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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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11-9 お風呂で浪漫を見つけ・・・

居間に場所を移して、侍女がお茶を入れてくれたのを、一口飲みました、

私の様子を見ながらおばあ様が尋ねてきました。


「どう。気分は落ち着いたかしら、セリアテス。落ち着いたのなら泣いた理由(わけ)を教えてくれないかしら」


私はおばあ様の顔を見ました。また、涙が目に浮かんできました。


「あらあら、困ったわね。何があなたの涙を誘うのか、教えてくれない」

「おばあ様」

「大丈夫よ。ゆっくりでいいからお話しして。ね」


お母様の顔を見ると微笑んで頷いています。

他の人は何も言わずに見守ってくれています。

私は一度深呼吸をしました。

隣にいるお母様のドレスをギュッと握りました。


「さっき・・・クラーラお姉様、ローラントお兄様、オスカーお兄様に・・・セリアテスが用意していた、プレゼントを、渡したのです。・・・その時に・・・思い出したの。それを、用意したときのこと・・・。その時の気持ちも。・・・でも、私じゃないの。わたし、知らない。・・・わからないの。だって、さっき思い出したのは、私が見たものじゃないの。・・・まるで、お芝居を見ているみたいで・・・。だから、わたしはセリアテスじゃないんじゃないかと思って。・・・違う誰かが・・・セリアテスの体を・・・乗っ取っちゃったのかなって。・・・ウルバーン医師のいう通りだったのかなって・・・」


涙が溢れてきました。いつの間にか下を向いていたので、ドレスに涙のシミが出来ていきます。

お母様が私の頭を抱えるように抱きしめてきました。


「バカね、セリア。そんなことを思っていたの。でも、そうなの。クラーラに作ったレースのケープ。それを作った時の事を思い出したのね。あなたは一生懸命作っていたわね。・・・あのね、人の記憶なんて曖昧な物よ。ちゃんと覚えているつもりでも、ちょっとした勘違いや思い込みで、同じ時間を過ごしたはずなのに、全然違う風に覚えていることだってあるのよ。あなたがお芝居を見ているみたいといったけど、思い出す記憶なんて、私もお芝居みたいだと思うときもあるわ。セリア、あなたは記憶を失くす前と今では確かに違うわ。別人のようだといえば、別人と云えなくもないわね。でもね、あなたは、セリアテスよ。私の可愛い娘。他の誰かじゃないのよ」

「お母様!」


お母様にギュッと抱きつきました。


「もう、どうしてこう可愛くなってしまったのかしら」

「それはミリーに似たからだとおもうな」

「あら、私はこんなかわいいことできないわよ」

「そうかな。初めてあった頃と、ミリーは全然かわってないよ」


お父様とお母様が言い合ったけど・・・なんか甘い雰囲気がしている気がします。


「あの、父上、母上、そういうのは2人の時にお願いします」


えーと、お兄様ナイスです。

頭に誰かの手が置かれました。そのままやさしく撫ぜてくれます。


「セリア、突然思い出したことで、不安に思ったかもしれないが、ミリーが言ったようにセリアはセリアだ。それにセリアは全然前と変わっていないから」


お父様の方を見上げると微笑まれました。お父様は私のわきの下に手を差し入れると抱き上げてきました。


「だから安心しなさい。それよりも、急いでセリアの力を借りなくてはならないことが出来てね。聞いてくれるかい」


お父様が私の顔を覗き込むように見てきました。

私が頷くとお父様は私が座っていた椅子に座りました。

私はそのままお父様の膝の上です。


お父様の話は明日のことでした。

王宮で御前会議が開かれるので、ここにいる全員で行くそうです。

そして、私が作り出した服をその場で見せることになる、ということ。

今から、みなさま用に作った以外の服を手直しして、キャバリエ公爵家の皆に合わせること。


はい? なんで? えっ? どうして?


私が混乱している間にこの前の服の山が~。

目の前に運び込まれてきました。何で、みなさまの分もあるのですか。

それからの大騒ぎは・・・・・。


夕食もみなさまでいただきました。

そして、なぜでしょう。この状況は?


今、私は迎賓棟のクラーラお姉様の部屋にいます。

いえ、私だけではないです。ビアンカとアマリア様も一緒にいます。

今日はアルンスト侯爵家とルートガー公爵家も家に泊まることになりました。

そして、クラーラお姉様が泊まる部屋にもう一つベッドを運び込んで、4人で寝ることになりました。


それから・・・知りませんでした。お風呂・・・フォングラム公爵家には大浴場があったのです。

なので、みなさまで入りました。・・・あっ、も、もちろん、男女別々です。

私達4人が入っていると、お母様たちまで入ってきて・・・。


いいな。私も成長したら、あんなスタイルになれるのかな。

ボン、とまでいかなくていいからそこそこの大きさで、キュッとしまって、ボンまでいかないけど、スラリとした・・・。

ハア~。いいなあ~。



123話です。


これで、16日目話は終わります。

すみません。力尽きました。あれこれは(物語の)明日以降にいれます。


えっ? キャバリエ公爵家のこと?

もちろん忘れてません。

17日目にわかりますから。


お風呂・・・。

文字数を稼ぐためにだしたわけじゃないからね。

ただ、お泊りするなら、一緒にお風呂かな~。

と思っただけなんだからね。


大浴場を作るのに執事長が活躍したなんて言わないからね!

あっ!


それでは、次話で。

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