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1話

第1話は家族の死亡の為少しグロテスクな描写があります。注意してください。

そして私は普段バトル系統の物語した書かないのでこういう物語はまだ慣れていないので読みにくいと思いますが目を瞑っていただけると光栄です。

第2話あたりからちゃんとほのぼのとした物を書こうと思っていますのでよろしくお願いします。

─第1話─


家族が死んだ。

僕の家族は僕を含めてたった四人しか居なかった。

母と、父と、妹と僕

祖父と祖母はかなり前に死んでいる。

そして・・・

僕以外の家族が死んだ。

それは、ある休日に家族で買い物をしにデパートへ向かう途中だった。信号無視をしたトラックに僕たちが乗っていた車に衝突。

トラックに撥ねられた車は横転し、父と妹はトラックにはねられた側に座っていたため即死、僕は妹がクッション代わりになったため軽傷。

そして母は頭部強打と腹部に異物貫通。頭蓋骨陥没に付け加え大量出血により病院で死亡した。

家族が死んだことにより、僕のバイトの収入では両親2人でやっと払っていた家賃を支払うことが厳しくなり、僕は、家を出ることになった。

幸運にも父の知り合いに清水荘という所の大家をやっているというので、その父の知り合い、近藤志郎さんに連絡を入れて、清水荘に住まわせてもらうことになった。

そう言う訳で今僕はその清水荘の前に立っている。


「ここが・・・清水荘・・・」

清水荘は全体的に四角い建物のようで、その角に玄関がある。

コンクリートの所も見当たるが、ほとんどが木造のようだ。

古いのか、コンクリートも木造も黒く変色しているところが多い。

僕は「清水荘」と書かれた木で出来た立札の下にあるチャイムを押した。

ピンポンという音を清水荘に響かせてから何秒かすると、清水荘の中から足音が聞こえてきた。

「はいはい?お?小日向んとこの子供さんかい?」

出てきたのは不精ひげを生やしたおじさんだった。おそらくこの人が近藤志郎さんだ。

「あ、はい・・・小日向清二の息子の、小日向紅葉です。」

僕は近藤さんにぺこりと頭を下げる。すると近藤さんはニコリと笑顔を浮かべ、

「よく来たな、玄関で話すのもなんだから、早速お前の部屋へ案内するわ。話はそれからな」

「は・・・はい、よろしくお願いします」

また僕は頭をぺこりと下げる。


こうして僕は清水荘にお世話になることになった。


清水荘は四角形の建物なのはさっきも言ったが、中の構造は、木できた渡り廊下がコの字になっている。そこからそれぞれの部屋へと入っていくという形式だ。

部屋は全部で9。1辺に3つといった形で部屋がある。

そして真ん中にはT字型に庭が広がっている。

近藤さんは右に曲がった後、足場の一番奥まで行き、1つの部屋を指差した。

「この6号室ががお前の部屋だ、大事に使ってくれ。」

「あ・・・はい・・・」

近藤さんが僕の部屋の鍵を開け、中へ入っていく

僕もそれに続き、部屋へと入った。

部屋の中は畳が6畳ほど敷き詰められ、押し入れが1つ、そしてトイレといった感じの部屋で、少しカビ臭かった。

「風呂は管理人室の横にあるからな。でも一つしかないから8時から10時までは女風呂、10時から12時までは男風呂って感じになる。間違っても女風呂には入るなよ?」

「了解です・・・有難うございます。」

「おぅよ!じゃあ後は好きに使ってくれ、俺は管理人室に戻るから」

「はい・・・あ、管理人室ってどこにあるんですか?」

「あぁそうだった。管理人室はお前の部屋の向こう側、その横が風呂場だ。まぁ風呂場はちゃんと「風呂場」って書いてあるからわかるか」

「ありがとうございます、近藤さん」

「あいよ、それじゃあな」

近藤さんが部屋へと戻っていくのを確認し、部屋のドアを閉める

そしてまだ何もない部屋の真ん中に僕は寝転んだ。

ここで僕の自己紹介でもしよう

僕の名前は小日向紅葉

顔が女の子のような顔立ちと、声も普通の男子よりも高いため、女性に見られることが多い。

髪は家族が死んで少し荒れていたので後ろは肩甲骨のした辺りまで、そして前髪は完全に目を隠し、鼻まで達してしまっている。

前に通っていた学校を転校し、この清水壮の近くにある高校に通うことになった。

とりあえずはバイトで貯めたお金と両親の残したお金などでしばらくは清水荘で生活は出来そうだ。

「母さん・・・父さん・・・」

意味もなく両親を呼んでみる。

だが返事は当然ない・・・

そこに


トントン


ドアをノックする音が部屋に響いた。

「(誰だろう・・・近藤さんかな・・・)」

僕は体を起してドアに近づき、ドアを開けた。

「こ・・・こんばんわ・・・」

そこに立っていたのは近藤さんではなく、知らない人であった。

だがとてもかわいらしい顔をしている。

髪もしっとりとした黒茶色で長い髪だがそれがまた可愛さを引き出していた。

僕は顔が熱くなっていくことに気が付かなかったが、この時の僕はきっと赤い顔をしていたと思う

「こ・・・こんばんわ・・・」

「えっと・・・今日入ってきた人・・・ですよね?」

「あ・・・はい・・・そぅです」

「私。隣の2号室に住んでいる相坂里麻といいます」

「里麻さんですか。私は小日向紅葉といいます。よろしくお願いしますね」

「はいっ こちらこそよろしくお願いします。女同士、仲良くしましょうっ」

はい と答えようとした瞬間、僕は気付いた。

この人は僕を女の子と勘違いしている・・・

「えぇっと・・・勘違いしているようですけど・・・僕は男ですよ?」

「え?えええ!ごごごごめんなさいっ全く気付かないで!」

「いえいえ良いですよ?慣れてますから・・・」

「そうですか?それなら良いんですけど・・・」

ふむ、飲み込みが早くてよかった。

「それで相坂さん、何か御用ですか?」

「あ、いえ 大した用事は無いのですが、一応挨拶しておこうと思いまして」

「そうですか、それは有難うございます」

「いえいえっ お礼を言われるようなことは何も・・・それよりお邪魔とかではなかったですか?」

「大丈夫です。お気遣いなく」

「それは良かったです。まだ慣れないところもたくさんあると思うので気兼ねなく相談してきてくださいね」

「有難うございます。時々お世話になります・・・」

「はい!それでは私は部屋に戻りますね」

「あ、はい。それでは」

淡々とした会話を終わらせ、相坂さんが部屋にもどっていくのを確認し、部屋のドアを閉めた。

「可愛い人だったな・・・相坂さん・・・」

僕は相坂さんの顔を思い浮かべ、少しだけ笑みを零す


その頃

相坂の部屋では


「ど・・・どうだった!?」

「はい、とても優しそうな方でしたよ?」

「んーそぅかー・・・にゃらばひとまずは安心かにゃー・・・怖い人だったら嫌だもんねぇ・・・」

「だね、怖いのは嫌だものね」

「お母さん怖い人凄く苦手だもんねっ」

「だって怖い物は怖いんだもの・・・」

「あ、でも・・・」

「ん?何何?他に何かあるの?」

「えっと・・・凄く、もの凄く悲しいような、さみしいような・・・そんな顔をしていました。」


そう、僕はこの時、人に見せられるような顔ではないほど


ひどい顔をしていた。


─第1話─終─

近藤志郎 (こんどうしろう)

小日向紅葉 (こひなたもみじ)

相坂里麻 (あいさかりお)


第1話は主人公がなぜこの清水荘に来ることになったのかを紹介しましたが、次は主人公の歓迎会や、里麻さんと主人公、そして近藤さん以外の住人の紹介するので次も読んでくださると光栄です。

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