10-5 申し訳ないことを・・・
思いっきり泣いたからか、お腹がすきました。
・・・いえ、うそです。
すいてるはずなんだけど、あまり食べたくありません。
またまた、ロ-ザ様、マイン様、フィリナ様が食べさせてくれようとします。
私はひな鳥ですか・・・と、いいたいけど、そうしてくれないと食べる気がしません。
申し訳ないから、みなさまが差し出してくれたものを一口づつ食べました。
みなさまも私につられたのかあまり食べずに食事を終わりました。
片付けてくれるクリスさんに「残してしまってごめんなさい」と料理長に伝言をします。
何か言いたげに私を見ましたが、「承知いたしました」と部屋を出て行きました。
オレンジジュースは置いていってくれたので、それをみんなで少しづつ飲んでいます。
えーと、どうしましょう。
何か言わないと、いわない・・・と。
言う・・・何を、言えばいいの。
困ったわ。
その時、扉を叩く音が聞こえました。
キュリアさんが応対してくれてるけど、あら?
サラエさんがいないわ。
ああ。クリスさんと部屋を出て行ったわね。
「セリアテス様、ミルフォード様がいらしてますが、どうなさいますか」
お兄様ですか。
どうしましょうと、皆さんの顔をみます。
ローザ様が頷いたのでお兄様に部屋に入っていただきましょう。
「入ってもらってください」
お兄様が入ってきました。
手には紙と筆箱かしら?
それから、本を1冊。
「おじゃまします、王女様方。先ほどは挨拶もせずに失礼いたしました」
「いいえ、それはお互いさまよ。私達だけだと思っていたのに、あんなにいらっしゃるのだもの。それに、あんなことを言うなんて。セリアにだけじゃなく、私にも失礼だわ」
「ええ、私が言うのはなんですが、あの後、叔母も反省してましたので、許していただけるとありがたいです」
「まあ、私はいいのよ。突然訪問したわけだし。でも、セリアと、フィリナには謝っていただかないとね」
「はい。後日改めて謝罪したいと言っておりました」
「あら、お帰りになられたの」
「はい。配慮が足りなかったとおっしゃって帰られました」
「両家とも?」
「はい」
「そう、わかったわ」
えっ、えっ?
叔母様方は帰られたの。
そんな、私、あんなこと言うつもりはなかったのに。
どうしたら・・・。
「セリアテス様?」
「どうかしたの、セリア?」
「セリアおねえさま」
「セリア、何か気に掛かることでもあるのかい」
皆様に聞かれてしまいました。
顔に出てたようです。
また、心配をかけたみたいです。
「私、あんなこと言うつもりじゃなかったの」
「?あれはアルンスト侯爵夫人が悪いのだから、気にすることはないと思うわよ」
「いえ、ビアンカ様とアマリア様に」
「えっ?」
「いくらなんでもあの言い方はなかったとおもって」
「どういうことなの。二人が勉強会に参加するのがイヤだったのではないの」
「違います。嫌だったのは勝手に決められたことです」
私の言葉にみんな顔を見合わせてます。
ああ、やはり、勘違いされました。
「でも、セリア。昨日と今日の様子を見てれば二人と一緒にいるのが、嫌なのかとおもったよ」
お兄様まで。
「だから、違うのです。昨日は身体がだるかったのと、お母様が私の体調を気にして、勉強会を後日にしようといいだしたから、無理して元気な振りをしてたんです。それなのに、服がどうのベルトがどうのと言われたら、他のことまで気が回るわけないわ。今日だって、朝から楽しみにしてて、気もそぞろで、話しかけられても上の空でしたのよ」
みなさま絶句してます。
「そうか、そうだよね。これは僕たちが悪かったね。うん。あとで、母上達に言っておくよ」
お兄様に納得いただけました。
「ふ~ん。セリアはあの二人が一緒の方がいいんだ」
あれ、ローザ様の機嫌が微妙に悪いです。
「そうよね。親戚の方が気安いわよね」
えっ、すねてます?
なんで、どこにすね要素があったのですか。
「そっか。私達は必要なかったのね」
「何でそうなるんですか、ローザ様」
「服まで、作ってあげるくらいだもの。いつでも会える彼女達の方がいいのよね」
「だから、服はローザ様達のも作ってますから。じゃなくて、私はローザ様と友達がいいんです」
「セリア・・・」
「私の夢は王妃様とお母様です」
「えっ?」
「お互いに子供が出来ても友達でいられて、私達の子供も同じように友達になって、友情がずっと続けばいいなと思ってます」
「セリア」
「ローザ様とそうなりたいんです。出来れば、マイン様、フィリナ様とも。ダメでしょうか」
ローザ様の両手を握りしめて力説しました。
みるみるうちに、ローザ様の目が潤んできました。
「もう、セリアってば、セリアってば。何回喜ばせるのよ」
ローザ様に抱き着かれました。
さっきと立場が逆になりました。
106話です。
セリアちゃんてば、気遣い屋さんね!
これって、後日談いるかな?いらないかな?
ソフィティア、ビアンカ、アマリアの。
これの裏はおばあ様が語る予定だけど・・・。
早くビアンカのツンデレ属性も見せたいけど・・・ね。
もう少し、考えます。
なので、ミルフォード。
しばらくよろしく!
では、次話で。




