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そこにシビれる!あこがれるぅ!

 ヒエラルキートップグループの中でも順位はあった。

 トップの女子は指示は出している様子だが自分では何も言わずニヤニヤと眺めている。トップに君臨した女子の部下的な生徒たちが主に行動を起こしていた。


 いつものようにクラスの生徒に馬鹿にされる担任。しかしその日は私の行動がいつも通りではなかった。部下的男子が「字が汚い」と使い古されたセリフを笑いながら言ったとき、私の中の正義感が人生最大の要らない仕事をした。

 「他の先生にも言われてるのに、生徒たちまでそんなに言ったら担任がかわいそうじゃん!」


 思わず席を立ちあがり罵る生徒を注意してしまったのだ。

 そして友だちが私を呼ぶ声で我に返った。「しまった。他の先生に言われていることまで話したら担任が傷つくかもしれない」と思った。

 冷静に今振り返れば、我に返って思うことは「そこは担任の心配ではなく、担任をかばう言動をクラスの中できっちり声に出して言ってしまった事への後悔なのでは?」なのだが、当時の私は正義感に燃える小学生。今後起こることになどに考えは及ばない。


 勿論、かわいそうな担任をみんなの前で庇ったことで「そこにシビれる!あこがれるぅ!」と褒めて貰える雰囲気など一切ない。そこにあるのはトップの女子の意向に真っ向から対立した馬鹿な転校生に対する侮蔑の視線だ。


 しかし私は「言ってやった」という達成感も少なからずあったので侮蔑の視線にも気づかずその日以降も普通に過ごしていた。トップグループの生徒たちが虎視眈々と何かの準備を進めていたことにも気が付かず安穏といていたのだ。


 そしてその日以降少しずつ私の日常は変化を帯びていった。

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