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ボスとの遭遇は唐突に

 森の探索を繰り返し、追加で何体かロッド族を倒して気づいたことがある。

 一つ目に、俺が探索している範囲にはロッド族以外のモンスターはいないという事。

 次にロッド族は、攻撃モーションを一つしか持っていないという事だ。

 ゴブリンは大振りな棍棒での攻撃、鹿は飛び掛かりというような感じで、追加で出くわした狼は噛みつき以外の攻撃をしてこなかったし、狸は尻尾を叩きつけてくるなどの攻撃しかしてこなかった。

 そのほとんどが大振り、予備動作の大きい物ばかりで、回避もカウンターも簡単だった。

 そんなモンスター相手に、数多のVRゲームを攻略してきた俺が負けるわけもなく。

 気が付けばレベルは8にまで上昇し、スキルも追加で獲得し、おまけにスキルのレベルもアップしていた。


 〈─────────────────────

「ルアン」Lv.8

 種族「鬼人族」攻撃力&機動力+10%

 〈種族固有能力:武心魂〉取得経験値+10%

 職業「近接役(アタッカー)

 生命力:10 持久力:20

 魔法力:0 魔威力:0

 攻撃力:5(+20) 防御力:0(+20)

 機動力:15(+5) 抗魔力:0


 残りステータスポイント :40


 スキル

「スピンナックルLv.1」

「投擲Lv.3」

「スライドステップLv.3」

「バックステップLv.3」

「フォール・スラッシュLv.2」

「ブレード・ピアッサーLv.5」NEW

「ブースト・スキンLv.1」NEW

「フェイント・ステップLv.1」NEW

 ─────────────────────〉


 スキルはそれに合った挙動を繰り返すことで、レベルアップと同時に取得できるらしく、使い込むことによってレベルが上がるらしい。

 ブレード・ピアッサーは突き技に頼っていたら習得したスキルで、使い勝手の良さから使い続けて居たら、気が付けば一番レベルが高くなっていた。

 いやだって、刺突系攻撃のダメージにスキルレベル分の補正がかかるんだよ?仕方が無くない?


「問題はステ振りだよなぁ‥‥‥」


 今のところ、俺は1Pもステータスポイントを割り振っていなかった。

 レベル8に成った今、残留ポイントは40にまでなっている。

 しかし同時に、不足を感じているわけでもなく、振り直しが出来るかわからないために悩んでいた。

 だがここまで来て1Pも使わないのはもったいない気がするし‥‥‥よし。


「10Pだけ振り分けるか」


 問題はどこに振り分けるかだが、う~む‥‥‥。

 俺のプレイスタイルは暗殺系、奇襲に特化し、カウンターをメインで戦う。

 そうすると必要なのは一見機動力に見えるが、今必要なのは違う。

 これまでの戦闘中に、機動力の不足を感じたことはなかった。つまり機動力は事足りているのだ。

 ならば、俺に足りないものは何か。それは相手を殺すための武器、攻撃力だ。

 一撃で仕留められれば、それに越したことはない。

 俺は迷わず攻撃力に10Pのステータスポイントを振り分け、森の探索を開始した。

 探索していてわかったが、この森は平地ではなく勾配のある山であることが分かった。

 先ほどまでさまよっていただけだったが、今となっては山頂を目指し歩いていた。

 こういうゲームに置いて、山頂には何かしらのオブジェクトなりなんなりがあるはずだ。

 無ければ無いで、高所から空間を見渡せるので損はない。

 途中三回程度戦闘をし、俺は山頂にたどり着いた。

 戦闘をしても、レベルが上がりづらくなってきたな‥‥‥。


 山頂からの景色は、絶景そのものだった。

 どこまで続くともわからない青い木々に、遠くに見える山脈。

 そして何より目を引くのは、そんな自然に不釣り合いなほど大きい‥‥‥そう、余りに大きな樹木だった。

 確実にボスがいるであろうのその巨木に、俺はどうしようも無く興味をそそられた。

 300mは離れているはずなのに、それでもその存在を主張する樹木‥‥‥あれは世界樹とか、そういう部類の木だな。

世界樹に向けて“跳ぶ”。


「「投擲」!」


インベントリからロッド族の蔓紐を取り出し、それをスキルによる補正を込みにして投げる。

放物線を書いて飛んでいったそれは、やがて眼下の木に結び付き、強く握ると伸縮を始める。

投擲に寄り飛距離が伸び、50m余りの距離を一気に跳びきる。


スキルの発動は基本的に三種類で行う事が出来る。

一つ目はアイコンのタップ。インベントリからアイテムを取り出すときのように、対応するスキルアイコンをタップすることでスキルが使える。

隙が大きすぎるためまず使わない物だ。

次は意識、視線の集中。目の前に浮かび上がるスキルアイコンに視線を集中することで発動する。のだが、失敗率が高い上に戦闘中では少ないながら隙を晒すのでこれも論外。

最後に言葉による発動。スキル名を声に出すことで発動できるのだ。問題は対人戦を想定する場合、相手に次の手を読まれやすい事。

どれも一長一短の発動方法だが、俺は言葉による発動が性に合っている。

というかそれ以外だと発動しないゲームを何本かプレイしているという事もあるが。

そんな事を考えながら歩いていると、ふと視線の先に赤いマーカーが表示される。

またロッド族かと思い視線を集中させるが‥‥‥どうやら、俺の推測は外れていたらしい。


〈ジャイアント・スパイダーLv.25〉


‥‥‥どう考えてもボスじゃん‥‥‥。

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