「女性」に言われたと聞いて、苦虫を噛み潰したような顔をしました。


うん。みなさまこちらを向いているから表情がまるわかりですね。

わかりたくないけど、その反応であの男の人は神殿関係者だとわかりました。

なんかな~、神殿ってもっと神聖な場所だと思っていたんだけどな。

興ざめもいいところです。


お父様の説明が終わりおじい様と変わりました。

おじい様が魔物の大量発生について話しています。聞いているみなさまの顔色が悪くなっていきます。


いえ、1人だけ他人事のように聞いている人がいます。

なんででしょう。先ほどから嫌悪感を感じています。

私はあの人を知らないのですが。前に何かあったのでしょうか?


そしておじい様が魔物の大量発生が約8年後に起こり、その時学園に通う子供達も討伐に参加することになるだろうと言いましたら、悲鳴が上がりました。男の人が1人立ちあがり大声を出しました。


「いくらリチャード卿でも言っていいことと悪いことがあるのはお判りでしょう。それにセリアテス嬢の未来視ですか?本当に起こるとは限らないことをわかってますよね。それと魔物の大量発生なんて、何年も起こっていないのですよ。もう、魔物たちが大量発生することはないのではないですか」

「メ―ベルト侯爵、思い違いも大概にしてもらいたいな。確かにこの40年の間に魔物の大量発生は起こっていない。だからといって、もう起こらないという保証はないだろう。それに間隔があけばあくほど大規模になるのは、文献にも残っていたはずだ。そしてセリアテスの言う通りなら、あと8年。前回から50年近くたてばどれくらいの規模になるか。ああ、そういえば前回の討伐に参加したことがあるのはわしだけだのう。そうか、そうか。体験者が語って聞かせないとわからないということかのう」


そう言っておじい様は目を細めてニヤリと笑いました。メ―ベルト侯爵は青い顔をして座り込んでしまいました。


「あれでも小規模発生だったが、かなりの死傷者をだしたのだぞ。今回は大規模、それも我が国だけでなく全世界で起こる可能性があるのだ。今までは発生がわかってから対処するしかなかったが、今回は時期が分かっておる。それまでに準備をするのだ。それとも、なにか。諸兄らはそんな危険なことに自分は巻き込まれたくないとでもいうのか。子供を危険な目に遭わせたくないとでも。そんなことを言うつもりなら今すぐ爵位を返上し、市井に下るがいい。そしてことが起こった時には家の中で震えて隠れているがいいさ。だが魔物にはそんなもの通用しないがな」


あまりのおじい様の過激な言い分にみなさま黙ってしまわれました。

いいえ、これが知る者(・・・)なのですね。

いつもの飄々としたおじい様はここにはいませんでした。



128話です。


さて、御前会議なのですが・・・。

珍しくセリアちゃんが嫌悪感を持った人物がでてきました。


あとは・・・補足は無いですね。


あっ、ごめんなさい。

ゴムを使った服のことはもう2話後になります。


それでは、ここまで読んでいただきありがとうございます。

次話で会いましょう。

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