始まり
私は、杉本未唯(すぎもとみゆ)。15歳の高校一年。夏休み前日から始まる。
「あぁ~、もういいよ、一人で出来るからっ」
そう言って私は帰ってきてしまった。
ちょっと強がって、意地を張っていつも後悔する。
制服にしわがつくのも気にせず、ベットに倒れこんだ。
「はぁ・・・、
私って、どうしてこうなんだろ・・・」
自己嫌悪に陥るのは毎度の事。
何も言わなければ、普段は誰も力を貸してくれない。いつだって道は自分で切り開かなければいけないと思ってた。
あの時は助けてくれる人がいたのに。
私はホントにバカだ。
「今日も良い天気だね。」
両手を広げ、空を見上げながら須藤圭太(すどうけいた)は言う。
それにつられて私も視線を上げる。空は青、雲は白。雨は降りそうになく、誰が見ても晴れと答えるはず。
「そうだね。暑いからもうちょっと雲が欲しかったかな。」
「夏だし、しょうがないよ。今日で学校終わりだし。頑張ろうよ。」
やる気がないように見えたのか応援された。
「はいはい、頑張りますよー」
「ん、頑張ってね。」
ぽんぽん
軽く頭を撫でられる。
「部室に用あるから先、行くねー!」
そう言うと走りだす圭太。
走っていくその姿に暑いのによくやるなぁと思う。見ているこっちまで暑くなるじゃん。