動きが単調なモンスター攻略は、リズム感が大切
初めての戦闘を終えて、俺のLvは1にアップした。
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「ルアン」Lv.1
種族「鬼人族」攻撃力&機動力+10%
〈種族固有能力:武心魂〉取得経験値+10%
職業「近接役アタッカー」
生命力:10 持久力:20
魔法力:0 魔威力:0
攻撃力:5(+20) 防御力:0(+20)
機動力:15(+5) 抗魔力:0
残りステータスポイント :5
所持金 3000ギル
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10%の経験値取得量上昇も含めて、すでにLv.2目前だ。
そしてレベルが1上がるごとにステータスポイントを5もらえるらしい。
さてそうするとどのステータスに振るべきか。
補正のかかる攻撃力か機動力に振り分けるか。それとも物理ダメージを軽減してくれる防御力や魔法耐性を上げてくれる抗魔力に振るべきか。
悩みどころではあるが‥‥‥まぁ、今はいいか。
ある程度溜まってから振り分けをするとしよう。
そうすると次の議題だ。
レベルアップによって得た恩恵は、ステータスポイントだけではない。
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スキル「スピンナックルLv.1」
スキル「投擲Lv.1」
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レベルが上昇すると同時に、この二つのスキルを得た。
効果は一応、スピンナックルは拳による攻撃にダメージ補正が入り、投擲は物を投げる際、飛距離に補正が入るとのこと。
‥‥‥まぁ、有っても無くても困らない物だな。
強いて言えば投擲が幾分か使えるか?ロッド族の蔓紐と合わせれば移動スキルとして活用できるかもしれない。
こちらも色々と検証する必要がありそうだ。
「まぁ、取りあえず行くか」
一通りの確認を終えた俺は、再び森の中を歩き始めた。
するとやはり現れる赤いマーカー。意識を向けてそれを見ると、ウィンドウが開かれた。
〈ロッド・ディアーLv.6〉
おぉ、まさかのロッド・ゴブリンの上位互換か。
俺の視界の先には、先ほどのロッド・ゴブリンと同じ素材で作られた鹿が居た。
アイテムの説明を見る限りだとロッド族はトレントの亜種のような物らしいが、ゴブリン以外も居るのか‥‥‥。
まぁ所詮はレベルが高いだけのロッド族だ、なんとかなるだろう。ならなければ‥‥‥その時は逃げればいい。
取り合えず先制攻撃といこう。
インベントリから屑鉄の双剣を取り出し、ディアーに向って走る。
飛び上がり様、落下も利用してディアーの腹部に両方の剣を突き立てた。
空気を吐き出す様な声を上げて暴れるディアーに振り落とされ、俺は距離を取る。
「さぁ、流石に一撃じゃ死なないよなぁ‥‥‥」
俺が剣を突き立てた部分は赤く‥‥‥血が滲んでいるわけではなく、システム的なテクスチャが変わって、機械的な赤に輝いている。
ディアーは俺に向って飛び掛かってくる。
大振りなモーションの分、回避は簡単だった。
しかし、そう言ったものは確実に大ダメージを与えてくると相場が決まっている。
Lv.1の、さらに攻撃に特化したステ振りをしている俺が喰らえば、間違いなく殺されるだろう。
攻撃は極力回避だな。
そんな事を考えながら構えを取っていると、ディアーは再び飛び掛かりのモーションを行ってくる。
俺はその攻撃を紙一重で回避し、落ちて来るディアーの腹部に逆手に持った左の剣を突きつける。
ガリガリと音を立てて、ディアーの腹部には赤い輝きの線が刻まれた。
段ボールを引き裂いた時のような感触が手に伝わり、ディアーに確かなダメージを与えられた。
だが、それでもディアーは倒れない。
「さて、泥仕合確定か?」
一応、結構いいダメージを入れていると思うのだが‥‥‥動きが衰える気配が全くしない。
まぁ泥仕合も覚悟の上だ。再び跳躍から落下して来るディアーを回避し、先ほどと同じ要領で腹部を切り裂く。
と言うかもしかしてこの鹿、跳躍攻撃しかしてこないのか?
間近で、それこそ頭部に生えている立派な角(角の役割をしている木の枝)で突いた方が早い距離感だったのに、わざわざ距離を離して跳躍してくるなんて‥‥‥。仮説の通りならば、単なるリズムゲーに早変わりだ。
俺はそのまま5回ほど同じ動きを繰り返して、ディアーを討伐した。
「ふぅぅ~、意外とどうにかなったな」
レベル差5程度であれば、相手の動きが単調なのもあったが、案外どうにかなるものだ。
この戦闘でレベルも一気に4に上がった。
さらに新スキルも習得できた。
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スキル「スライドステップLv.1」
スキル「バックステップLv.1」
スキル「フォール・スラッシュLv.1」
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ステップ、移動系のスキルが二つと、フォール・スラッシュなる攻撃スキルを獲得した。
フォール・スラッシュは落ちて来る敵に対して攻撃するとダメージが増加するスキルらしいが‥‥‥もっと別の名前ではダメなのだろうか。
そんな事を考えながら、俺は再び森の探索を進めるのだった。
タイトル決めって何ですか
毎回それに一番時間かかるんですけど
どうしてくれましょう
マジで