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答え③ 現実は非情である

 双子がもう少しで幼稚園に入る年齢になった頃、私は3人目を妊娠した。双子育児が辛すぎて絶対に無理だと思っていたが、周囲の出産ラッシュで赤ちゃんを何度も見るうちに夢が広がってしまったのだ。赤ちゃん一人だけを抱っこして寝かしつける…そんな幸せを味わってみたくなったのだ。


 育児しながらの妊娠は想像以上にきつかったが、双子は話せばわかるくらいの年齢になっていたので何とか妊娠初期を乗り越えられた。双子と一緒に健診に行き、エコーを見て「お母さんのお腹に赤ちゃんがいるんだよ」と話し双子もなんとなく理解して私の体調を気遣うようにもなっていた。


 産婦人科の先生に「双子じゃあないですよね!?」と何度も確認したが一人だけだと分かって胸を撫で下ろした。憧れの赤ちゃん一人だけを抱っこして寝かしつけるのか出来る!とよく分からない理由でわくわくしていた。胎動も微かに感じられるようになった頃、私の身体に異変が起きた。謎の出血だ。産婦人科へ行ったが理由が分からず、出血も止まらない。自宅で絶対安静だと言われた。


 安静にしても出血は止まらず、いつもの産婦人科からここでは対応できない状況だと説明された。胎内の羊水が枯渇してしまったのだ。緊急で大きい病院へ行くよう手配される。仕事中の夫に説明し早退してもらって離れた場所にある大きい病院へ向かう。まだ諦めるな。何とかなる方法があるかもしれない。しかし「 現実は非情である」そう上手くはいかない。


 病院での診察でも羊水が無くなってしまっていることに変わりはなく、そのまま緊急入院。手の打ちようがない状態なんだと嫌でも理解できる。双子に赤ちゃんがいることを伝えてしまった事を後悔した。あんなに楽しみにしていたのに、赤ちゃんに会うことはおそらく叶わない。


 入院しながらなんとか方法はないかと調べたがどうしたらいいのいか分からない。羊水を注入するなど方法がなくはないがそれは可能なのか?先生と何度も子どもを助ける方法を話し合った。そのうちに血液検査の数値が悪い言われた。お腹の子を諦めなければ私の命が危ないというのだ。

 これが初めの子どもだったら結論は違ったのかもしれないが、私には双子がいる。私が死ぬわけにはいかない。私はお腹をさすりながらお腹の子にかける言葉を探したが何も言えなかった。

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