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マヌケは見つかったようだな

 高校時代を思い返してみるとやたら恋愛に憧れを抱いていたような気がする。中学までの灰色生活を考えるとかなり普通の高校生のような感じがするが、私の恋愛への憧れは偏に「私だけの味方」を求めていたことによるものだと思う。


 別に彼氏彼女じゃあなくてもよかったのかもしれないが、おそらく小学校の時、友だちが急に態度を変えて自分に攻撃してきたことが脳裏に焼き付いていたんだと思う。普段仲良くしているのに、裏では陰口を言っている様子も高校に入るまでに何度も見てきた為、女性の友だちがどこか怖かったのかもしれない。だから学校でこの生徒と仲良くなりたいと思っても「実は嫌われているのかも」と裏を読むような態度を止められなかった。


「私だけの味方」という存在を同性の友だちに見つけたかったが、周囲の友だちには常に私より仲のいい友だちがいるような気がして友だちの進化系の「親友」なんて存在を作ることは自分には無理なんじゃあないかとどこか諦めていたのかもしれない。また急に嫌われるのかもと不安に感じて友だちから一歩進んだ特別な友だちを作ることが怖かったんだと思う。


 だから彼氏彼女という存在を求めたのかもしれない。少女漫画は好きだったし、どこか夢を見ていた。恋人なら急に手のひらを反すようなことはされないと勝手に確信していた。というか恋愛なんてほとんど経験なかったので漫画の世界だけが私の知識の源だったからそう思ったのかもしれない。なんというお子様。なんというマヌケ。「ここにマヌケは見つかったようだな」と過去の自分を指さして笑いたい。



 人に認められたい。人に好かれたい。そんな欲求はあるのに特に秀でたものが自分にあるとは思えなかった。それでも何か頑張らなきゃいけないと思っていた。だから学校や寮生活の行事に携わる委員会にも入った。頑張ってると自分で思える何かが欲しかった。


 委員会の仕事は思ったよりも忙しかったが、夜の食堂で集まって計画したり準備したりしていることで「頑張ってる」と実感できた。普段完璧に見えている生徒も、忙しすぎてイライラしたり八つ当たりしたりするのをみて「完璧な人なんていないだな」とホッとしたりもした。とてもかっこよく見えている友だちにもちゃんと人間らしいところがあって、それでも頑張ってるんだと思うと無条件に羨むような気持がすこし和らいだ。努力してかっこいいのなら嫉妬に似た感情を持つのは失礼な気もした。



 自分たちで計画した行事が進み、楽しんでいる他の生徒を見るのは嬉しかった。人より秀でてるわけではなかったが、少しだけ自分を褒めてもいいかと思える瞬間を少しずつ経験できた。

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