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クロワール

向かう先のケーキ屋さん『クロワール』は2階建てのお店。1階はショーケースに色んなケーキが並んでいる普通な感じのケーキ屋さん。そして、2階は1階で買ったケーキを喫茶スペースで食べれるというスタイル。

ちなみに2階の喫茶スペースは会員制だから安心して利用できる。そして買ったケーキの数に応じて飲み物が無料で出してもらえる。学生には嬉しいサービスになっている。


「新作ってどんなだろう?」


「えっと、チョコ系とチーズ系の2種類だったはず。そこまでしか聞いてないから見てのお楽しみ。」


「ケーキも良いけど『クロワール』は、店長さんも良いよね。」


「瑠璃さんね。そういえば、瑠璃さん、最近、占い始めたって聞いたよ。」


「へー、何占いだろ?気になるかも。」


「聞いてみようか。」


「そうだねー。」


雑談しながら歩いて行く。陽菜といるとさっきまで落ち込んでいた気持ちが軽くなっていた。もうすぐ『クロワール』に到着する。ふと、思い出す。


「あ、お母さんに帰り遅くなるって伝えなきゃ。ちょっとゴメンね。」


そう告げて、私はスマホを取り出す。陽菜は手をひらひらと振って応える。それを確認して、スマホの画面に目を移すと未読メール有りの表示が出ていた。電話かけるのもさほど急ぎじゃないからメールを開く。


差出人は圭太。胸がドキリとした。件名が『ちょっといい?』なんて、無骨な感じが圭太らしい。


本文を見ると、

『話がしたいから時間貰えないかな?出来れば今日がいいけど。返事待ってます。』


(これってどういう話だろう…)


体は硬直していたけど、心臓の鼓動が速くなっているのが分かる。


「唯未?電話かけないの?」


急に声を掛けられてビクッと肩を震わせる。


「…あぁ、うん、掛けるよ。」


そう答える私の声は少し裏返っていた。

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