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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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10-5 申し訳ないことを・・・

思いっきり泣いたからか、お腹がすきました。

・・・いえ、うそです。

すいてるはずなんだけど、あまり食べたくありません。

またまた、ロ-ザ様、マイン様、フィリナ様が食べさせてくれようとします。

私はひな鳥ですか・・・と、いいたいけど、そうしてくれないと食べる気がしません。

申し訳ないから、みなさまが差し出してくれたものを一口づつ食べました。

みなさまも私につられたのかあまり食べずに食事を終わりました。


片付けてくれるクリスさんに「残してしまってごめんなさい」と料理長に伝言をします。

何か言いたげに私を見ましたが、「承知いたしました」と部屋を出て行きました。


オレンジジュースは置いていってくれたので、それをみんなで少しづつ飲んでいます。

えーと、どうしましょう。

何か言わないと、いわない・・・と。

言う・・・何を、言えばいいの。

困ったわ。


その時、扉を叩く音が聞こえました。

キュリアさんが応対してくれてるけど、あら?

サラエさんがいないわ。

ああ。クリスさんと部屋を出て行ったわね。


「セリアテス様、ミルフォード様がいらしてますが、どうなさいますか」


お兄様ですか。

どうしましょうと、皆さんの顔をみます。

ローザ様が頷いたのでお兄様に部屋に入っていただきましょう。


「入ってもらってください」


お兄様が入ってきました。

手には紙と筆箱かしら?

それから、本を1冊。


「おじゃまします、王女様方。先ほどは挨拶もせずに失礼いたしました」

「いいえ、それはお互いさまよ。私達だけだと思っていたのに、あんなにいらっしゃるのだもの。それに、あんなことを言うなんて。セリアにだけじゃなく、私にも失礼だわ」

「ええ、私が言うのはなんですが、あの後、叔母も反省してましたので、許していただけるとありがたいです」

「まあ、私はいいのよ。突然訪問したわけだし。でも、セリアと、フィリナには謝っていただかないとね」

「はい。後日改めて謝罪したいと言っておりました」

「あら、お帰りになられたの」

「はい。配慮が足りなかったとおっしゃって帰られました」

「両家とも?」

「はい」

「そう、わかったわ」


えっ、えっ?

叔母様方は帰られたの。

そんな、私、あんなこと言うつもりはなかったのに。

どうしたら・・・。


「セリアテス様?」

「どうかしたの、セリア?」

「セリアおねえさま」

「セリア、何か気に掛かることでもあるのかい」


皆様に聞かれてしまいました。

顔に出てたようです。

また、心配をかけたみたいです。


「私、あんなこと言うつもりじゃなかったの」

「?あれはアルンスト侯爵夫人が悪いのだから、気にすることはないと思うわよ」

「いえ、ビアンカ様とアマリア様に」

「えっ?」

「いくらなんでもあの言い方はなかったとおもって」

「どういうことなの。二人が勉強会に参加するのがイヤだったのではないの」

「違います。嫌だったのは勝手に決められたことです」


私の言葉にみんな顔を見合わせてます。

ああ、やはり、勘違いされました。


「でも、セリア。昨日と今日の様子を見てれば二人と一緒にいるのが、嫌なのかとおもったよ」


お兄様まで。


「だから、違うのです。昨日は身体がだるかったのと、お母様が私の体調を気にして、勉強会を後日にしようといいだしたから、無理して元気な振りをしてたんです。それなのに、服がどうのベルトがどうのと言われたら、他のことまで気が回るわけないわ。今日だって、朝から楽しみにしてて、気もそぞろで、話しかけられても上の空でしたのよ」


みなさま絶句してます。


「そうか、そうだよね。これは僕たちが悪かったね。うん。あとで、母上達に言っておくよ」


お兄様に納得いただけました。


「ふ~ん。セリアはあの二人が一緒の方がいいんだ」


あれ、ローザ様の機嫌が微妙に悪いです。


「そうよね。親戚の方が気安いわよね」


えっ、すねてます?

なんで、どこにすね要素があったのですか。


「そっか。私達は必要なかったのね」

「何でそうなるんですか、ローザ様」

「服まで、作ってあげるくらいだもの。いつでも会える彼女達の方がいいのよね」

「だから、服はローザ様達のも作ってますから。じゃなくて、私はローザ様と友達がいいんです」

「セリア・・・」

「私の夢は王妃様とお母様です」

「えっ?」

「お互いに子供が出来ても友達でいられて、私達の子供も同じように友達になって、友情がずっと続けばいいなと思ってます」

「セリア」

「ローザ様とそうなりたいんです。出来れば、マイン様、フィリナ様とも。ダメでしょうか」


ローザ様の両手を握りしめて力説しました。

みるみるうちに、ローザ様の目が潤んできました。


「もう、セリアってば、セリアってば。何回喜ばせるのよ」


ローザ様に抱き着かれました。

さっきと立場が逆になりました。



106話です。


セリアちゃんてば、気遣い屋さんね!


これって、後日談いるかな?いらないかな?

ソフィティア、ビアンカ、アマリアの。


これの裏はおばあ様が語る予定だけど・・・。

早くビアンカのツンデレ属性も見せたいけど・・・ね。


もう少し、考えます。

なので、ミルフォード。

しばらくよろしく!


では、次話で。


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