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2回目の街コンに大輔と再び参加。
1組目、2組目。これが気持ちのよいくらい上手くいった!かなり満足感がある!手ごたえがある!
傍から見れば全然うまくいってないんだが・・・・。会話はぎこちなく、かみ合わない。
名前と若干の趣味や仕事の話をできただけである。当然相手の女性ペアがあまり楽しそうでないのも
簡単に読み取れるほど・・・ではあるのだ。
それでも僕は表面上平静を装ったような対応ができてるような気がして僕は確実に成長しているという実感。
少しずつ自然になれているのがわかる、そういう手ごたえである。まだまだ未熟なのは当然。
そんな僕を見てか、大輔も少なくても「変な奴」から「ちょっと変な人」と見られるぐらいには
なってきたんじゃなかろうか。
次の店はショットバー形式。入ると、奥のほうでイケメングループと少しだけ地味に見える女性達が
会話に盛り上がっている。
近くの席には、明らかにアニメオタクであることを主張したような格好で、
小太りで被った帽子にアニメキャラであろう缶バッジが数個。半そでのデニム地の男がこちらを見ている。
これは主張しすぎだろうと思いながら、案内された席には本日3組目になる女性ペアが待っていた。
片方は小動物らしいかわいらしさでツインテールが際立つ。名前はカリン。27歳
もう一人は・・・・黒髪ショートで活発そうな印象を与える顔立ちの名前はミキ。27歳
僕はミキに一目ぼれってやつになったのだろう。自分の好みのタイプが目の前のような女性であることに
改めて気付かされたような感覚だった。
正直彼女を今の僕が射止めることはできないだろう。もっとあとに出会いたかったと、そう思う。
それでも僕は冷静、いや冷静を装ったかのような素振りで対応を始める。
「お2人は仲がいいんですか?」
「えーと、大学の時のトモダチです」
自分の中から自然と出たセリフに妙に納得し、これは次もつかえる!とか思ってた。
ゲームで言うところのスキルが一つ増えたような喜び。僕がかなり稚拙な考えなのはいうまでもない。
多少ぎこちない僕と大輔の自己紹介や今の近況+α程度の会話に、向こう側も少しだけ歩み寄りをみせてくれて
いるような気がした。もちろん僕達に気があるようにみえるのは勘違いだろう。大丈夫、僕はまだ冷静だ。
突然後ろから大きな罵声が飛んできた。店内の一同が注目するのを僕も遅れて目で追いかけた先では
さっきまで盛り上がっていたイケメン達の間でケンカをしているようだ。
「なんだと、ふざけるなよ!」
取っ組み合いが始まり客はしずまり、店員と街コンスタッフが止めにはいる。
イケメンの一人がスタッフを振り払い怒りながら店を出ようとしたとき、さっきのアニオタと目が合ったのか。
「見てんじゃねえよ!ブタが!」
小太りの男は椅子ごと蹴り倒された。さすがに目立つから的にされただけだと同情しながらも僕はその男に駆け寄り
「大丈夫ですか?」と手を差し伸べていた。
怒ったイケメンが出た後の店内は急にしらけた状態になり、結局全員店を出ることになった。
「なにあれ~?」「こわかったよね~」
「たすかったよ、どうも」
小太りの男が僕に声をかけてきた。
「しかしあれはないなー」
その男とペアであろうやせ細った長身の男がそういいながら寄ってきた。
僕は何を思ったんだろう・・・出た言葉は
「よかったら今から僕達で飲みなおしませんか?」