あなた…『覚悟して来てる人』…ですよね
小学生以来、同世代がすっかり苦手になってしまった私は、大人になってからもやはり苦手だった。付き合う男性に対しても少しでも落ちついていて頼れる人を探す傾向にあった。しかし、10歳以上も上なら頼れる人だろうという考えだったが、私が出会ったのは歳だけ食った大人でだめんずばかりだった。しかし、同級生と再会して話していくうちに実年齢はあまり関係ないんだと知った。若くてもしっかりしてる人もちゃんといて、年齢だけで判断しようというのは間違っていたのだと分かった。
だめんずに引っ掛かり続けたことで私は自分の男性を見る目に自信が持てなくなっていた。なので私は何年も通っていたスナックのママさんに会わせてみることにした。そのスナックは両親に連れて行ってもらった事がきっかけで、私一人でもよく通っていた。だいぶご高齢のママさんだが沢山のお客さんを何十年と見てきただけあって人を見る目は確かだ。男を見る目が無さすぎる私に、ママさんが「判断してあげよう」とよく話していた。それじゃあお言葉に甘えて、とママさんにジャッジを委ねた。
そのママさんはうちの店の親戚借金事件で闇金業者から家族を守るためどんどん強気になっていく私に「貴方は強いんじゃなくて優しいのよ」と優しく微笑んで言ってくれた人だ。当時私に「強い人」という人は多かったが「優しい人」だと言ってくれる人は殆どいなかったし、そう見せるつもりも無かった。だからママさんに言われたときは驚いたが嬉しかった。この人なら色々見抜いてくれそうだと思った。
同級生を連れて店に行くとママさんは直ぐに私の意図を読んだようだった。「あなた…『覚悟して来てる人』…ですよね」いや違う。同級生はそんな事されてるとは夢にも思っていない。私はママさんと同級生が話をする様子を観察した。ママさんの目に彼はどう映るのだろう?何だろう実家に彼氏を連れて行った時のような緊張感だ。ママさんにこっそり呼ばれ話を聞くと「彼、貴方のこととっても大切にしてる。愛されてるわね。彼ならきっと大丈夫よ」と言ってふふふと笑った。
スナックのママに太鼓判押されてその気になった訳ではないが、少しだけ自信が持てた。この人は一緒にいても大丈夫な人かもしれない。




