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科学とオカルトの交差点(Gravity Ghost Gear開発史)  作者: 高戸 賢二


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GMCデバイス

 科学の進歩は日進月歩だ。

 量子重力学連合(Quantum Gravity Union通称:QGU)が開発した「時空間歪曲表示装置(Spatiotemporal Distortion Display)通称:SDD」はプロミナレンズが改良し、微弱ながらも高周波の重力波を放射しながらゴーストマターの撮影ができる改良型SSDカメラ「ghostmatter Capture Device(ゴーストマターキャプチャーデバイス通称:GMCデバイス」を開発した。

 このGMCデバイスは人間や動物に悪影響を与えることなく「幽子」「霊子」「反霊子」を撮影、解析できるものである。ISCO加盟企業と研究団体に支給されたおかげで、特に「幽子」と「霊子」の研究が一気に加速した。

 動物だけでなく植物実験も頻繁に繰り返され、ゴーストマターの特徴が徐々にではあるが解明されつつあった。


 昆虫や魚を含むすべての動物には幽子と霊子が存在している。幽子は必ず霊子と一緒に存在し、主に上半身に多く存在している。一方の霊子は単独でも存在し、主に血液中に多く存在していた。

 植物の場合は幽子が存在しない。植物の霊子も茎や根など、水分の多いところに多く存在しているようだ。土や機械などの無機物や人工物には幽子も霊子も存在しないことも判明した。GMCデバイスの普及後、瞬く間に地球上のすべての物体の幽子と霊子の判定を終えようとしていた。

 ISCOはGMCデバイスによる判定結果を纏めている。単純に色分けすると「動物には幽子と霊子が存在する」「植物には霊子のみが存在する」「生物でないものには幽子も霊子も存在しない」となる。

 一部の科学者から「幽子と霊子の存在で生物を定義してはどうか?」という生物学会を揺るがすような提案がなされた。医学界の一部からも「幽子による生死判定」の提案が上がる。しかしいずれの提案もISCOは保留とした。理由は簡潔で、まだまだ解明されていないことの方が多いからである。  「幽子と霊子の存在で生物を定義してはどうか?」に関しては「では幽子も霊子も存在している幽霊は生物なのか?」という疑問に対する回答が得られていない。また「幽子による生死判定」も「幽子を持つ幽霊は生きていると言えるのか?」という疑問に明確な回答がなかった。

 解明が急速に為されたとはいえ、ゴーストマターの研究はまだまだ初歩的段階に過ぎないのである。法に落とし込むには議論が必要だった。もっとも実際に困難な事態が起きてからでないと、変わらないのが法でもあるのだが。

 「幽子」と「霊子」の実用化に関する議論は、ISCOでも地球上でも尽きることが無かった。幽子も霊子も人間なら誰しも持っているものであり、人間の根幹や存在意義を担うような物質なのだ。慎重に慎重を重ねても、異論はどこからも出ないだろう。とはいえ毎日のように次々と新たな事実がISCOには上がってくる。その都度、新たな提案から疑問が上がり回答を探す。


 時代は一つの転換期を迎えていた。



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