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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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祖父話8 宰相の決断に・・・

王妃がまた、席を立ち、紅茶を入れ直した。

皆、一口紅茶を飲むと溜め息をついた。

王がカップを置くと問うてきた。


「それで、リチャード卿。御前会議を開くのはいいが、どういう風に話すつもりだ」

「そうさの、今の話すべてを言う訳にはいかんじゃろうな」

「ええ、それに5公爵15侯爵だけでなく、神殿にも話をされるのでしょう。神殿が今回の話をきいたら、セリアテスのことを連れて行こうとしますわよ」

「それは、無理じゃの。王妃殿下がセリアテスから聞いたであろう」

「でも、それをいいように解釈するのが神殿ですわよ」

「大丈夫だろう。民衆がそれをさせんさ」

「民衆って。何をさせる気だ、父上」


直前で言いなおしたか。

アーマド、もう少し言葉遣いに気を付けた方がいいと思うぞ。


「なーに、あいつらがもう、「アラクラーダ様の神子」が現れたと、宣伝してくれたからの。女神様から、新しい服の作り方を賜ったと聞けば、服飾産業が活性化するだろう。あと、靴に、ホックとベルト。皮を扱うものや、金属の加工をする者にも恩恵はあるし。おお、ボタンもあったのう。木片から加工するから、魔力があまりないものでも、あまり困らずに加工できるらしいしの」


わしの言葉に皆、あ然としたようだ。


「リチャード卿、それこそ神殿が技術の流出を良しとしないでしょう」

「そうです。神殿は新しい技術、特にアラクラーダ様から伝えられたものは権利を主張してきますよ」

「ジョシュア、エグモント。このことに関しては神殿に権利はないだろう。セリアテスはまだ、「アラクラーダ様の神子」ではないのだぞ。それに、セリアテスは「彼女」に自由にしていいと言われているのだしな」


それを聞いた皆がいい笑顔になっていった。


「そうだ。国の発展につながることだ。「彼女」もそれを望むだろう」

「ええ、そうですわ。それに、その技術を公開するのですわよね。リチャード卿」

「ああ、そうじゃ」

「なら、何の問題もありませんわね」


皆が、頷きあう。


「では、リチャード卿、他に何を提案するつもりですの」


わしは子供たちを鍛えるために何をするのか話していった。

学園の大幅な改革についてを。

それから、持ってきた服を見せて、セリアテスが言っていた制服の話をした。

他にもいくつか提案をし、御前会議の日を5日後と決めて、話を終わらせた。


小会議室を出ると皆それぞれの仕事場に散っていった。

わしも屋敷に戻ろうと歩き出した。


「お待ちください、リチャード卿。少しお時間をいただけませんか」


振りむくまでもなく、ジョシュアがそこにいた。

ふむ。やはり気付いたか。


「お前こそいいのか。忙しいだろう」

「いえ。今を逃すとあなたと話しが出来ないでしょうから」

「お前との会話ならいつでも時間を空けるがな」


ジョシュアのあとをついて宰相の執務室に向かった。

彼は執務室に居たものに休憩を与えて部屋から追い出した。

わしがまた結界を張るとホッとしたように肩の力を抜いた。


「ありがとうございます。リチャード様」

「いろいろと大変そうだの」

「まあ、宰相の仕事としてはこんなものでしょう」

「苦労をかけたかのう」

「いえ、同じ公爵家として最善を尽くすまでです。何か飲まれますか」

「いや、今はいい」

「そうですか」


ソファーに向かい合って座る。

ジョシュアは大きく溜め息をついた。


「それで、話しとは」

「それをあなたがいいますか」

「お前なら気が付くと思っておったよ」

「・・・過大評価でなければいいのですがね」

「お前に過大な評価はしたことがないぞ」

「ははっ、ありがとうございます。嘘でもうれしいです」


ジョシュアは大きく息を吐き出すと話を切り出してきた。


「先ほどの話ですが、本当に起こると思ってますか」

「ああ、もちろんだ」

「そうですか。では、私も次の者に宰相を譲ったほうがよさそうですね」

「そう、思うかの」

「ええ、今なら私でも対処できますが、7年後ではね。いささか年を取りすぎでしょう」

「まあ、確かにの」

「それで、後任はセルジアス殿でよろしのですか」

「お前が息子のことを高く買ってくれているとはな」

「彼の能力なら務まるとおもいますが」

「悪いがそれは無しじゃ」

「何故です」

「あいつと距離をおきたいといっておる」

「何か、ありましたか」

「まあな」


そして、国王がセルジアスに告げたことを話して聞かせた。


「それは、確かにそれでは距離をおきたくなりますね」

「まあな」

「わかりました。では、エグモントを仕込むでよろしいですか」

「それも、やめてもらいたいのう」

「そうですね。見どころはありますが、抑えにはなりにくいですね」

「お前の息子はどうだ」

「コンラートですか。まあ、妥当かもしれませんね。彼らより2歳年上ですし、生徒会長もしましたから抑えにはなるでしょう。あと2年私の下で経験をさせればなんとかなりますかね」


本当にジョシュアは話が早くて助かるの。

それから、もう少し話を詰めて、宰相の執務室を後にしたのだった。



101話です。


今話でじい様話が終わります。

長かった~。


次からはかわいいセリアちゃんが!!

うふふっ。

セリアちゃんお待たせです。

君にサプライズをあげるからね。


それでは、次話で。

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