10-4 言葉にすることで・・・
私の話に3人とも顔色が悪いです。
まさかこんな話を聞かされるとは思わなかったのでしょう。
私も思い出して身体が震えてきます。
私の握りしめた手に3人の手が重なってきました。
ちょっとフィリナ様、目の前に座りこんじゃダメですよ。
でも、気持ちがうれしいのでそのままにして、話を続けます。
目が覚めた私は自分が何をしたのか思い出して身体が震えました。
お母様に抱きしめられても震えは止まらなかったの
自分がしたことが怖くて、これからのこと・・・。
もし、また、魔法を使ったら暴走させてしまうのではないかと思うと、怖くて。
そうしたらお父様がこれを用意してくれたの。
そう言って、袖に隠れていた腕をみせました。
これは、魔力を抑える腕輪なの。
自分で制御できるようになるまでつけているといいよと、頂いたものなの。
封じる腕輪ではないのは、封じてしまっては魔法の制御を覚えられないだろう、ですって。
そのあとはね、ひと眠りしなさいと言われたのだけど、怖くて眠れそうになくてね。
そうしたら、お兄様が手を握ってくれて・・・。
お兄様から温かいものが流れ込んできてね、とても安心したの。
ううん。お兄様だけじゃなくて、部屋にいるみんなから温かいものを感じたの。
心が安らいでいくのがわかってね、そして、安心するとね、眠りに誘われたの。
たぶん・・・眠れるように魔法を使われたんだと思うわ。
次に目が覚めたら夕方だったの。
部屋にはお兄様がいてくれたわ。
少しお兄様と話をして・・・お兄様も小さい頃に魔力暴走を起こしそうになったときいたの。
私だけじゃないと安心させてくれようとしたのね。
その気持ちだけでもうれしかったわ。
それから、みんなの所に行ってね、私が作り出したものをみて・・・。
その後、なぜか、ファッションショーをすることになったの。
私ね、服を作っていた時に、お父様にはこんな服、お兄様にはあんな服って、思い浮かべながら作っていたみたいなの。
だからかな、すごく、たくさんの服を作り出していたの。
みんなが服を着替えて、1人づつ前に出て、その服のコンセプトや改良点を説明して・・・。
それでも、まだ、服は残ってね。
もちろん、ローザ様、マイン様、フィリナ様のことも思い浮かべながら作ったみたいなの。
あとで、見せるわね。
それから、みんなで夕食を食べたの。
私はもう、疲れて早く休みたくてね。
そうしたら、叔母様達が、明日も来るって、裁縫が得意な侍女を連れてくるって、いったの。
昨日、その宣言どおりに、朝早くに両家ともいらっしゃったわ。
朝食を食べてこなかったからと、それぞれ朝食になるものを持ってきてくれたけど、出来れば遠慮してほしかったわ。
だってそうでしょう。
前の日に魔力暴走をおこしたのですもの。
身体がだるくて、だるくて。
それなのに、みなさまの相手をしなければならなかったのよ。
侍女だけでなく、職人なのかしら?男の人たちも来て、ボタンや、ベルト、ホックを見て、ああでもない、こうでもないとやられれば、愛想なんてふりまきたくなくなるわ。
それに、お母様が、私の体調を気にして、勉強会を後日にしようとしたのよ。
私が、どれだけ今日のことを楽しみにしてたか、わかってくれなくて。
それじゃあ、平気な振りをするしかないじゃない。
それなのに・・・。
それなのに、何で今日まで来るの。
服の作り方は昨日伝えたのだから、自分ちで作ればいいじゃない。
心配をかけたのはわかっているわ。
でも、ほっといてよ。
ゆっくりさせてよ。
また、涙が溢れてきました。
ローザ様が私を抱きしめてくれました。
マイン様とフィリナ様は手を握ってくれてます。
「セリア、昨日は頑張ってくれたのね。私達に会うために。ありがとう。無理させたわね」
「ローザさま・・・」
「うん。泣いて、セリア。嫌な感情は涙にして吐き出しちゃおうよ」
「うっ、・・・ううっ」
「声を殺さなくていいから、思いっきり泣いていいから。ね」
私は、声をあげて泣きました。
おもいっきり泣きました。
不安に思ったことも、怖かったことも、つらかったことも、憤ったことも。
どれくらい泣いたのでしょうか。
大泣きしたことで、胸のモヤモヤが晴れていました。
キュリアさんがまた、おしぼりを用意してくれました。
きっと見られた顔ではないでしょう。
改めて紅茶を入れてくれました。
扉を叩く音がしました。
サラエさんが応対してくれました。
クリスさんがワゴンを押して入ってきました。
「お食事をお持ちしました」
いつの間にか昼食の時間になっていたようです。
テーブルに食事が並びました。
パンとスープ、ローストビーフっぽいもの、サラダ、あと果物です。
それから、絞ったオレンジ?ジュースも出てきました。
「えっと、お食事にしましょうか?」
私の言葉でテーブルの方に移動しました。
105話です。
セリアちゃんの気持ちの吐露の回ですね。
前話は淡々と起こったことを語ってましたがねぇ。
それにしても、さすがローザ様。
うん。彼女も安定してるから、出てくると楽ですね。
セリアちゃんが話し終わったけど、勉強はどうしましょうかね。
困ったときには、彼に頼みましょう。
ということで、次話で。




