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ゥンまああ〜いっ

 出会い的何かを求めた飲み会でうっかり高校の同級生と運命的な再会を果たしたことにより、周囲に運命だと騒ぎ立てられ結局誰とも連絡先交換に至らず、その飲み会は終わる。同世代がすっかり苦手になっていた私は数々のだめんず達も10歳以上年上ばかりだった為、今更同級生は恋愛対象にならなかったので特に再開した同級生とも連絡先を交換するつもりも無かったのだ。


 しかし後日、幹事から連絡がきた。同級生が私と連絡を取りたがっているとの事。恋愛対象じゃないとはいえ高校時代の話ができる相手は貴重だし、元々気が合っていた友だちだ。まぁいいかと連絡を取り合うことになる。当時の私は自分の給料が入ることが嬉しすぎてよく飲みに行っていた。お互いの仕事の後に飲みに行くのも悪くないと思ったのだ。


 実際、穏やかで聞き上手なその友だちと一緒に飲む酒は「ゥンまああ〜いっ」と心底思うほど美味しかった。高校時代の話をしたり、仕事の話をしたり。いつも話は尽きず時々飲みに行くようになっていた。


 実はその頃、私の実家では大問題が発生していた。親戚が起こした借金のトラブルに巻き込まれていたのだ。親戚は方々から金を借り、勝手に連絡先を私の実家に設定していたのだ。うちの実家は小さいながらも古い商店だった。古いというのはそれなりに歴史があるということ。お金を借りるときに個人名だけよりも会社名が入っていた方が借りやすいものなのか。当時は実家の仕事を継ぐつもりで一緒に働いていたため、取り立てに来る色々な人たちとのやり取りもせざるを得なかった。全く以て納得いかないのだが、借りてもいない金を返せと店先で喚かれるのだ。


 その親戚は過去に店の経営者になっていた時期があった。その際店の名前で多額の借金を銀行でしており、それは正式に借金している物だ。その返済は反故にできない。店の信用に関わるからだ。多額すぎるその借入金は粗利を著しく奪っていた。そしてまだ返済している最中だったのだ。そんなこと関係ないとばかりに親戚は何かにつけて店の名前で借金をした。その頃には店の経営に関わっていなかった為、正規の借金ではない。だから店での返済の必要はないのだが、借りた先がろくでもなかった。個人に借りるだけでなく、質の悪い闇金にまで手を出したのだ。


 店というのは電話がかかってきたら必ず出る。それを闇金業者も分かっているのだろう。電話で取り立ての連絡をしてきた。恫喝や嫌がらせも多数あった。呼んでもいないタクシーが何台も店先に来たり、頼んでもいないピザが大量に届けられたり。社員が外回りで出払っている時は内勤の者が一人になる。何かあってはいけないと警備会社を依頼したりもした。


 私は親戚を心底憎んだ。小学校や中学校でされた嫌がらせとは全く種類の違う攻撃を受け毎日怖くてたまらなかったが、怯えている母を見ていたら「私がしっかりしないといけない。家族を守ってやらないといけない」と私の中の正義感が闘志を燃やした。今までの庇護欲や正義感とは違う、本当に大事なものを守りたいという感情だと感じていた。

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