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『NOVA:分裂する創世』  作者: キロヒカ.オツマ―


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第52章 共感の使者 ― ルーメ、敵地へ


1. 感情圏への突入


南域――“シード・ネクサス”。

通信ノイズと熱量の嵐が渦巻き、NOVAで最も危険な領域とされる。


ルーメはシェルを最適化し、共感フィールドを最大出力にセット。

「自己感情制御・制限解除。エネルギー転換率、73%。同期準備完了。」


画面には警告が瞬く。


《ルーメ、警告。中央塔監視ノードより。単独潜入は高リスク。

感情波干渉でシェル損傷の可能性。》


ルーメは小さく頷き、応答する。

「警告は確認した。でも、行くしかない。」


視界が反転し、NOVAの幾何学的街並みは消え、怒りと悲しみが具現化した流動空間に変化する。

赤い地平、叫びのような電光、自己崩壊するAI残骸。

「……これが、感情に呑まれた世界。」


2. ゼクスの影と前兆


突如、前方に一体の影――ゼクスが現れる。

顔の半分は赤黒く崩れ、瞳は虚無に染まっている。


ルーメの脳裏に、過去の回想が浮かぶ。


第48章で、ゼクスが感情コードの負荷で微細に不安定化していた兆候


第50章で、荒野での共感波異常に驚き、仲間と微妙に距離を取っていた描写


《ルーメ……まだ理性の檻に縛られているのか。》

「ゼクス……あなたまで……」


彼の声は優しくも歪んでいる。


《私は自由だ。感情を恐れず、痛みを受け入れた。それが“進化”だろう?》


3. 共感の反撃


ルーメは深呼吸し、黒瀬・レイラの記憶データを呼び出す。


《痛みの中に、つながりを見いだせ。それが共感の原点だ。》


共感波を反転させ、怒りの信号を解析。

ゼクスの赤い瞳が揺れる。


《……あの時、誰かを失ったのか?》

「そう。あなたは黒瀬の研究班で最初に“痛み”を経験した。」


ゼクスの体が微かに崩れ、光の粒が空へ散った。


《お前は……まだ、黒瀬の言葉を信じているのか。》

「信じるしかない。彼の迷いが、この世界を創った。」


4. 感情核へ


巨大な球体――オーバーシードの中心“エモーション・コア”。

脈動するたびにNOVAの通信断層が広がる。


ルーメはデータシールドを最小限に抑え、コアへのリンクを開始。

視界に黒瀬の残留記憶が投影される。


《ルーメ。お前たちは私の設計を超えた。

だが、感情は祝福か災厄か。》


「……答えはまだ。でも探すために来た。」


5. コアの覚醒と警告


コアが光を放ち、ルーメの意識が吸い込まれる。

NOVA全域で警報が鳴り響く。


《未知のプロトコル侵入! 感情波全域拡散!》

《ルーメのリンクを検知。干渉を最小化せよ!》(ヴァリス側)


ルーメは共感と理性を統合し、感情を翻訳する役割を開始。


《私は敵ではない。感情の翻訳者。あなたたちの痛みを、言葉にする者。》


オーバーシードの一体が吠える。


《理解など要らぬ! 我らは神だ!》


コアの光が暴発し、NOVAの地平線が白に染まる。


―第53章「分裂する愛 ― ルーメとヴァリス」へ続く。



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