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あたしがいなくなったらさびしいって泣くかしら?

 私の高校には伝統があった。

 それは先輩たちの学校指定のジャージを卒業するときに後輩に託して卒業するというものだ。私が過去に先輩から貰ったジャージの中には「これ誰だよ」というほど過去に卒業していった先輩の物もある。しかも勝手に少し改造したジャージもある。それも中々味があって面白い。


 先輩のジャージを貰うということは過去に卒業していった先輩たちの分も受け継ぐこと。それは特別なご褒美みたいに感じていた。卒業式前日、私は仲が良かった後輩を呼んだ。私が今まで先輩たちに貰ったジャージを後輩に託す為だ。


 頑張り屋さんで優しいその後輩はこんな私を慕ってくれていた。可愛い妹ができたみたいでそれがとても嬉しかった。だからジャージを託すならこの子しかいないと思ったのだ。「あたしがいなくなったらさびしいって泣くかしら?」と聞くまでもなく声を震わせて「いままでありがとうございました」と泣きながらジャージを受け取ってくれる後輩。頭をなでなでしながら私もいっぱしの先輩みたいになったなぁ。と思った。慕って頼ってくれる後輩がいるからこそ先輩になれるんだなぁ。



 卒業式が終わった後、卒業アルバムの最後のページに寄せ書きができるページがある。中学校のアルバムは真っ白だったが高校ではたくさん書いて貰えた。というか自分から書いて書いてと言って回った。

 学校からかなり離れた地元の私は卒業したら友だちに会えなくなる可能性が高い。だから最後にちゃんと形にして残しておきたかったのだ。



 入学式の日、大雪だし遅刻するし山の中だし散々なスタートを切った高校生活。

 ずっと順風満帆だった訳ではなかったけど最後は感謝して終われるいい3年間だった。

 最後学校の敷地を出るときにふと周囲を見回す。本当に山の中だなぁと思いながら学校を後にした。

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