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独自計画

 超大国はエクセル・バイオから入手した「改良版ホムンクルス計画」を独自の計画へと昇華させるべく、NSSDAを中心とした三つの専門部門を立ち上げた。

 一つ目はブラックホールエンジンと重力コントローラの開発を専門とする部門であり「Team Gravity Dynamics」と名づけられた。すでに重力コントローラはグローバル・エナジーが量子重力学連合(Quantum Gravity Union)とクォンタム・エンジンリサーチ(Quantum Engine Research)を資金援助することで試作品を完成させている。実はNSSDAも極秘でグローバル・エナジーの重力コントローラ試作品作製に技術協力していたのだが、「Team Gravity Dynamics」設立と同時にグローバル・エナジーを巻き込むことを公式に表明した。これはグローバル・エナジーを含む量子重力学連合とクォンタム・エンジンリサーチを、超大国の傘下に入れたと公表するようなものである。このことは超大国が重力コントローラ開発に於いて、一歩も二歩も先んじたことを意味していた。

 二つ目が霊子レーダー開発を目的とした霊子回路研究を専門とする部門であり、彼らは自らを「Association for Achieving Ghost Matter (ゴーストマターを実現する会)」と名乗った。「ゴーストマター」とは作家でもあり科学者でもある、ノーベル文学賞受賞者の「ナディヤ・カザンスカ」が幽子と霊子を一般に広めるために付けた造語である。霊子研究関連書籍と言えば、ナディヤ・カザンスカの著書「霊子論(Spiriton Theory)」が最も有名であり、初版から200年以上が経っているにも関わらず数多の科学者たちのバイブルとなっていた。当然NSSDA内でもナディヤ・カザンスカ博士の根強いファンが多く、今回の霊子回路研究専門部門設立の際にも管理職を含む多くの希望者が殺到してしまったほどである。超大国の命運を握るプロジェクトでもあるため、NSSDA内でも最高の頭脳が結集されることとなった。すでに民間企業数社が霊子通信の試作品を完成させているが、数年と立たずに軽く凌駕してくるだろう。

 三つ目が「ホムンクルス」と称される万能憑依クローンを、大型ロボットと融合させる機体本体の開発を担当する「Hybrid Gear Project」である。元々超大国の軍部に於いて、人間と機械の融合というのは古来より研究されてきた分野である。サイボーグや強化人間など生身の人間を兵器とするための研究は、極秘ではあるものの膨大な実績があった。軍部を中心としつつ国内の軍需企業の技術の粋を集めたプロジェクトチームは、STARシステムが公表されていることから、すぐにでも試作品を完成させるであろう。

 こうして三つの専門部門を立ち上げた超大国は、それぞれのチーム名から機体名称を「Gravity Ghost Gear(重幽機)」と名付け「Gravity Ghost Gear計画」を大々的に発表するのである。








ようやくタイトルの「Gravity Ghost Gear(重幽機)」の名前を出すことができました。

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