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素数を数えて落ち着くんだ

 学校に行きにくいのは小学校でも中学校でも同じだったが、小学校と中学校では大きく違う点があった。

 それは出席日数とテストだ。卒業と同時に受験・進学が控えている中学校という場所は、先のことを見据えて動かなくちゃあいけなかった。


 勉強熱心な中学校の先生たちは「テストだけでも受けて」と言い続けた。

 学校に行かなくても家で勉強する時間がありそうなものだが、家に居たからと言って勉強ができるわけではない。言い訳にしか聞こえないが勉強するだけの余裕がなかった。授業にも出ていないのにテストなんて受けたって点数なんてとれるわけがないじゃあないか。と先生に声を大にして言いたかった。言いたかったが「テストだけでも受けて」の圧が強すぎてテストは受けた。

 真面目にテストを受けても空白ばかりの答案用紙。恥ずかしくて情けないことを実感させられるだけのテスト。謎に逆切れした私はテストを白紙で出したこともあった。微かな自尊心を保とうと「書けなかったんじゃあない!書かなかったんだ!」ということにしたかったのかもしれない。


 素数を数えて落ち着き思い返すと、先生に反抗するも、学校行かないのもそんなに未来に影響しなかったが勉強だけは影響した。どうやって勉強したらいいかも分からなかったが、それでも人生諦めて自分を粗末に扱って勉強しない理由にしてはいけなかった。先生の為じゃあない。自分の将来のために勉強だけはしておくべきだった。今は色々なフリースクールがあって学校には行けないが勉強はできる、といった環境が増えてきているらしい。あの頃にもそんな場所があったらなぁ。勉強してたかなぁ。


 時々登校して行事には一応参加する。そんな生活は中学2年生くらいまで続いた。

 学校側も気を使って仲のいい友だちを同じクラスに配置するなどの処置をしてくれていたが、それでも学校に行きやすくはならなかった。シャレにならないほど勉強ができなかったので、時々あるミニテストも苦痛だった。隣の席の人と答案用紙を交換して丸付けしあうとんでも羞恥プレイ。


 隣の席の生徒は仲がいい生徒で学校側が気を使って同じクラスにしてくれた生徒だ。頭がよくていつもほぼ満点。一方私はほぼ空欄。交換して丸付けすることが恥ずかしくてたまらなかった。恥を上塗りするだけの時間に思えた。仲がいいからこそ恥ずかしかった。


 だから3年生になる時思い切って学校側に話した。

 今までのように仲のいい生徒を同じクラスにしないで下さいと。

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