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第6話〜王都での家探し〜

翌日俺はギルド近くに転移し、ギルドに向かった。


 「おはよう。エリカ」


 「おはよう、ローウェン君。待ってたわよ」


 「それで昨日の話はどうなった?」


 「お望み通り良い不動産屋を見つけれたから案内するわね」


 「ああ。頼むよ」


 俺はエリカに付いていき、エリカ推薦の不動産屋に向かった。


 不動産屋に着き、中に入ると中年のイケメンおじさんが出迎えてくれた。


 「クリスタさんお久しぶりです。お元気そうで安心しました」


 「久しぶりだね。エリカさんこそお元気そうで安心したよ。今日は確か新しい子を紹介してくれるんだよね?」


 「はい。私の隣にいるのが今回クリスタさんに紹介したいローウェン君です。彼は当ギルド期待の新星で、ギルドマスターからいきなりDランクスタートを言われた逸材です」


 俺はエリカより一歩前へ出ると挨拶をした。


 「初めましてクリスタ殿。只今ご紹介に預かりましたローウェンと申します。今後お見知りおき下さいませ」


 「初めまして、私はクリスタです。ここの商会の商会長をしてます」


 出迎えてくれたのが商会長だったと知った俺は、驚きが顔に出ていたのかクリスタさんは笑みを浮かべていた。


 「商会長自ら受付に立っている事に驚いているようだね。私自らの目で見て売りたい人を見ているのですよ。変な輩にうちの大事な商品達を渡すわけにいきませんからね。それにしても冒険者登録していきなりDランクスタートとはね。これは将来大物になる予感がするね」


 「ありがとうございます。ご期待に沿えるようこれからも邁進していきたいと思います」


 「うんうん。楽しみにしているよ。それで今日はローウェン君の物件を見にきたんだよね?」


 「はい。とある事情がありまして家から出ないといけないのですが、王都に身を置くとなると賃貸よりも家を買った方が良いのかなと思ってエリカに聞いたらここを紹介してくれたんです」


 「なるほどね。予算は大体どのくらいなのかな?それによって物件が大きく変わってくるからね」


 「そうですね。大体金貨50枚〜60枚程度ですかね」


 「そのくらいあれば王都にちょっとした城が建つと思うよ。内装はどんな感じにするかい?」


 「部屋はパーティーメンバーにも一緒に住んでもらいたいので多い方が良いですね。そしてお風呂は絶対に欲しいです。後、みんなで食事が出来るように大きなダイニングも欲しいです。それと俺は料理を作るのも好きなので広いキッチンも欲しいですね」


 俺はあれやこれやと色々注文をしてしまったがクリスタさんは嫌な顔一つせずに俺の要望を全てメモしていた。


 「...こんな感じなんですがどうですか?」


 「うん。これなら予算内で作れると思う。早速今日の午後には親方に挨拶して明日から作ってもらう事にするよ」


 「俺も今日親方さんの所に着いて行っても良いですか?俺も挨拶しておきたいので」


 「うん。それは大丈夫だよ。じゃあ、早速行こうと思うから少し待っててくれ。必要な書類を持ってくる」


 「はい」


 そういうとクリスタさんは部屋を出て行った。


 「ローウェン君。良かったわね。早速出来そうで」


 「そうだな。エリカもありがとな。クリスタさんの所を紹介してくれて」


 「良いんだよ。じゃあ、私はこれで帰るね」


 「ああ。明日も依頼を受けに行くからな」


 「待ってるわね」


 エリカは俺に手を振って帰って行った。


 1人残った俺は色々考えていた。


 (楽しみだな。いつか家を買いたいなと思ってはいたけどまさかこんな早く手に入るとはね)


 俺が考え事をしていると後ろから声をかけられた。


 「お待たせローウェン君。じゃあ、早速行こうか」


 「はい!」


 俺とクリスタさんは家を作ってくれるというドワーフ族の親方の元に向かった。


 「ここだね。ウルカ親方、こんにちは!」


 すると奥からドワーフ族の親方さんが出てきた。


 「いらっしゃい。おお!クリスタじゃねぇか。息災か?」


 「はい。おかげさまで元気にやってますよ。ウルカさんもお元気そうで安心しました」


 「おうよ!ところで今日は何の用で来たんだ?」


 「そうでした。今日は家を作って欲しくてその依頼で来たんです」


 「その家はクリスタの横にいる坊主のか?」


 クリスタさんがこくりと頷いたのを見て、俺は親方に挨拶した。


 「ウルカ親方、初めまして。俺はローウェンです。この度家を作りたいとなった時にクリスタさんから親方の所を紹介していただきました。これからよろしくお願いします」


 「おう。俺はウルカってんだ。こっちこそよろしくな!」


 ウルカ親方はニカっと笑って手を出してきたので俺もそれに応えて笑顔で握手を交わした。


 「それにしても冒険者のやつがこんなに丁寧な口調だと思わなかったぜ。ローウェン、俺に敬語はいらんからタメで話してくれ。あと、呼び捨てでいいからな」


 「分かったよ。こっちの方が俺も楽だ。口調が丁寧なのは俺が元貴族だからだな」


 「そうなのか!?今、元って言ったか?どういう事だ?」


 「俺は伯爵家の長男だったんだけど先日家から追放されちゃってな。だから家を買おうと思っただけだ」


 「俺は人を見る目はあるつもりだが兄ちゃん相当強いだろ?なのに追放されたのか...」


 「俺は気にしてないから別にいいんだよ。それよりも家の事を話したいんだが」


 「そうだな。どういう家がいいんだ?」


 俺は先日クリスタに話した内容と同じ物を親方にも説明した。


 「こんな感じのが良いんだが頼めるか?」


 「任せとけ!これなら普通に出来る」


 「ありがとう、任せるよ。じゃあ、俺はこれで帰るけどクリスタはどうするんだ?」


 「私は親方ともう少し話すことがあるから残るよ」


 「そうか。じゃあ、またな。今日はありがとう」


 「いえいえ。今後ともうちをご贔屓にお願いね」


 こうして俺はクリスタや親方と別れて、転移で家に帰った。


 因みに最初クリスタの事、さん付けで口調も丁寧だったのに別れた時には呼び捨てでタメだったのはクリスタ本人からそうしてくれと言われたからだった。


 さて、明日からもじゃんじゃん依頼をこなしていこう。

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