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第2話〜国を出る準備〜

父上に追放を言い渡された翌日、俺は朝食を食べ王都に来ていた。


 因みに家から王都までは歩いても5分くらいだ。


 「今日は剣とポーション類を買おう。まずはポーションから行くか」


 俺はポーションを買いに、王都有数の名店に向かった。


 「いらっしゃいませ!今日はどんなご入用ですか?」


 「冒険者になろうと思ってるので、その為に下級と中級の回復ポーション、それに解毒用のポーションをそれぞれ5本づつ下さい」


 「かしこまりました。では、金貨2枚と銀貨8枚になります」


 「はい。こちらでお願いします」


 「金貨2枚と銀貨8枚、丁度ですね。では、今からお持ちしますので少々お待ちくださいませ」


 「はい」


 店員さんが奥に下がってから数分後、買ったポーションを持ってきてくれた。


 「お待たせ致しました。こちら、ご購入されたポーションでございます」


 「ありがとうございます」


 「いえいえ。またのご利用をお待ちしております」


 俺は店員に頭を下げてから、店を出た。


 「良し!次は武器屋に行こう」


 俺は店を後にして、王都で有名なベイスさんという鍛治師がやっている店に向かった。


 「こんにちわ」


 「どうした?坊主」


 「冒険者になりたいから剣を買いに来たんだ」


 冒険者は敬語を使っていると馬鹿にされると聞いた事があった為、タメ口で話した。


 「剣と一口に言っても色んな種類があるからな。坊主はどんな戦い方をするんだ?体格は小柄だから重量級は無いだろ?」


 「うん。魔法が少し使えるから軽めの片手剣にしたいんだよね。盾はいらないよ」


 「良し、分かった。少し待ってな」


 ベイスさんはそういうと、奥に下がっていった。


 数分後、ベイスさんは2本の剣を持って来てくれた。


 「坊主、待たせたな。取り敢えず坊主に合いそうなのを2本持って来たから順番に振ってみてくれ」


 「うん。ありがとう」


 俺は言われた通り、2本の剣を振ってみた。


 「どうだ?」


 「うーん。良い剣なのは勿論伝わるんだけど何か違うんだよね」


 「そうか、どうしたもんか...。坊主、少し待っててな。もう1本持ってくる」


 「うん。分かった」


 ベイスさんはそういうとまた裏に下がっていった。


 暫くしてベイスさんが戻ってくると、俺の前に1本の剣を置いた。


 「これは?」


 「こいつは魔剣ベルトリスと言ってな。持ち主が込めた魔力や属性を吸収して切れ味を上げたり、属性を剣に纏わせる事が出来るやつなんだ。こいつはとある冒険者がAランクのダンジョンから持ち帰ってくれたんだが実はまだ買い取り手がまだいないんだ」


 「どうして?こんなに良さそうな剣なら引くて数多でしょ?」


 「それがな?この剣、実は生きているんだ」


 「ええっ!?どういう事!」


 「普通は人が剣を選ぶだろ?」


 「うん。そうだね」


 「だがこいつは違う。こいつが人を選んでるのさ。まるで自分の主人を探すみてぇにな」


 「そうなんだ。取り敢えず持ってみるよ」


 「気を付けろよ?今まで色んな奴がそいつを持ってみたがみんな体に電流が走ったみたいに痺れてたからな」


 「分かった」


 俺は意を決して、魔剣ベルトリスを掴んで鞘から抜いた。


 刀身が凄く綺麗で見惚れてしまっていると、突如頭の中に声が聞こえて来た。


 【ようやく私の主人に相応しい人が現れたようですね】


 「えっ!?誰?」


 【私は今、貴方が持っている魔剣ベルトリスです。あと、声に出さずとも頭の中のイメージで会話出来ますよ】


 【こうかい?】


 【そうです。素晴らしいですね♪】


 【ありがとう。それでさっき君が言ってくれた私の主人に相応しい人って事は俺の事認めてくれたって事で良いの?】


 【ええ。私、魔剣ベルトリスは貴方の矛となり、貴方を守る為にこの力を精一杯使いましょう」


 【じゃあ、これからよろしく。あと俺の名前はローウェンだ】


 【こちらこそよろしくお願いします。ローウェン様】


 【仲間になるんだから様は要らないよ。呼び捨てで呼んで欲しいな】


 【分かりました。では、ローウェンと呼びますね】


 【ありがとう。じゃあ、またね】


 【はい!】


 俺がベルトリスを鞘に収めるとベイスさんが心配そうな顔をして声を掛けてきた。


 「坊主!大丈夫か?」


 「うん。今、頭の中でこのベルトリスと会話してたんだ」


 「こいつが喋ったのか!?」


 「剣自体じゃなくて剣に宿ってる意思とだけどね」


 「それで何か言ってたのか?」


 「うん。俺の事主人だって認めてくれて、この先俺の矛として力を使ってくれるって言ってたよ」


 「おお!そいつは良かったな!」


 「うん。じゃあ、これ貰って行くね。あと、素材剥ぎ取りようにナイフが欲しいんだけど」


 「分かった。じゃあ、その剣とこのナイフ2つで金貨5枚で良いぜ」


 「そんなに安くて良いの?」


 「ああ。良いもん見せてくれた礼だ」


 「ありがとう。ベイスさん」


 「良いって事よ。その代わり何か入り用が出来たらまた来てくれよ」


 「必ず!」


 俺はベイスさんとがっちり握手を交わして、家に帰った。


 家に着くと、執事のセバスさんが出迎えてくれた。


 「ローウェン様、お帰りなさいませ」


 「セバスさん。ただいま」


 「奥様とラルトル様がローウェン様にお話があるから帰って来たら奥様のお部屋に来るようにと仰せつかっております」


 「母上が?分かった。すぐに向かうからセバスさんは3人分の紅茶をお願い出来る?」


 「かしこまりました」


 俺は手を洗った後、母上の部屋に向かった。


 コンコン


 「誰かしら?」


 「ローウェンです。入っても良いですか?」


 「勿論良いわよ」


 「失礼します」


 俺が部屋に入ると、母上が突っ込んできて抱きついて来た。


 「母上!?どうされたのですか?」


 「今日貴方が出掛けた後、夫からローウェンをライゼスト家から追放すると聞かされて私もラルトルも勿論反対したんだけどこれは当主の決定だから変えるつもりはないって言われたわ」


 母上は泣きながら話していて顔がぐしゃぐしゃになっていた。


 「母上。せっかくお綺麗な顔をされているのに泣いていたら台無しになっちゃいますよ。それに俺自身家督には興味が無かったので今回は丁度良かったと思っています。勿論母上やラルトル、セバスさんやメイド達、父上とも離れるのは寂しいですが俺は冒険者として旅に出ます。みんなにも吉報が届くぐらい活躍して見せます」


 「ローウェン兄様...」


 ラルトルは泣きそうな顔をしながらも真っ直ぐ俺を見てきた。


 「このような事になってしまってすまない。俺の代わりに次期当主として父上や母上、セバスさん達の事を頼んだぞ!ラルトルは俺には勿体無いくらいの良い弟だったよ」


 「兄様!」


 ラルトルは俺の腰辺りに抱きついて来た。


 「兄様!どうかお元気で。兄様が安心して冒険者活動が出来るくらい僕が立派に継いでみせます!」


 「楽しみにしておくよ。冒険者としての活動が落ち着いたら半年に1回手紙を書くよ。ギルドに渡してくれたら俺に届くようにしておくから返信はギルドを通してくれ」


 「分かりました」


 「母上もどうかお体に気を付けてお過ごしください。いつの日か会えるのを楽しみにしていますね。と言ってもまだ数日はいますよ笑」


 「ローウェンも気を付けてね。私も楽しみにしているわ。貴方は自慢の息子よ」


 「ありがとうございます」


 俺は母上、ラルトルの順に抱き合い、自分の部屋に戻った。


 (明日も色々買わなきゃね)


 俺はベッドに入り、明日に備えて就寝した。

どうも!ユウキです


2話目をご覧いただきありがとうございます♪


ローウェン君が手に入れた魔剣ベルトリスですが、かなりチート級に強いです


今のローウェン君のステータスで何故ベルトリスが主人として認めたのかは次回を読んでいただければ分かるようになってますので次回も読んでいただければ嬉しいです


さて、ここからはこの作品内での会話の形式を解説したいと思います。


魔物の解説等も登場度に書いていきますのであとがきも読んでいただければ嬉しいです。


「」:普通の会話


<>:魔法の詠唱


【】:念話やテレパシー等

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