1/1
ばいばい
「巡り合えてよかった」
わたしを抱き寄せ、加減もせず抱きしめる。
泣いているのがわかる。
ありがとう、聞こえないぐらいの声であなたは呟く。
一言だけで通じるあなたの気持ち。でも、もうだめなんだ。
わたしは、覚悟していた別れを告げた。
「ばいばい」
あの日わたしは新しく買ったばかりの靴をはいて家を出た。
もう半袖をおろしてもいい時期なのかなとか
のんきなことかんがえてた。
向日葵とかみたかったなっておもったりもしてた。
向かった先は廃墟のビル。