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瞬間移動検証(3)

「リリー君、二人を連れてきてくれてありがとう。ブラキオ君、ヨウコ君、待たせてしまって申し訳ないね・・・おや?キミはゼー君の方かい?」

「さすが先生、よくわかったな」

「最近のゼー君はわかりやすいからね。ヨウコ君はどうしたんだい?」

「洋子は・・・寝てる」

「ハハッ、そうか。仕方ないね。ゼー君は自分の超能力を論理的に説明できるかい?」

「さすがに漠然としかわかってないね。論理的な説明なんて、ヘイゼルの旦那でもできないんじゃないか?」

「じゃあボクが代わりに、瞬間移動を論理的に説明しよう。まず瞬間移動をするにはESPの『空間認識』を使って現在の位置と目的地を正確に認識する必要がある。それはわかるよね?」

「さすがにそれくらいはわかるな」

「次に瞬間移動を行う際、ゼー君は意識を集中させることで自身の霊子をコントロールする。ゼー君は霊子を意識してるのかな?」

「霊子と言うよりは・・・パワーかな?内から漲るパワーみたいな感じだ。ヘイゼルの旦那は『オーラ』って言ってるけど」

「オーラか・・・なるほど。『オーラ』という言葉はラテン語の『aura』、さらにギリシャ語の『ἀύρα (aura)』に由来してるんだけど、内なる力やエネルギーという意味でも使われるね。じゃあここではオーラは『霊子力』と解釈しよう。分析してみた限り、霊子の力で間違いないはずだから。それでパワーはどれくらい籠めてるのかな?」

「いやあ、それこそ漠然として良くわからない。ちょっとパワーとかも違うんだ。一番しっくりくるのは『小宇宙コスモを燃やせ!』だな」

「ハハッ、『小宇宙コスモを燃やせ!』と来たか!うん、言い得て妙だね!!」

「先生、コスモって何だ?」

「ブラキオ君は知らないのか・・・20世紀に作られたマンガが原作のハリウッド映画に出てくるんだけどね」

 カインは映画「SAINT SEIYA」の魅力をたっぷりと語る。ブラキオは半ば呆れていたが、リリーは目を輝かせて聞いていた。

「洋子はアニメ派だけどな。洋子はオタクの腐女子だから、アニメやマンガは詳しいんだよ」

「いやあ、オレには縁がねえな・・・」

「ダメだよ!!そんなんだからブラキオ君の超能力はレベルアップしないのさ。超能力はインスピレーションがモノを言うんだよ。荒唐無稽なモノって思うかもしれないけど、そういう発想と思い込みが超能力のスキルアップに繋がるんだから」

「・・・マジか」

「アンタ、ゼーさんにしっかりとアニメの世界を教わりなさい!ゼーさん、私にも教えてくださいね」

「やなこった」

「え・・・」

「そういうのは洋子に教えてもらえ。アタシの柄じゃないよ」

「あ~ヨウコさんなら大歓迎です!」

「姐さんだったら、まぁいいか・・・」

「覚悟しとけよ。洋子にその手の話をさせたら、三日三晩寝かせてくれねえからな」


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