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激突(2)

《突出するな!!軍曹!!このまま進むと領空侵犯になる!国際問題になるぞ!!》

 3機のレイヴェンジャーの内の1機が、3機編隊を外れ真っ直ぐに突出していく。会話はテレパシーに似た霊子通信によるものだ。

《国際問題?なるわけありません。エクセル・バイオの総本山ですよ?女狐が表沙汰にするわけがありません!!》

 サンダース軍曹が憑依しているレイヴェンジャーがスピードを上げた。

《いかん!!我々の任務に戦闘は含まれていない!!引き返すんだ!!》

《女狐はレイヴェンジャーに対抗できる3Gを開発していません。潰すなら今の内です。もしも女狐が3Gに対抗できる兵器を開発していたら、逆に立派な戦果になるでしょう。女狐の出方を探るのも、我々の任務の一つでしょう?》

《リスクを犯すな!!女狐は上層部も手を焼く相手だぞ!!引くんだ、サンダース!!》

《引きません。止められるものなら止めてくださいよ、キアマイヤー少尉》

 サンダース軍曹の霊子通信が途絶える。

《くそっ!!フリード曹長、二人がかりでサンダースを止めるぞ!!ついてこい!!》

《了解》


 先行したサンダース軍曹のレイヴェンジャーであるが、領空に入った辺りである異変を感じるようになっていた。・・・体が・・・重い。ダイバーに選抜されて、レイヴェンジャーを操るようになって初めての経験だ。思う通りに動かない。手枷足枷を嵌められたような体の重さ。GBUシステムの異常だろうか?それともレイヴェンジャー自身に異常が発生したか?原因が全くわからない。進めば進むほど動きが鈍くなっていく。このままでは少尉たちに追いつかれてしまう・・・危惧した瞬間、背後から急接近してくる気配を感じる。・・・ダメだ。反応が鈍い。

ガシィィィッ!!!

 サンダース軍曹の両腕に衝撃が走る。右腕をキアマイヤー少尉、左腕を曹長に拘束されていた。

《捕まえたぞ!!サンダ-ス!!おとなしく戻るんだ》

《・・・キアマイヤー少尉》

《どうした?改心でもしたのか?スピードを落として》

《・・・どうも機体に異常が発生したようです。突然体が重く、動きが鈍くなりました》

《何だと!?原因はわかるか?》

《いえ、全く見当もつきません》

《いつからだ?》

《ちょうど領空に入った頃から・・・》

 ・・・待てよ。領空に入った途端に動きが鈍くなる?島に近づけば近づくほど、動きの重さが増していく?

《少尉たちの機体に異常は起きていないのですか?》

《いや、こちらは両機とも異常はない》

 エクセル・バイオのバリア的なものを想像したのだが・・・違うのか?いや・・・サンダース軍曹は何者かの意図を感じ取る。

《少尉、曹長。今すぐ霊子レーダーを最高感度に切り替えてください!!》

《どうした?何も見えないぞ?》

《気配がします!!早く、切り替えて!!》

《ひぃぃぃっ!!何だ!?あれは!?》

 一足先に最高感度に切り替えたフリード曹長から悲鳴が上がる。肉眼レベルでは何も見えないはずの空中に、黒い布のような物体が浮かんでいた。



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