第八話 『手に入れたものは次へ進むための鍵』
「不法滞在者の調査どころか、彼らを町へ入れていた組織まで潰してくれるとは、有り難い話だな」
笑うガウを見ながら内心で何を考えているんだろうなと訝しむジン。下水道での一件で、一応はガウの仕事を終えた形になるジンは、一人で依頼達成の報告を彼に伝えていた。話す場所は相変わらず白い屋敷の応接室だ。もっとこじんまりとした話しやすい部屋があることを、ジンは昔ここで働いていたので知っているが、そこに案内されぬということは、身内では無く客であるということを印象付けるためなのだろう。
「本気でそう思ってるか? 今回の件で下水道には国防騎士団が入り浸るだろうな。つまり非合法な組織であるところのあんたらは西区に介入し難くなった」
ジンはあくまで国側の人間だ。いくら昔の恩があるとは言え、ガウ達の状況が悪くなるのを身内の様に悲しむ気分は無い。あるのはガウが考えている事への興味だ。
「それは他の同業者も同じだろう? だったら規模のデカい方が勝つのさ。そのジャイブとか言ったか。その男が競争から抜けたおかげで、そいつの下にいた人間があぶれている状況だ。俺がそのあぶれた人間をこっちに引き込めば、自然とハイジャング西区に縄張りを作れることになる」
裏の組織というのは、あくどければあくどい程に人との繋がりや絆と言った物を重要視する。国が決めた法に従わぬ以上、身内同士でお互いを律する必要があるからだ。
「まあ、そっちに関しては既に門外漢だからな。何も言わないよ。俺が聞きたいのは、依頼を達成した以上、その報酬を貰おうかって話だ」
「うん? それについては幾らか既に得ているんじゃあ無いか? 最近起こってる奇跡に関わる事件について調べているんだろう?」
大凡、こっちの立場を知っていると言う風に話すガウ。多発する奇跡による事件。その真相を探るための情報なら得られただろうと話す。
「俺が依頼していたのは老人の捜索なんだがな」
本当に欲しい情報がどうであれ、こっちが当初から依頼していた事が達成できていないのなら、こちら側に分がある。ジンはガウの頼みを聞いたがガウはそうで無い。借りについてはジンの方が大きくなる。
「貪欲だなあ。結構、重要な事を知ったんだろう?」
「西区の下水道に何があるか。あんたは知っていたのか?」
ガウの言葉の裏を探るなら、下水道の地下にあるカルシナの秘密通路も、その奥にある大空洞についてもガウは知っていた事になるが。
「直接行った事は無いし、確信だって無かったわけだが、西区に不法滞在者が増えている話を聞いて、噂はまあ真実だったんだろうと思ったわけさ」
話ながらガウは大げさに身振り手振りをする。自分の予想が的中して嬉しいのかもしれない。
「噂の真偽を確かめるって段階で、都合よく俺が現れて、奇跡についての情報をあんたに求めたってわけか。あんたにとって見れば、不法滞在者を先導する組織を潰せるし、その報酬も仕事をする側が勝手に見つるかもしれない………ちょっと待て、あんた、秘密通路の噂が奇跡に関わる物だって考えていたのか」
秘密通路自体はかつてあった宗教が残した遺物の噂でしかなかった。それがジンの求めている奇跡についての情報とどうして繋がったのか。
「本題はそこだ。それはお前が探している老人にも関わって来る事になる」
「どういうことだ?」
「カルシナの秘密通路についての噂は、お前が知らない続きがあるんだよ」
ガウの笑い顔が消える。口を閉じ、再びそれが開く頃には、口蓋がすっかり落ちてしまっていた。
「カルシナ教が国から弾圧を受け、その多くが捕まったって話は当然知っているよな?」
ジンはその問いに頷く。
「そりゃあなあ。秘密通路の噂自体、捕えられた中にカルシナ教の幹部連中がいなかったって話から、秘密通路を使って街から逃げたという話に発展して始まったもんだしな」
そうして実際に秘密通路が見つかったわけである。カルシナ教徒の幾らかはあの道を使って国の弾圧から逃れたのは確実であろう。
「教祖のカルシナ自身も当然逃げ出したはずだ。そうして俺が話す噂はそこから始まる」
「うん?」
ジンはその様な噂を知らない。これでも耳聡い方だと思うので、本当に存在しているのか怪しい話だが。
「可笑しな老人の噂だ。当時、カルシナ教徒が弾圧されたと言っても、権力者層にまで信者がいたわけで、全員が全員国に捕えられて罰せられたわけじゃあ無い。権力争いに関してはドロップアウトって形になるだろうが、まだまだ金も地位も持ち合わせて無事なままのカルシナ教徒が少数ながらいることになる」
「そういう連中は、カルシナ教が崩壊してからも信者を続けてそうには思えないけどな」
カルシナ教の死を乗り越える教義に惹かれて入信した類の連中だろう。肝心の宗教が無くなれば、教えを守る意思など無くなりそうに思える。
「実際はどうなんだろうなあ。昔の事で関係者なんてみんな死んでるだろうから俺にもわからんが、話はそこじゃあ無く、可笑しな老人の話だ。カルシナ教の弾圧から十何年かした後に、その元カルシナ教徒の権力者達と良く面会をしている老人がいるとの噂が立ったそうだ」
それが秘密通路の噂の続きと言う事だろうか。それにしたって随分と時代を遡る噂話だ。
「で? その老人がどうしたって?」
「それで終わりだよ。元カルシナ教徒に接触する老人がいる。それだけだ」
「おいちょっと待て。なんだそれ。噂話って程のものですら無いじゃねえか」
これでガウの話は終わりなのか。それではわざわざ臭い下水道を探索した甲斐がまったくなくなる。
「せっかちするなって。これは昔流れた噂であって、俺が話す続きの噂ってのはまだまだ序盤さ」
耳で聞く分には軽口の話に思えるが、ガウの表情は真剣そのものだ。馬鹿話をしている風では無い。
「次はさらに十何年後、また妙な老人の噂が立つ。今度は俺達みたいな裏社会の連中と接触しようとする老人の噂だ。その老人が、元カルシナ教徒に接触した老人と良く似ているという話とセットでな」
「十何年って時間が流れているのなら、本当に良く似ているだけの老人かもな」
普通に考えればそうだろう。老人という年齢層にも幅はあるだろうが、十年経って顔つきの変わらぬ人間というのもなかなか居ないものだ。それに相手が老人であれば、寿命で死ぬ可能性も考慮に入れねばなるまい。
「かもしれない。だが、さらに十年程して、またその老人の噂が立った。その時も同じく裏社会に顔を出す老人の噂だ。そしてやはり、十何年か前に現れた老人と良く似ているという噂も同様に流れた」
ジンはその噂の奇妙さに気が付く。最初の老人が現れてから既に20年以上の時間が経過している事になるが、老人が同一人物なのなら、相当に長く生きている事になる。それも同一人物と判断できる程の外見を保ったままで。
「有り得ないな。噂は噂ってことだろ」
「どうかな? 話はまだまだ続くぜ? さっきの話からさらに十数年後、再び老人の噂が立った。その次もだ。俺がこの業界に足を踏み入れたばかりの頃にも一度、そういう噂が流れたよ。その頃になると、できるだけこの話は内密にって話にもなった。老人は明らかに只者じゃあ無く、詮索をすれば無用の混乱が起こるんじゃあないかってな」
「本当かよ………」
ジンが知っているガウは、冗談を言う時、必ず冗談と分かる様に表情も崩す。しかし今はそうで無かった。
「今じゃあ老人の噂が少しでも流れれば、組織の上部だけに話を流してそこで止めるって協定が結ばれている。何故だかわかるか? その老人が現れる時ってのは、必ず裏社会で奇跡が関わった事件が起こるからだ」
ガウは話を続ける。老人が最初に現れた時、丁度元カルシナ教徒と接触をしていた時は、暫く経ってからその元カルシナ教徒達が変死をしたらしい。それは国の記録にも残っており、火の気のない場所で焼け死んでいたそうだ。死因は魔法によるものか、もしくは奇跡による事故の可能性もあったとのこと。
次に裏社会と接触してからは、老人が現れる度に奇跡を起こす道具であったり、奇跡所有者だったりが裏社会に供給されたらしい。
それらは必ずと言って良いほど裏社会に混乱を起こしたと言う。奇跡の力は組織同士のパワーバランスを崩壊させるだけの力はあったから。
「そして今、町全体、いや、国を揺るがす程の事件が起きた。それと同時に、老人の発見報告が入って来る。誰からかは当然わかるよな? お前だよジン。お前が探している老人の外見ってのは、噂される老人の姿の特徴と似ているんだ」
話が繋がった。ジンが探し、ガウが提供すると話す老人の情報とは、彼が今話している噂話についてなのだ。
奇跡と共に百年近い期間で噂される老人。どうやらジンは気付かぬうちに、想像以上の深みにはまっていたらしい。この深みを踏み抜くべきか立ち去るべきか。
「さて、ここからは俺の推測なんだが……聞いてみるか?」
「なんだよ。そう言われて、最後まで聞かないとでも思うのか?」
「ははは。ここからは自分でも馬鹿らしい話だと思うから、ちょっと話し辛くてな」
漸くガウが笑った。つまりここからは冗談半分の話と言うわけである。
「事の発端である元カルシナ教徒と老人の接触話から、思い付いた発想があるんだよ。その老人は、もしかしたら居なくなったカルシナ自身なんじゃあないかってな」
「…………」
確かに馬鹿話である。大いに浪漫を含んだ物だろう。しかし笑い飛ばせぬ部分があった。なにせ、ジンが見た老人が噂される老人なのだとしたら、もしかしたら百年以上を生きた奇妙な人間ということになるからだ。
「カルシナは自身の死から蘇ったって話だよな。もしその奇跡があれば、百年くらいは生きれるんじゃないか?」
ジンの言葉にガウが大いに頷く。
「俺も同じように考えていた。元カルシナ教徒を始末したカルシナ。次にこの国へ混乱を呼び込もうと裏社会に接触する。長い年月が掛かるだろうが、カルシナは死から逃れることができる。計画はどれだけ時間が掛かっても良い」
「そして遂に国を揺るがす奇跡を起こした……ってか? 巨大ドラゴンに動く森と、個人が起こせる規模じゃあ無いと思うんだがな」
奇跡に関わる事件は、カルシナの復讐劇である。ガウはそういう結論をとりあえず出したのだろう。本人自身、半信半疑のままであるが。
「まったくだ。だからここで俺の話は終わる。お前に提供できる情報ってのは、百年近く続く老人の噂の詳しい内容ってところだな。どうだ? これで取引成立って事で」
「………わかった。それで手を打とう。最初はあんたらの人脈を使ってその老人を探して欲しかったんだが」
「そりゃあ無理な話さ。噂に聞く老人が本物なら、様々な組織がどんな手を使っても、その身元すら解明できなかったんだからな」
その言葉を話すガウの顔は、やはり笑っていなかった。自分達の手に負えぬ相手かもしれない。ガウは老人の事をそう考えているらしかった。
ガウへの依頼達成報告が終わった後は、当然、全体報告をフライ室長にしなければならない。ガウのところへ寄らなかったカナが、既に下水道でのことを室長に伝えているだろうが、今度はジンがガウとの話し合いで得た情報を渡す必要があった。だからジンはガウの白い屋敷の寄った後、真っ先に魔奇対の執務室に向うこととなる。
そうして話す内容の中には、自分がこれからどう動くかと言う物も含まれていた。
「違法すれすれの調査をするから、自分の判断で動きたい? ふむ。良いんじゃないか? 実に丁度良いタイムミングで決意してくれた」
「は? いや、はい」
下水道での決意について室長に伝えたジンだが、きっと止められるだろうと思っていたため、その返答に拍子抜けする。魔奇対に迷惑を掛けぬつもりではあるが、それでも最悪、組織に害が及ぶ可能性がある話なのだが。
「こちらは特事のトップと話をする機会があってな。中々に切れ者と言う印象を受けたよ。そうして現状、我々は特事には一歩先んじられている状況だ。それを挽回するには、危険な賭けとて必要になるかもしれん」
つまりフライ室長もジンと似た様な結論に至った様だ。意地のためなら危険だって冒してやるという結論に。彼の場合はそこに組織の発展という目的も加わるのだろう。
「うっし。これで一応は許可を得たって形になりますね。まあ、表向きには俺が勝手に動いたってことで宜しくお願いしますよ」
「それは勿論だが、その前に私から幾つか忠告をさせてくれ」
「なんです?」
ジンを止めるつもりも無いのだろうが、それでも言っておきたい話なのだろうか。
「大方、ブッグパレス山を秘密裡に調べるつもりなんだろうが、それは止めておけ」
「はあ? 言ってる意味がわかんねえな。危険を冒してでも調べるってなら、真っ先にそこへ向かうべきでしょうに」
ジンの行動は止めないのに、肝心のブッグパレス山に向かうなとは理屈の合わない話である。そこへ向かう事が危険だからこそ、ジンは独自で動くと申し出たのだ。
「別に調べる必要が無いんじゃあ無いぞ? そこを調べなければ話が始まらぬというは理解している。だがな、いちいち危険を冒さなくても、調査の許可が下りる算段がついたんだ」
フライ室長の言葉で、先ほどまでの意気込みが無くなるのをジンは感じた。
「本当ですか? いや、それを早く言ってくださいよ。そういう話なら、わざわざ俺が勝手に動かなくても………」
自分の決意より先に室長が動いてくれていた。そうであれば、まっとうに調査を続ければ良いではないか。ここが仕事場で無ければ、胸を撫で下ろし、安心の溜め息を吐いていたことだろう。
「おいおい、待ちたまえ。さっき言ったじゃあないか。危険を冒してでも調査をする意地があるとな。言って置くが、その言葉を翻させるつもりは無いぞ。お前には言ったなりの仕事をして貰う」
「いや……でも…ちょっとそれは」
一度決意したこととは言え、途中で出鼻を挫かれたとあってはその気も無くなってくる。だと言うのにまだ有言を実行しろと室長は命令して来た。
「黙れ。私からの命令はこうだ。下水道の奥にある大空洞を調べろ。現在は国防騎士団の監視下にあるのだろうが、おかげでこっちの調査許可がなかなか下りないという状況になっている。そこでお前がお前自身の裁量で動き、どうにかしろ」
「どうにかしろって、そんな無茶な」
「その無茶をそもそもするつもりだったのだろう? それに大空洞の件に関しては、君も無関係ではあるまい」
「そりゃあ俺が発見報告をしたんですから無関係じゃあありませんけどね」
「そうじゃあない」
フライ室長はジンを指差して良く考えてみろと話す。
「お前やマートン君の報告を聞いていると、その大空洞で一つ不思議な事が起こっている事に気が付く。わかるか?」
「不思議なことなら一つどころか山ほどありましたよ。あの大空洞そのものがそうですし、ジャイブが奇跡を起こす道具を持っていたのも謎だ。それが元々大空洞にあった物なら尚更で………」
「それらは奇跡で片づけられる物かもしれないが、それとは違って、明確にお前の身に不思議な事が起こって居るだろう? 良く思い出せ、さっきお前はこう報告したな。ジャイブに黒い杖を向けられた時、気付かぬ内に鎧姿になっていたと」
「ああ。それか」
幾つかあった不思議な事の内、どうでも良いと思っていた事だ。黒い杖を本能的に危険だと感じ取った自分が、咄嗟に鎧姿になったのだろうと思っていた。
「聞く限りでは、お前の奇跡は黒い杖に反応した様に思える。もし黒い杖が大空洞にあった物なのだとしたら、お前自身の奇跡も大空洞と無関係では無いと言えないかね?」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ。俺がどういう形で鎧の奇跡を手に入れたかって話は前にしたことがあるでしょう? 空から降って来た流れ星にぶつかって、どうしてだかこの能力が身に付いていたんだ。地下の大空洞とは何の関係も無い」
ジンの奇跡に原因があるとすれば、その空から降って来た流れ星であって、地下深くにある空洞とは無関係に思えるのだが。
「奇跡の原因に関して理由付けをできる程、お前は奇跡について良く知っているのか? 勿論、私も良く知らない。ただ言えるのは、お前の奇跡は大空洞を調べる上で何か役に立ちそうだと言う事なのだよ」
つまりは奇跡発見用のカナリヤみたいな物だろうか。別に死にたくは無いのだが。
「大空洞は結構な発見でしたから、今は国防騎士団が大勢派遣されてますよ。その目を潜って何を調べろと?」
「さてな。大空洞にはいったい何があるか。まずはそれを調べなければならないかもしれん。ただし、大空洞へ向かう事については、我々も国側の人間だ。やり様なら幾らでもあるんじゃあないかね? こっちに関しては、調査の許可は下りていないが、それと同時に国側から正式に調査をするなとのお達しは来ていないのだから」
つまり調査禁止の報告が来る前にジンが勝手に動き、どうにかしろと言うことだろうか。大空洞の何を調査しろとも決まっていないため、ほぼすべてがジンの裁量に任された形になる。
「まいったなあ。そういうのは不得手なんですが」
「元々勝手に動くと言い出したのはそっちだ。出した言葉を引っ込める様な真似は格好悪いぞ?」
そう言われては返す言葉も無い。それにまあ、特事への意趣返しが終わっていない以上、彼らを出し抜く調査をどこかでする必要はあるのだ。
「あと、大空洞の調査についてだが、ガウ・ウェンリーの話を聞くと、ある仮説が浮かび上がってくる。根拠など無いが、存外答えに近いだろうと思える仮説がな」
「なんです? それは」
フライ室長はジンが気付かぬ事に良く気が付く人物だ。だからこそ、魔奇対で室長という立場に立っている。
「大空洞がカルシナ教の秘密通路だったとして、本当に町を脱出するためだけの物だったのかと私は疑問に思っている」
「確かにそうですね。脱出通路なら西区の下水道からそのまま西区の外に向かえば良いってのに、何故かあの大空洞を通ってハイジャングの東に出るわけだから、かなり非効率的な逃げ道だ」
となると、カルシナ教徒があの通路に求めていたのは脱出通路としての役割では無かったのかもしれない。
「いや、町の外から入る事ができるのだから、脱出通路としての意味合いもあったのだろう。しかし、通路の真の目的は大空洞にあると私は考えているのだよ」
「道はあの大空洞に向けられて作られてますからね。そりゃあそうでしょうよ」
では大空洞でいったい何を求めていたのか。まさか大空洞そのものではあるまい。
「そういえば特事のティラ・フィスカルトが言ってたっけか。あの大空洞には何かが元々存在していて、今はそれがないとか」
それこそがカルシナ教徒が求めていた物なのかもしれない。
「いったいなんなんでしょうね。それ」
「カルシナ教徒が求める物と言ったら一つしかあるまい。神だよ。あの大空洞にはカルシナ教徒にとっての神が居たのだ」
その神について調べれば良いんじゃあないか? フライ室長はそうジンに助言した。