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インタビュー後

 GMCデバイスは次々と改良されたものが開発されていった。正面から撮影するタイプのものから、指先や小さな生物撮影に特化したタイプ。血液から霊子を検出するタイプに、正面から強めの重力子線を照射することにより背後にゴーストマターを投影させるタイプ。さらにCTスキャンのように全身を輪切りのように撮影し、体内のゴーストマターの分布状態までわかるタイプのものまで様々だ。

 幽子と霊子のことが解明されていくたびに、謎は増えていく。その都度科学者たちは仮説を立て、証明すべく議論と実験を重ねていく。仮説を立てているのは科学者だけではないのだが。


 ISCOの本部宇宙ステーション、通称「ネクサス」の記者室。ISCOに加盟している大手報道機関の記者が、著名科学者の単独インタビューを終えたところだ。

 「おい、新人!ちゃんと記事にできそうか?」

 「やりますけど・・・さっきのインタビューを記事にするんですか?」

 「確かに大発見は何一つなく、謎は深まるばかりって感じだったけどな。俺たちのこういう記事を期待している読者もいるんだ。ちゃんと記事にしろよ!」

 「読者って・・・こんな謎かけばかりの記事、バズるはずないですよ?」

 「バズらせるだけが記事じゃねえって、何度言ったらわかるんだ!!」

 「せめて憶測でもいいから答えを言ってくれたら面白くなるのに」

 「あのな~。あんな有名な科学者が、憶測だろうとテキトーな答えなんて言えねえんだよ!!大スクープになっちまうだろ!!そんで見当違いだった日にゃあ、面目丸つぶれだぞ!!」

 「なまじっか、有名だから適当な答えを言えないんでしょ?僕だったら適当なことを言っても、笑われるだけで済むのに」

 「ほぅ・・・笑われる自信があるってことだな?それじゃあ、お前が答えてみろ」

 「何でも答えますよ。・・・適当ですけど」

 「適当ねえ・・・じゃあ『何故、幽子は霊子と常に一緒で、単独で存在しない』んだ?」

 「簡単ですよ。『幽霊』だからです。幽霊を『幽』と『霊』に分けたらおかしいでしょ?」

 「なんだそりゃ?科学者からは絶対に出てこない答えだな。まあいい、次だ。『幽子は何故、上半身に多く存在してる』んだ?」

 「幽霊に足が無いからに決まってるじゃないですか」

 「くっ・・・じゃあ『霊子は血液などの水分中に多く存在してる』のは、何故だ!?」

 「そんなの幽霊がジメジメしたところが好きだからですよ。海とか川とかヤバいんですよ。水辺は幽霊が溜まりやすいんですよ?」

 「お前、本っ当~に、て・き・と・う・だな!!」

 「そんな、褒めなくても・・・」

 「褒めてねえ!!・・・もういい!!最後だ!!『霊子は生物の全てで存在が確認されているのに、共通項が見つからない』のは何でだ!?微生物にも霊子はあるって言ってたぞ!!人間と微生物の共通項を言ってみろ!!」

 「水分が共通してるじゃないですか。水ですよ、水。成分とかイオンとかミネラルとか、そんなのばっか見てるから気付かないんじゃないんですか?」

 「・・・・・・」

 「黙っちゃって、どうしたんですか?」

 「いやあ・・・案外、そうなのかもしれねえって、思ってな・・・」



作者の真のSFレベルはこの程度です。

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