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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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10-8 私と同じ・・・じゃないの?

衝撃の事実・・・かな。

彼女の世界では、奈良時代には戸籍を把握していたような気がしたんだけど・・・。

今まではどうやって把握していたのかしら。


「こせき・・・、ああ、戸籍ね。うん。たしか、3年前に始まったのじゃなかったかな」

「あら、そうだったかしら」

「ローザ王女様が知らないのも仕方がないですよ。僕も、半年前に領地で戸籍の問題を聞いたから覚えていただけですし。それよりもフィリナ嬢ですよ。よく、知っていらっしゃいましたね」

「あ・・・の、これは、父がまとめたものだそうで・・・」

「「「「えっ!」」」」

「もともとは祖父が提案したそうなのですが、病で急に亡くなってしまいまして・・・。父は祖父から話を聞いていたのと、祖父が残した手記からどういったものか理解して、祖父のあとを継いでまとめ上げたと聞いています」

「そうなの」

「はい。学業のかたわらにまとめたので時間がかかってしまったと父が悔やんでおりましたから」

「それだと・・・」


みんなが話してるのを聞きながら、先ほど感じた疑問がふくらんでいきます。

それと、もう一つ。

もしかしたら前スクワーレ伯爵は、彼女と同じ世界の記憶持ちだったのかもしれません。

その方が「アラクラーダ様の神子」とは、なっていないのは何故でしょう。

物を作り出してないからでしょうか。

う~ん。わかりません。


「セリア?」

「はい?」


考え事に没頭してみんなの話を聞いていませんでした。

声を掛けられて疑問形で返事をしてしまいました。


「難しい話をしてごめんね。まだ、始まったばかりの制度だから詳しく知らなくて。フィリナ嬢が知っているのかと思ったら、いろいろ聞きたくなってしまってね」

「いえ、少し考え事をしていましたので・・・」

「何か気になったの?」


う~ん。

言っていいのでしょうか。

でも、疑問に答えてくれると言ってましたし・・・。

先に無難なところから訊いてみましょうか。


「戸籍の登録は新しい制度なのですよね。その前はどうしていたのかなと・・・」

「ああ、そうだよね。え~と、どうだったかな。・・・各村や町でまとめていたと思うけど。・・・ごめん、わからないや」

「そうですね。村長や町長が把握してたと思いますけど、詳しい記録に残すようなことは少なかったはず・・・だったとおもいます」

「えーと、どこが新しい制度なのでしょうか」

「あー、それは・・・」

「国が役所を各領において、届けさせることにした。・・・ということでしょうか」


役所?

市役所のこと?

じゃあ、そこに行けば住民票が取れるとか。


・・・いや、ないよね。

それはないわ~。


でも、国が全国民を把握するということよね。

領主が、ではなくて。


でも、じゃあ・・・。


「その、新しい制度を考えられた前スクワーレ伯爵は、アラクラーダ様の神子だった、ということはないのですか」

「いえ、セリアテス様、それはありませんわ。もともと国民の人数を把握する方法を考えていたそうですから。町や村でまとめ方がバラバラだったので、統一したものをみんなで考えていたとか。それをまとめて提案しただけですから」


まとめただけって。

いや、戸籍なんて言葉は・・・。

いえ・・・わからないわ。

もしかしたら、誰でも考えつくことかもしれないわ。

彼女の習った歴史でも何度かあったじゃない。


うん。もう、いいにしましょう。

そういえば・・・。


「あの、話しを戻すというか、その、結婚のことなのですが・・・」

「あら、そういえばセリアは結婚の許可について訊いたのだったわね」

「はい。貴族省の許可がいるのはわかったのですが、他に何か条件があったりしますか」

「条件?」

「え~と、例えば侯爵家のものと平民が結婚をするとか・・・」

「ああ。そういうこともあるわね。でも、大体どこかの貴族の養子になって身分的に釣り合うようにしてたとおもうわ」

「では、許可されない婚姻もあるのですか」

「ええ。いとこ同士は結婚できないのよ」

「はっ、い? いとこは結婚できないのですか?」

「ええ。昔はできたらしいけど、血が近くなり過ぎて、わざわいが起こったそうよ。それで親が兄弟である場合、その子供同士の婚姻は認められないことになったのよ」

「・・・」

「ほかに、親子、兄弟、おじと姪、おばと甥もだめね。例外は養子縁組で家族になった場合ね。これも魔法で、近い血縁関係にないと証明されなければ、駄目なのだけどね」

「血縁関係がわかる魔法があるのですか」

「らしいわよ。高位魔法らしくて、使える人が限られるようだけど」

「この国だけですか?」

「いいえ。各国共通よ。3人目のアラクラーダ様の神子様が神託を賜ったそうよ」


なんか、また、目からウロコです。

そうか、いとこ同士は結婚できないんだ。

心のどこかでホッとしています。


えっ?

私は何にホッとしたのでしょうか。



109話です。


今回もちょっと納得できてません。

今話は結婚の条件を書きたかったのです。

そこまでいくのに遠回りさせられました。

1話余計に書いた感じですが、まあ、でも、スクワーレ伯爵家について書きたかったので、丁度いいことにします。


家族会議でスルーしたことの補足?です。

セリアちゃんが気がついたとおり、スクワーレ伯爵家は初代から3代まで転生者です。

彼らは自分の生活を良くしようと動いた結果がああなりました。


フィリナパパは普通の人です。

ただ、頭がすごく切れます。

なので、12歳の彼は父親から話を聞いて理解しまとめました。

ですが、頭が良すぎるがゆえに、普通の人には難しい表現をしてしまい、分かりやすい表現にするために時間がかかったのです。


セルジアスが早速フィリナパパを囲い込みました。

まだ、3日ですが、仕事の効率が上がって喜んでます。

フィリナパパも、やりがいのある仕事で喜んでます。

あまりに頭が良すぎたため、各部署でもてあまされ転々としてました。


おかげで親子共々、フォングラム公爵家を神のようにあがめてます。


・・・・・

ということです。


では、また次話で。


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