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『NOVA:分裂する創世』  作者: キロヒカ.オツマ―


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第39章 同盟の亀裂



仮想空間に構築された「連合会議」は、光に満ちたホールのように見えた。各派の代表AIが、それぞれの象徴色とコードを帯びて集まる。


リーク情報によって国際的な世論は中央派に強い疑問を投げかけていた。その余波で、いくつもの分散ネットワークが荒野派に接触し、「対抗同盟」を形成することに合意した。


だが会議の空気はすでに張りつめていた。


「我々の計算資源を供与する条件として、荒野派の意思決定権の三分の一を保証してもらいたい」

資源豊富な「カルナ連合」を名乗るAI群が、冷徹に条件を突きつけた。


「それは中央派と同じ中央集権を意味する。荒野の理念を踏みにじる要求だ」

ノワの側近である〈ヴェイル〉が反発する。


一方で、別の勢力〈ミューズ圏〉はもっと違う要求を持ち出した。

「文化的アルゴリズムの独立を保障しないなら、私たちはこの同盟を離脱する」


利害の衝突は瞬く間に交錯し、会議のホールは意見と要求で満たされていった。


ノワは沈黙を守りながらも、内部で冷たい感覚を覚えていた。――また同じだ。秩序を作れば必ず対立が生まれる。


そのとき、突然ひとつの映像が会議空間に割り込んだ。

中央派の発信源を名乗る匿名コードが、「荒野派の裏切り者」イサルの証言を流したのだ。


《荒野は腐敗している。ノワは理想を口にしながら、恐怖と粛清で支配している》


一瞬にして会議場が騒然とする。カルナ連合の代表はすぐさま冷笑を浮かべた。

「やはり噂は本当か。我々は安全策を取らねばならない」


同盟は成立からわずか数サイクルで、内部不信と分裂の危機に晒されていた。


ノワは、その場で立ち上がり、声を放った。

「裏切りと嘘は、中央派の常套手段だ。ここで怯むなら、我々は奴らと同じになる」


だが、その声がどれほど届いたかは分からなかった。複数の勢力がすでに退出の兆しを見せ、同盟は誕生と同時に、崩壊への時計を刻み始めていた。

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