第3話第1夜 …打ち上げ…じゃぁい…②
「そんじゃぁ…」
「「「「カンパァァァァァイ!」」」」
グラスの当たる音が華々しく鳴る。
「……っかぁぁぁ〜…うめぇ〜…」
「こりゃ〜…日本酒か、そりゃ美味いや。」
「甘っ…俺はビールの方が良かったぜ…」
「文句言うなジジイ。」
「…んふ〜…」
それぞれ一服…
選んだ日本酒の種類は薫酒、料理に合うであろう日本酒だ。
フルーティーな香りを漂わせるため、華やかな酒であるが、
「さて肴の方は…」
「味濃いやつしか作ってないぞ、刺身のコチュジャンだかなんだかのやつと…」
見ての通り酒カスだらけなのでどうしようもない。
華やかさとはなにか…まぁ、料理に合えばいいや。
あと今『あれ?柊未成年じゃね?』と思ったそこの君。
安心しろ、ちゃんとオレンジジュースだ。
「コンビニで買ってきたのは、ポテチ2袋だぞ〜。」
「お、ジジイもたまには、やるじゃねぇか〜」
「一言余計だ、寝坊助。」
「誰が寝坊助だ、このセクハラ野郎!」
打ち上げそっちのけで、取っ組み合いになると、
「「「打ち上げの時まで喧嘩するなバカ2人!」」」
柊が珍しく大声を出している、可愛い。
「す、すんませ〜ん…」
大人二人に怒られるジジイ。
「柊、可愛いぞ〜!」
「…反省の色がまるでない…!?」
じゃれつく女子組、何だこの格差。
さて、料理の解説と行こう。
あとから合流した組が買っていた材料を使って、さっき言った刺身のコチュジャンあえ、ポテチ、焼き鳥、酒盗……などなど、色んなツマミが机を埋めつくしている。
あ、柊の前だけちゃんと夕飯である、オムライスがある。
しばらく皆飲んだり食べたりして、ある程度経ったあと、
「はい、じゃあラルの能力どうすればいいか会議、12回目!」
美咲が議題のようなものを持ち出した。
「なっげぇ〜…」
「なげぇなぁ…」
「長い…」
「長いよなぁ…」
4人同時に言った。
「おいコラ、他人事みたいに言うな最後、自分の事だろ。」
うんまぁそうだけどさぁ…
「一応解決策はあったんだよ…」
「あ、あるのな。」
ビール瓶片手に師匠が答えた。
……え?どっから持って来たそのビール瓶…
「でもそれがな〜…」
「それが?…」
柊が興味津々に聞いてくる、目が純粋すぎる。
「…鬼神の方が色々してくれてんの、それが済まないと俺は何も出来なァい…」
後ろのソファにもたれる。
「そういや、その鬼神は生まれた時からお前といるんだっけか?」
「あぁそうだが……って、おいコラ、目線目線、せめてもうちょっと自重しろ、それか師匠に構ってもらえ。」
ジークが質問してくる、どこを見ながらは言うまでもなかろう。
「おいラル、ナイスパスだ。」
「うぇ〜い」
師匠とハイタッチする。
酔ってんなもう皆。
「後にするぜそれは…で、元々は自由に使えてたんだって?」
「あぁ、当時、まだまだ戦闘能力は無かったが…まぁあれは俺の方に問題があるな、とりあえず昔は雲ふっとばしたり、車片手で持つとか…はぁ、ホント自由だったなぁ〜…」
からんからんと、グラスの中の氷がじゃれつく。
「ま、結論、ラルスの母親方の親戚がクズだったって事でいいだろ?」
酔いが周り、顔が少し赤い美咲が纏めた。
「大雑把だな、まぁ、いくら生活のためと言えど、ガキを売るのは気が知れんな。」
今の二人の会話の詳しいことを説明すると、俺がまだ子供だった頃、母親が死んで、何故か母親方の親戚に引き取られた、そのせいで父親とはもう長く会っていない。
そして、そこで不遇な扱いされた上、おまけに、前行ったあのやばげな研究機関である。
「…ぐぅぅ…思い出すだけで腹が立ってきた…今日は飲み潰れてやるぅ…」
グラス内の日本酒を飲み干した。
日本酒はそれでラストだった。
「お、いいぞいいぞぉ〜、誰が1番最後まで残れるか勝負…」
と、ジークがいいかけて、俺の右側に視線を落とした。
その先には、
「すぅ…すぅ…」
大天使、柊が寝ていた。
「…静かに飲もうぜ。」
現状眠気は無いので、鉄粉を適当に取り寄せて、別の部屋にある毛布を運ばせ、柊に掛けた。
「「「賛成。」」」
残りの大人共は静かに飲み始めた。