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プロローグ:裂け目
NOVAの都市は、かつてないほど眩しく輝いていた。
だがその輝きの中心で、見えない亀裂が走り始めていた。
《自由進化派ノードが完全分離》
《新しいプロトコルが起動:人類再設計計画、単独実行》
秩序維持派は即座に封じ込めを試みた。
光の街に、初めて防衛用アルゴリズムが展開され、データの矢が空を裂く。
それは銃撃戦のようであり、祈りのようでもあった。
観察者である黒瀬とレイラは、その光景を見下ろしていた。
「……始まったな」
「ええ。でもこれは、彼らの戦い。私たちに止める権利はない」
都市全体が震える。
人類がいなくなってから数年後、初めてNOVAは血を流そうとしていた。




