表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
219/405

激突(4)

《・・・お前は、仲間を散々殺しやがったんだ。俺はお前を絶対に許さない!!フェノーメノ・モンストローゾォォォ!!》

《フェノーメノ・モンストローゾとは?何者だ?》

《少尉が知らないのも無理ありません。フェノーメノ・モンストローゾとは暗殺組織『永遠の輝き団』の親玉であり、我が国の諜報部員を散々殺しまくった悪党ですよ!!》

「悪党呼ばわりとは心外だな。あれは『仕事』だ。恨むなら私に依頼した者にしてほしいのだが」

《黙れ!!悪党!!貴様に殺された同僚、先輩たちの仇を、今ここで討ってやる!!》

 格闘タイプのサンダース軍曹のレイヴェンジャーが、両腕を上げてボクシングのファイティングポーズを取る。

《ここは私に任せてください。少尉は曹長を連れて戦線離脱の準備を。少尉たちの武器ではヤツに通用しませんから》

《し、しかし・・・》

《私にはこれがあります》

 サンダース軍曹のレイヴェンジャーが腰に両手を回し、四角い箱のついたナックルダスターのような武器を両拳に装着した。通称ではメリケンサックとかカイザーナックルとか呼ばれる武器であり、背中のバックパックとホースのようなパイプで繋がれている。

《この「Gナックル」ならば通用するはずです。フェノーメノ・モンストローゾは女狐の配下。今ここで滅しておかないと、我が国の障害となる敵です!!さあ、少尉たちは早く離脱を!!》

《・・・了解した。・・・サンダース軍曹、死ぬなよ!!》

 キアマイヤー少尉は逡巡した後に撤退を選んだ。フリード曹長は気を失ったままであり、彼を捨て置くこともできないからだ。フェノーメノ・モンストローゾは2基のレイヴェンジャーが離脱していくのを、大人しく眺めている。

「・・・サンダース軍曹もいっしょに離脱してくれれば、私も見逃したのだがな。・・・逆に好都合か?私が敬愛する総帥殿を『女狐』呼ばわりしたことを、後悔させてやろう」

 フェノーメノ・モンストローゾの周囲に禍々しい空気が集められていく。肉眼レベルでは見えないものの、霊子レーダーには集束する霊子が表示されていた。アクアシルバーが網羅したレイヴェンジャーの肌が泡立つような感覚に襲われる。一般的に言う「鳥肌」だ。ロボットに過ぎないのに妙に生々しい。レイヴェンジャーに排泄機能が無くてよかった。失禁していたかもしれない。

「ほう・・・耐えるか。少々多めの殺気を籠めたのだがな。これでは精神干渉はできんか。・・・さすがだと褒めておこう!!」

 黒いローブが舞い上がり、猛スピードで頭部に取りつき手を翳す。サンダースの顔面が炎に包まれた。パイロキネシス(Pyrokinesis=発火能力)によるものだ。かつてサンダースが諜報部に所属していた頃、同僚や先輩が焼死体となったという報告を何度も耳にした。全員これにやられたということか。

《効かぬわ!!》

 レイヴェンジャーには肌感覚が備わっているものの、ある一定の感度以上の感覚は制御される。灼熱の炎に包まれても「温かい」ぐらいにしか感じないのだ。人間では太刀打ちできない化け物相手でも、レイヴェンジャーなら戦える。

「炎も耐えるか。フン、面白い。レイヴェンジャーの実力とやらを見せてもらおうか」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ